3分解説

【3分解説】グレートリセットとは?その意味をわかりやすく解説!

『グレートリセット』とは、現在の社会全体を構成する金融や社会経済などのさまざまなシステムを、一度すべてリセットすることを示しています。「世界経済フォーラム(WEF)」が、2021年に開催予定だったダボス会議でテーマとして掲げたことから、『グレートリセット』という言葉が注目されるようになりました。

「グレートリセット」とは

『グレートリセット』とは、現在の社会を構成する金融や社会経済などのさまざまなシステムを一度すべてリセットし、再構築することです。

「グレートリセット」という言葉は、アメリカの都市経済学者であるリチャード・フロリダ氏の本のタイトルとして作られました。著書『グレート・リセット』は、リーマンショック後の不況の中で出版されました。

現在、「グレートリセット」が再注目されている理由としては、世界情勢の改善に取り組む国際機関である「世界経済フォーラム(WEF)」が、2021年5月に開催するダボス会議のテーマとして設定したことがあります。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、2021年の開催は延期に追い込まれました。誰もが今までに経験したことのない新型コロナウイルスの流行により、世界経済への影響が長引く現在、社会・経済システムを新しく構築しようと、「グレートリセット」が話題になっています。

コロナ禍で注目されている「グレートリセット」

「グレートリセット」が注目されている理由として、新型コロナウイルスの流行が関係しています。我々が生活する世界は、複雑な金融システム、社会経済システムのもとで動いています。しかし、コロナウイルスによって引き起こされた世界的な危機の襲来、人工知能や5G、ブロックチェーンなどの技術革新により、これまで築き上げられた既存のシステムにひずみが生まれ出しています。例えば、既存の社会システムは、異なる立場の人々を包み込めず一部の人だけが利益を享受している現状があります。

つまり、これまでの社会や経済システムでは、新しい問題に対応しきれなくなっているのです。そのため、新型コロナウイルス感染拡大の危機にある「ウィズコロナ」や回復後の「アフターコロナ」の時代に、新たな仕組みを作り出す必要があると言われています。

その新たな仕組みを作り出すために、「グレートリセット」は、未来の国際関係や国家経済のあり方社会の優先順位、そしてすべての人をサポートするための洞察を提供するものとして注目されているのです。

「グレートリセット」の実現に向けて

「グレートリセット」の実現に向けて3つの重要な項目があります。

より公平性のある市場を目指す

1つ目に、より公平性のある市場を目指し、かじ取りをしていくことです。公平な市場とは、「豊かさ」を一部の人々だけでなく多くの人々と共有し、不平等な社会ではなく平等な社会を望む考え方です。より公平な市場を実現するために、富裕税の変更や貿易、競争を管理する政府も徐々に増えています。

新しく拡張された投資プログラムを活用する

2つ目に、社会経済が停滞する中で、システムを変革するために新しく拡張された投資プログラムを活用することです。新しく拡張された投資プログラムの例に、ESG投資があります。ESG投資のESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、 Governance(ガバナンス)を指します。ESG投資は、従来の財務情報だけでなく、ESGに配慮している企業を重視・選別して行う投資のことです。ESG投資の促進により、さまざまな業界に対し、ESGの数値から見た実績を向上させるためのインセンティブを与えることにつながります。

各専門分野を超えた協力と革新

3つ目に、第四次産業革命のイノベーションを活用した上で、健康と社会的課題に取り組むことです。第四次産業革命とは、21世紀のデジタル革命のことで、IoT(モノのインターネット)やAI、ビッグデータを用いた技術革新のことです。ここで求められるのが、各専門分野を超えた協力と革新です。新型コロナウイルスの拡大下で、企業や大学、その研究機関など異なる分野同士が協力しあってきました。このようなことが今後さらに求められるようになります。

「グレートリセット」実現へ向けた世界の動き

新型コロナウイルスの登場により、私たちの生活は簡単に変化することが明白になりました。この変化に、日常生活や精神面でも対応するのに追われ、「アフターコロナ」「グレートリセット」のことは想像できないと感じる人も多いかもしれません。

しかし、アフターコロナの時代は必ず到来し、現行制度では対応困難な課題も多く出てきます。 だからこそ、「グレートリセット」は世界や企業単位だけでなく、これからの時代を生きる私たち自身の生活にも、不可避な課題なのです。
今から「グレートリセット」の考え方を取り入れ、「アフターコロナ」の時代に備えてみてはいかがでしょうか。

「ダボス・アジェンダ2022」における岸田首相の発言

2022年1月に世界経済フォーラム(WEF)によりオンライン形式で開催された「ダボス・アジェンダ」にて、岸田文雄内閣総理大臣が講演し、“グレートリセット”についても言及しています。

“新しい資本主義”による日本経済再生を中心に、グリーン社会の実現、デジタル化の推進、これらのカギとなる人への投資など、日本経済の弱点と言われる分野の克服に集中的に取り組んでいくことを話しました。

グレートリセットの先の世界を描いていくため、私たちの住む日本がどのような方向性を打ち出していくのかにも注目する必要がありそうです。

参考:外務省「ダボス・アジェンダ2022」における岸田総理大臣の特別演説

グレートリセットに関する参考書籍

グレート・リセット―新しい経済と社会は大不況から生まれる


グレート・リセット ダボス会議で語られるアフターコロナの世界