3分解説

【3分解説】クエスチョニングとは?その意味をわかりやすく解説!

クエスチョニング

『クエスチョニング(Questioning)』とは「自身の性や性的指向が定まっていない人」、「自分の性をあえて決めていない人」または「まだ自身の性を決めかねている人」などSOGI(性的指向と性自認)が定まっていない人のことを意味します。近年、「性のあり方はグラデーション」とも言われるように、ジェンダー問題に注目や関心が高まっています。今回は『クエスチョニング』の意味、他のセクシャリティとの違い、そしてクエスチョニングの人が抱える悩みや診断方法について取り上げていきます。

クエスチョニングとは

『クエスチョニング』とは「自身の性や性的指向が定まっていない人」、「自分の性をあえて決めていない人」または「まだ自身の性を決めかねている人」を意味し、クエスチョニング(Questioning)は、LGBTQの「Q」にあたります。

もともとLGBTQは、レズビアン・Lesbian(女性同性愛者)、ゲイ・Gay(男性同性愛者)、バイセクシャル・Bisexual(両性愛者)、トランスジェンダー・Transgender(体と心の性別と異なる人)、クィア・Queer(すべての性的マイノリティ)またはクエスチョニング・Questioningの頭文字をとった言葉です。

クエスチョニングは、英語のQuestion(疑問、疑い)という言葉が由来となっており、その言葉通り、「自分の性別に迷っている」「自分の性別はもしかしたら男でも女でもないのかもしれない」「自分はもしかしたら同性も恋愛対象なのかもしれない」という場合当てはまることがあるのです。

その他にもクエスチョニングにはさまざまな経緯を持つ人がいます。

例えば、「昔は自分のことを女性だと思っていたけれど、今は男性である」「昔は男性が好きだったけど、今は女性が好き」などセクシャリティや性的指向の転換期の人にも該当します。

その他にも「性にこだわらないで生きたい」「今は異性が好きだけど、もしかしたら同性も好きなのかもしれない」「別の性になりたいけれど今ははっきりしていない」などセクシャリティや性的指向をあえて決めない人や、まだはっきりしていなくて決めかねている人もクエスチョニングに当てはまります。

「クィア」との違い

LGBTQの「Q」はクエスチョニングと同時にクィアという性を指します。よく「クエスチョニングと同じ意味なのでは」などという声もありますが、クィアは主にLGBTのどれにも該当しない、ジェンダーやセクシャリティを包括的に、または性的マイノリティの総称としても使われる言葉です。

もともと「クィア」は「風変わりな」や「奇妙な」などといった性的マイノリティへの侮辱的な意味として使われていましたが、1990年代以降に当事者たちが性的マイノリティ全てを包括する言葉として、肯定的な意味で使われるようになりました。

「クィア」と「クエスチョニング」の大きな違いは、「クィア」は性的マイノリティに対する生き方や態度を示すものであり、LGBTの枠組みに当てはまらないことがある一方、「クエスチョニング」は自身のセクシャリティがはっきりと定まっていない、あえて定めていないというところにあります。そのため、どちらも「自分らしいセクシャリティ」という点においては共通点として捉えることができるでしょう。

他のセクシャリティとの違い

クエスチョニングに関連、類似している言葉として、「Xジェンダー」と「ノンバイナリー」があります。

Xジェンダー

「Xジェンダー」とは「自分自身の性が女性でも男性でもない人」を意味します。
ここでいくつかの性の例を紹介します。

  • 中性:自身の性が女性と男性の真ん中に存在するという自認
  • 両性:自身を女性でもあり、男性でもあると認識しており、それぞれの割合は人によって違う
  • 無性:自身を女性と男性、どちらとしての要素も感覚も当てはまらないという自認
  • 不定性:自身の性が流動的で、女性、男性に限らず、多様な性の間で揺れ動いている人

つまり、自身の性が一つに定まらず、揺れ動いているということを自覚していて、それも一つの性であると認識していることを「Xジェンダー」と呼んでいます。

ミュータントウェーブ
元サッカー選手・トランスジェンダーの3人がはじめたYouTuber「ミュータントウェーブ」を突撃取材日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)の元選手で、現在は男性として生きるトランスジェンダーの3人が、自分らしく個性を発揮できる社会を目指してYou Tubeでの動画配信をしています。突然変異する波という意味の「ミュータントウェーブ」というグループは、情報発信を通してどのような未来を実現したいのでしょうか。ミュータントウェーブのおーちゃん、あさひ、まさの3人にお話を聞きました。...

ノンバイナリー

「ノンバイナリー」とは「自身の性が女性にも男性にも当てはまらない、または当てはめることに違和感を感じる人」を意味します。「Xジェンダー」とはほぼ同等に意味を持っているものの、「Xジェンダー」はもともと日本で生まれた言葉とされていることから、海外の方には伝わらない場合もあります。さらに、「Xジェンダー」は本人の性自認のみを女性、男性の枠組みに当てはめない人を表しますが、「ノンバイナリー」は性自認と共に本人がどの性として振る舞うのかを女性、男性の枠組みに当てはめない人までを表します。

【3分解説】ノンバイナリ―とは?その意味をわかりやすく解説!『ノンバイナリ―』とは「男性・女性どちらにも当てはまらない、あるいは当てはめられることに違和感を感じる人」を意味します。芸能人の宇多田ヒカルさんが『ノンバイナリー』であることを公表したことでも話題になりました。また、近年はジェンダー問題が注目されているため、多様なセクシャリティや意味の違いにも関心が高まっています。今回は『ノンバイナリ―』とは何か、その意味や診断方法、ファッションや恋愛について取り上げていきます。...

ですので、これらのセクシャリティと「クエスチョニング」の大きな違いは自身の性自認や性的指向が定まっていないというところにあるのです。

クエスチョニングの人が抱える悩み

「クエスチョニング」なのかもしれないと悩んだ場合、セクシャリティ診断がおすすめです。今回は、無料でできるセクシャリティ診断を2つご紹介していきます。

クエスチョニング

JobRainbow 

「JobRainbow」では、「こころの性」「ふるまう性」「性的指向」「恋愛思考」にわけてパーセンテージでよりわかりやすくセクシャリティを分析することができます。

10分でできるので、「自分らしさ」を考える参考に診断してみてはどうでしょうか。

https://jobrainbow.jp/discover_sexualities/ 

anone,

「anone,」でも、質問の回答を「こころの性」「恋愛的指向」「性的指向」「表現したい性」

の4つの指標にわけて2,000通りの組み合わせから、セクシャリティを分析してくれます。

簡単に診断可能で、細かく解説もしてくれるので、自分のセクシャリティに関して少しでもモヤモヤがある方は利用してみてはどうでしょうか。

https://anone.me 

これらはあくまでも自分自身のジェンダーやセクシャリティの傾向知ったり、質問に答えた部分での結果なため、これだけで判断する必要はありません。「クエスチョニング」は「まだ迷っている」「わからない」「決めない」が自然であると考えるセクシュアリティですが、不安や疑問が消えない場合は電話、LINE、そして実際に足を運べる窓口等もあります。

こちらの認定NPO法人虹色ダイバーシティではLGBTQ相談先リストを地域別に紹介しています。

https://nijiirodiversity.jp/513/ 

今回は「クエスチョニング」というセクシャリティを中心に触れてきましたが、他にも「クィア」「Xジェンダー」「ノンバイナリー」など、さまざまなセクシャリティやジェンダーが存在します。こちらの記事を通して、性の豊かさを共に尊重し、多種多様に広がるセクシャリティやジェンダーへの理解を深めていきましょう。

【3分解説】パンセクシャルとは?その意味を解説!『パンセクシャル(パンセクシュアル・Pansexual)』の意味は、「誰かを好きになるとき、相手の性別を気にしない人」のことです。ここでは、パンセクシャルの意味、そしてバイセクシャルとの違い、その特徴や診断方法などを知ることができます。LGBTQという言葉を耳にする機会も増えてきた今、多様に広がるジェンダーやセクシャリティへの理解を深めていきましょう。...

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA