特集

Sports for Socialの創業者が語る「京セラ稲盛さんに憧れた僕が考えるソーシャルサービスの形」

創業者には想いがある。そしてその想いは、起業するためのエネルギーになるだけではなく提供するサービスの内容にも反映される。スポーツ×社会貢献活動のメディアとして、パイオニア的存在であるSports for Socialは、創業から2年半が経ちどのように変わっていったのか

前回に引き続き、Sports for Socialを運営する株式会社HAMONA代表取締役CEOの山﨑蓮(やまざき・れん)に、同社CCOの台本尊之(だいもと・たかゆき)がインタビューしました。
*CCO:Chief Culture Officer

「創業してから今まで変わらずに貫いている想い」と「2023年からスタートする新しい挑戦」を、ぜひご覧ください。

Sports for Socialの創業者が語る「悔し泣きばかりの僕が、スポーツで鳥肌が立ち起業を決意するまでの30年」創業者には「想い」とその想いが生まれた具体的な「エピソード」がある。スポーツ×社会貢献活動のメディアとして、パイオニア的存在であるSports for Social。その創業者である山﨑蓮がこれまでの半生を振り返り、創業までのストーリーを語ります。...

売上や利益よりも、社会にとって良いと思う活動を広めたい

ーー前回のインタビューでは、山﨑さんの生い立ちからSports for Socialの立ち上げにいたるまでの想いを聞かせていただきました。

山﨑)当時は大分トリニータに所属していたので、スポーツを通して社会貢献活動を応援するメデイアとして『TRINITA FOR SOCIAL』 を立ち上げました。ただ、大分だけに限定してこの活動をするのはもったいないと思っていました。

大分だけでも反響がとても大きかったので、これを全国規模でできたらどうなるんだろうと準備を進めていたんです。その後、大分トリニータを離れるタイミングで、あらためて株式会社HAMONZを立ち上げて『Sports for Social』としてサービスをやっていこうと決めましたね。

ーーそれはどのくらいの時期の話ですか?

山﨑)構想は2020年の4月頃から考えていて、実際に起業したのは8月7日です。でもこの時点では僕には社会貢献に秀でた知識はほとんどなくて、社会貢献活動に対する意識も今ほどではなかったんです。

どちらかと言えば、Sports for Socialの活動をしていく中で、いろいろな方から想いや知識を得て、会社と一緒に成長している感じがしますね。そう考えると、ひょっとするとこの2年半で一番成長したのは僕自身かもしれないです(笑)

ーーまだまだ成長期!伸びしろだらけということですね(笑)僕が株式会社HAMONZに関わり始めたのが2021年の8月頃なので創業当初のことを知らないのですが、経営的には順調だったのでしょうか?

山﨑)売上や利益をまったく気にしていませんでした。もともと自分がいいと思う活動を多くの人に紹介したい。そうすることで活動が広がって輪ができる。そうすると社会も良い方向に進むだろうし、関わる人も幸せになれる。この軸をぶらさないことを大切にしていますので。

だからSports for Socialに関わってくれる仲間にも、「あなたがいいと思う活動はどんどん取り上げてほしい」と本気で思っていますからね。

ーー売上や利益を考えずに創業するって、かなり意外です。

山﨑)そういうのを最初から考えすぎてしまうと、アフェリエイトを優先させた広告だらけのメディアや、儲かる商材だけを取り上げるメディア、SDGsなど流行っているものだけを取り上げるメディアになってしまいがちです。

ーー確かにSDGsに寄せて書くと、企業の反応率はあがりますからね。

山﨑)そうなんですよ。SDGsの理念に則っていない人の活動でも素晴らしいものはたくさんあります。だからSports for Socialでは、とにかくいいと思う活動をどんどん取り上げていきたい。社会貢献活動を応援するメディアでありたいという想いですね。

立ち上げ当初を支えてくれたメンバー立ち上げ当初の頃を支えてくれた学生インターンのメンバー。卒業した今でも一緒に食事やスポーツをする関係です

「社会への想いがある企業と仕事をしよう」その軸は創業してから変わりません

ーーところで、山﨑さんも取材されたり記事を書いたりしていたのですか?

山﨑)していましたよ!創業当初はほとんど僕が書いていました。特に片耳難聴を抱えるJリーガーの町田選手のこの記事は、とても印象に残っています。

片耳難聴を抱えるJリーガー町田也真人の「聞こえ」との向き合い方片耳難聴でありながら、Jリーグの第一線で活躍する町田選手と革新的なヒアラブルデバイスを開発するOliveUnion。「聞こえ」という共通ワードを持つ、両者の対談企画がOliveプレゼンツで実現しました。それぞれの立場から社会に対して自分たちに何が出来るのかを語られるインタビューになりました。...

山﨑)プロ選手が自分の障がいを公表することによって、同じように悩んでいる人たちを少しでも励ませたらという想いと、もっと重度の障がいをもつ方がいる中で、アスリートだからといって軽い発言をしたくないと言われていたのを、今でも覚えています。

ーー僕もこの記事を読んで感じるところがいろいろあったのですが、山﨑さんが書いていたのですね。少し話を戻していいですか?当初は売上や利益を考えていなかったというお話だったのですが、現在は企業とパートナー契約を結んだりタイアップ記事も出していると思います。

山﨑)利益重視ではなかったのですが、まったくのゼロだとそもそもの運営が厳しくなるので、何社かに営業をしていました。その中で初期の頃に、サラヤ株式会社さんとお仕事するご縁ができたことは大きかったです。

利益を出しながらSports for Socialの活動を発展させていくビジネスモデルを考えることができました。

ーーもともと利益よりも人の想いを重視して立ち上げたサービスで、でもサラヤ株式会社さんとのお仕事がきっかけで、利益を出していくことも意識していったということですね。山﨑さんの心の中で、葛藤みたいなものはなかったのですか?

山﨑)それが不思議となかったんです。担当窓口の宣伝部長の方がめちゃくちゃ素敵な人で、環境汚染の軽減や糖分の抑制など全ての商品が社会課題の解決のためにつくられているという開発ストーリーを教えてくれたんですよ。だから、サラヤ株式会社さんは本当に素晴らしいなと心から思たんですよね。

ビジネスとしてお金をいただいて紹介記事を書くわけですが、お金に関係なくこんなに素敵な活動をしている企業のストーリーや商品のストーリーを、もっと社会に広めたいと思いました。

サラヤの洗剤に込められた熱い想い-vol9-ヤシノミ洗剤の原料のひとつであるパーム油の生産地、ボルネオの自然や動植物の保護活動をしている「ボルネオ保全トラストジャパン」理事を務められている中西宣夫さんのインタビューを3回に分けてお届けします。ボルネオで多くの動物を追いやっているアブラヤシ。そのアブラヤシから採れるパーム油を商品の原料として使う会社の中で唯一、テレビ番組のインタビューを受けたサラヤでしたが、番組を見て「サラヤのせい」と勘違いした視聴者から多くの苦情が寄せられました。その誤解を解くため、サラヤが始めた活動を紹介する番組の続編が作られたのです。...

ーーなるほど。逆に言うとSports for Socialでは、何でもかんでも取り扱うのではないということですね。

山﨑)そうです!だからSports for Socialで取りあげている企業スポンサーさんの記事は、商品機能を訴えるものではなく、関わる人の想いや企業のビジョンが中心です。

「社会への想いがある企業と仕事をしよう」という軸は、COOの柳井とも話して創業当初からずっと貫いていますね。

頭で理解できるよりも大切にしたいのは、胸に響くこと、心に届くこと

ーー2022年からLINEニュースやSmartNews(スマートニュース)とも連携して、記事を見てもらえる機会を広げていきましたね。

山﨑)商品ストーリーや関わる人の想いを載せた記事としてコンテンツに自信を持っていますので、より多くの方に読んでいただきたいと思い連携をスタートしました。

共感から個人の行動が変わり、社会を少しでも良くすることが僕らの目指していきたいことです。そのために、「個人や企業の想い」と「その想いが育まれた具体的なエピソード」を読み手に伝える記事を書けるよう、取材やライティングのマニュアルも独自に作成しましたからね。

さらに関わってくれる仲間も熱い想いをもっていますので、記事のコンテンツにはめちゃくちゃ自信をもっています。

ーー社会貢献活動に取り組んでいる個人や企業の生の声を、その人の想いや熱量を乗せて届けているのがSports for Socialということですね。

山﨑)だから僕たちの記事は読んでいて頭で理解するというよりも、胸に響いて心に届くんだと思います。

熱量をできるだけ100%届けたいという意味では、2021年の12月からはSports for Social Summitという講演イベントも始めました。

実際に社会貢献活動をしている方に登壇していただいて、直接お話が聞ける機会をつくっています。今のところ2回開催していずれもオンラインですが、予算を確保してリアルでの開催にもこれから挑戦していきたいと思っていますね。

ーースポーツ×社会貢献は流行りでもあるので、いろいろなメディアでも取り上げていると思います。Sports for Socialの特徴はどんなところにあるのでしょうか?

山﨑)社会貢献活動に対する意識がすでに高い人には、僕らは届けたいとは考えていないんです。どちらかというと、今はまったく興味がなかったり、興味はあるけど具体的な行動ができていない人に、社会貢献活動をするきっかけづくりとして情報を届けたいと思っています。

ーーアスリートが取り組んでいる事例だけを紹介しているメディアもあると思いますが、それだけだと自分ゴトになりにいくという声も実際にありますもんね。

山﨑)話題性はあるものの個人の行動につながっているかどうかは未知数ですね。

だからSports for Social Summitの参加者から、「サミットに参加してお話を聞いて、初めて募金してみました」というメッセージをいただいた時は、開催して本当に良かったし継続していこうと思いました。

セミナーの様子学生への指導にも熱を入れています(提供:モンテディオ山形)

子どもたちへの道徳教育という社会貢献活動

ーー2023年からは、新しいサービスをスタートするそうですね。

山﨑)DOUTOKU+(どうとく・ぷらす)』という子ども向けの道徳サービスを考えています。もともと僕は亡くなられた京セラ創業の稲盛さんをすごく尊敬していて。生きていく上で道徳がいかに大切かということを自分の人生経験からも学んできました。

ーー道徳と聞くと何か漠然としていて掴みどころがないのですが、山﨑さんの考えている道徳はどういうものですか?

山﨑)例えば、「努力をする」とか、「謙虚でいる」とか、「思いやりをもつ」ことですね。いじめや誹謗中傷などの社会問題の根本的な解決策として、文部科学省でも2018年から道徳を特別教科として学習指導要領に取り入れていますからね。

僕の中では社会貢献活動と道徳教育は近い存在なんですよ。

ーー僕らが小学生の時は、担任の先生が道徳の授業をしてくれていたと思います。それとはまた違った授業の内容を考えているのですか?

山﨑)授業の内容よりも誰が伝えるかが重要だと考えています。特に小学校の先生はほぼすべての授業を担当されていて、子どもたちとの距離感や関係性がとても近いですよね。

先生が「○○さん、これちゃんとしなさいよ!」と注意しても、○○さんが「わかってるよ!」とか「うるさいな!」と反応してしまうのは仕方ないことだと思うんです。

このような関係で道徳の授業を行っても、なかなか子どもたちのマインドが変わることって難しいと思うんですよね。

ーー子どもの目線に立ってみると、先生の責任とかではなく、今の学校教育の仕組みでは難しいところはありそうですね。

山﨑)そうなんです。先生も早い人だと大学を出て1年目から教壇に立つことになるわけで。でも人生経験もまだ少ない中で道徳を教えることは、結構無理があるんですよね。

子どもたちに道徳の授業をするのは誰が良いか考えた時に、適任だと思ったのがアスリートでした。特にある程度の結果を出して引退されたアスリートですね。

競争社会の中で目標をもって努力してきた経験、挫折した経験、周りに支えられてきた経験、ライバルだけどお互いにリスペクトして練習に取り組んできた経験。それらすべてが道徳教育につながると考えています。

DOUTOKU+本格的なリリースに先駆けて2023年1月にプレ開催した「DOUTOKU+」

ーー確かにアスリートの経験談と道徳教育は親和性が高そうですね。僕も小学校5年生の時に、元サッカー日本代表の釜本邦茂さんのお話を聞いたことを今でも覚えています。『DOUTOKU+』が日本全国に広がっていくと、子どもや大人たちがどのように変わっていきそうでしょうか?

山﨑)一番は夢をもつ人が増えると思います。そうすると、その夢を応援する人も増えるでしょうね。その結果、社会貢献も広がると思いますので、いい循環が生まれると思います!

道徳教育は親のリテラシー、つまり親の道徳観に依存されていますので、子どもの頃にいろいろな道徳観にも触れてほしいですね。

ーーDOUTOKU+のリリースが楽しみになってきました!

山﨑)しかも静岡出身のアスリートが静岡の学校で教えていくように、地元還元できる仕組みを考えていて、すでにアスリートからも共感の声をいただいています。

2023年の春頃にはリリースする予定ですので、応援してもらえると嬉しいです!

ーー今回もいろいろなお話をありがとうございました。Sports for Socialを立ち上げるまでの前回の記事とセットで今回の記事も読んでいただけると、さらにSports for Socialを楽しんでいただけそうですね。株式会社HAMONZが掲げるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)についてのお話も、また後日にお願いします!

Sports for Socialの創業者が語る「悔し泣きばかりの僕が、スポーツで鳥肌が立ち起業を決意するまでの30年」創業者には「想い」とその想いが生まれた具体的な「エピソード」がある。スポーツ×社会貢献活動のメディアとして、パイオニア的存在であるSports for Social。その創業者である山﨑蓮がこれまでの半生を振り返り、創業までのストーリーを語ります。...

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA