3分解説

【3分解説】エコシステムとは?その意味や事例をわかりやすく解説!

エコシステムとは?

『エコシステム』はもともと生態系に関する言葉でしたが、現在ではITやビジネスの分野で使用することが増えました。今回は、エコシステムがなぜ注目されている考え方なのか、そして具体的な企業の事例やスポーツ界における直近の取り組みについて、詳しく解説していきます。

エコシステムとは

「生態系」という意味を持つ生物学の用語

エコシステムは「Ecosystem」であり、「生態系」という意味の英単語です。
自然界において同じ領域にいる生物や植物が互いに関わり合い、依存しながら生きている様子を指します。
具体的にわかりやすいイメージとしては、「森」や「サンゴ礁」など、1つのエリアに住む生き物たちが関係を築きながら共存している様子を思い浮かべると良いでしょう。

<豆知識:社会福祉士の試験にも登場>

何らかの問題をさまざまな環境(自然環境、社会環境、人間環境)と別々のものとして捉えるのではなく、一つのシステムとして捉える方法は「エコシステム視点」とされ、ソーシャルワーカーの考え方の一つとして社会福祉士の試験範囲にも出題されています。

エコシステムとは

ビジネスにおけるエコシステムの意味

エコシステムのポイントは「互いにメリットを与えながら存在する」という依存関係にあるため、この部分だけを切り抜けば、生物学だけでなくさまざまなシーンに適用できます。特にビジネスにおいては「一つの企業だけではなく、複数の企業や団体がタッグを組み、それぞれの技術や強みを生かしながら、業種・業界の垣根を越えて共存共栄する仕組み」を指す言葉として、エコシステムが使われています。

特にIT関連の企業に多い

1990年代以降、ITや通信業界は、インターネットとコンピューターの進化により発展を遂げてきました。英語圏が中心だったため、「Ecosystem」という言葉で、業界や製品、サービスが相互に連携して大きな収益構造を構成する様子をあらわすようになりました。

エコシステムのメリット

エコシステムのメリットは大きく3つあります。1つは他社の製品・サービス・技術を活用することで、効率よく、短期間で新製品を生み出すことができる点です。
2つ目は、グローバル化やテクノロジーの進化にともなった時代や需要の変化に対応するために、単独では難しくても、他の企業と連携することで次々と新しい価値が提供しやすくなります。3つ目は、それぞれの企業が自社の顧客に向けてプロモーションを行うため、 自社単独のプロモーション以上に幅広い展開が可能になり、サービスや企業の認知度向上が期待できることです。

エコシステムの具体例

エコシステムの例は多くありますが、代表的な2つの企業を紹介します。

Apple

iPhoneやMacといったApple製品は、チップやカメラなど多数の部品から作られており、その製造には複数の企業が関与しています。また、Apple社が提供するAppStoreやiTunesでも、Apple社以外の企業が作成したアプリケーション・音楽・映画が多く販売されており、これもエコシステムの一つと言えるでしょう。

Facebook

Facebookのミッションは「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」ことです(2017年6月に米国シカゴにてマーク・ザッカーバーグCEOが発表)。その中で、企業に対してFacebookは「広告エコシステム」として、企業の持つ情報をよりオープンにすることを求め、「口コミ」のマーケティングをさらに強化する仕組みを作っています。

エコシステムとは

スポーツにおけるエコシステム

このような共存共栄する仕組みを表すエコシステムですが、スポーツ業界においても、直近で動きがありました。

スポーツエコシステム協議会の設立

2022年1月、ソフトバンクや楽天グループなど30社が、DX時代のスポーツ産業の資金循環強化及びスポーツを起点としたエコシステムの推進に向けて「スポーツエコシステム協議会」を設立しました。コロナによるさまざまな社会の変化や、テクノロジーの発展によって、今一度スポーツの持つ本質的な価値を「経済価値」「娯楽価値」「健康価値」「人間的価値」「関係価値」の5つに整理し、各ステークホルダーと共創するべく、様々な活動を行っています。(詳細はグランドデザインを参照)

グランドデザイン「スポーツサーキュラーエコノミー」

この協議会の活動推進における「羅針盤」として定められたのがグランドデザインであり、そのビジョンとして「スポーツサーキュラーエコノミー」が掲げられています。具体的には、スポーツとテクノロジーが融合し様々な産業と企業が連携することで、スポーツの持つ5つの価値が自立的に増幅する「循環型経済圏」を目指すと記述されており、まさにスポーツ界のエコシステム構築が目標となっています。

エコシステムとはスポーツエコシステムグランドデザインより:5つの価値

 

エコシステムとは

スポーツエコシステムグランドデザインより:スポーツサーキュラーエコノミー

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