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【対談】Jリーガー・長澤和輝 × 山本化学工業 代表・山本富造!アスリートと経営者が考える世界と日本の差とは!?[PR]

ウェットスーツの素材メーカーとして世界トップシェアを誇る山本化学工業株式会社。彼らは当時主流であった石油からのゴムづくりではなく、持続可能な素材として石灰石からの製造にこだわり、その考え方と機能性、品質で世界からの高い評価を受けてきました。
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今回は山本化学工業株式会社の山本富造社長(以下、山本)と、J1リーグ名古屋グランパスに所属する長澤和輝選手(以下、長澤)との対談の様子をお送りします。

長澤選手は大学卒業後、ドイツにて2年半プレーしており、ヨーロッパと日本をともによく知る数少ない選手。

お互い世界に目を向けてきた企業とアスリート、どのような対談になったのでしょうか。

長澤和輝
2013年に専修大学を卒業後、ドイツの1.FCケルンに加入し2年半プレー。その後活躍の場を日本に移し、浦和レッズで出場したアジアチャンピオンズリーグでの活躍もあって日本代表にも選出。今シーズンからは名古屋グランパスに移籍し、さらなる活躍が期待される。

山本化学工業株式会社
ウェットスーツの世界トップシェアを持っている、ゴムのものづくりメーカー。ウェットスーツに限らず、医療・健康増進分野、スポーツ分野などでも製品を開発をしている。今回は特にゴムを作る過程で、石油ではなく石灰石からつくることで環境に配慮したものづくりに取り組んでいる点に注目した。

長澤選手から見た山本化学工業の取り組み

それでは最初に長澤選手にお伺いします。事前に山本化学工業の取り組みについて共有させていただきましたが、ます率直な感想を頂ければと思います。

長澤:そうですね。まず、1960年代という早い段階で、環境に配慮したゴムの生産をしていることに驚きました。当時の日本は、今ほど環境への配慮に対する意識がそこまで高くなかったと思うので、その当時から着目していた理由がとても気になりました。

山本:石油に関するものは全部輸入ですから、1960年以降もオイルショックに伴って原油の価格が高騰し、石油に関する市場はそのたびに大変な思いをしてきました。その中で、日本国内で調達できる資源を探し、現在使用している石灰石は新潟県の黒姫山から採掘することになりました。それにより石油の価格の高騰の影響を受けずに、且つ環境に配慮した形でゴムの生産を行うことができるということで、石灰石からゴムを作ることにしました。

長澤:そうなんですね。そういった時代背景についても関係あると思うのですが、HPを拝見したところ海外の有名な企業との取引が見受けられました。現在海外とのそういった商談が多いのではないですか?

山本:ちょうど今日は朝からアメリカのシアトルの企業と、オーストラリアのパースの企業とWeb会議がありました。海外の企業の取引の軸が環境への配慮という点に意識が向いていて、エンドユーザーの方についても同じ傾向が見受けられます。

現在、ウェットスーツに使う接着剤を水性のものにしているのですが、これによりゴム素材だけでなく全体で石油を全く使わない製品になっていて、そういった環境への配慮について海外の企業は関心を強く持っていると感じています。また、リサイクルへの取り組みもしています。ゴムのリサイクルをしようとすると、化学反応を起こしてしまって元に戻せません。そのため世界的に有名なタイヤメーカーにおいても、ゴムのリサイクルというのは、考えること自体がナンセンスという状態でした。しかし、私たちはゴム製品であるウェットスーツのリサイクルに取り組み、一部リサイクルしたゴムの使用を可能にしました。

このように、チャレンジすれば何でもできると常に考えて事業に取り組んでいます

長澤:すごいですね。今僕はアディダスと契約しているのですが、次のワールドカップのユニフォームはペットボトルから作ろうとか、古いウェアを再利用するとか、こういったことがこれからスタンダードにしようという流れはスポーツ界にも来ているので、そういう意味でも最先端を行かれているのだなと思いました

山本化学工業_名古屋グランパス_長澤和輝

ヨーロッパと日本での環境に対する意識の差

山本社長から見てヨーロッパと日本の間で意識の差を感じる部分はありますか?先日の記事でも、リサイクル品に対する日本とヨーロッパの反応の差という点について気になっています。

山本:例えばリサイクル品についての差の話をすると、ヨーロッパではどのくらい価格が上がるのかと聞かれますが、日本ではどのくらい安くなるか聞かれることが多いです。考えのスタート地点が、日本ではリサイクル品が安くて当たり前、ヨーロッパではリサイクルして資源を無駄遣いしないものは高くて当たり前と、スタンダードの部分が全く違います。ヨーロッパに行くと、リサイクル品がどういった工程でどのくらいの労力をかけて作られているか、というのを企業からエンドユーザーに届けます。ヨーロッパでは、このような企業からエンドユーザーへのエデュケーションという点で意識が高く、それにより市場も環境に配慮したものがいいという考え方に変わると感じています。

一方で、日本はメーカーからエンドユーザーまで一体になって地球環境をよくする、というところがまだ足りないのではないかというのは感じます。

ちなみに長澤選手海外で生活してみて、日本との違いについて感じたことはありますか?

長澤:ドイツでは、国民が環境に対する行動を取れるような仕組みが、うまくつくられているなということを感じていました。

僕が住んでいたのは5年以上前なので今とは少し状況が変わっているとは思うんですが、例えば飲み終わったペットボトルをスーパーに返すとお金がか返ってくるという仕組みがあり、家で飲み終わったペットボトルを集めてリサイクルに出すということはやっていました。この仕組みは、仮に公園などでペットボトルを捨てたとしても、別の人がお金に換えるためにリサイクルするということもあるので、結局そういった仕組みがリサイクルにつながっている例なのではと感じました。

山本化学工業_長澤和輝

ゴミについても、シンプルな4色のごみ箱があって、いつでもそこに出せるような仕組みがあります。日本だと何曜日にこれを出さなきゃいけないというルールがあって、少しやりづらさはあると思うんですが、ドイツに行って言葉もわからない状況でもその仕組みは理解できたので、そういうところなのかなと生活してみて感じました。

ありがとうございます。山本社長は今の長澤選手のお話を聞いてどう感じましたか?

山本:ここ30年くらい前からイベントなどで毎年ヨーロッパに行くのですが、当時からドイツではゴミ箱がきれいに分かれていて、仕組み作りがされていたので昔からそういった意識は高かったのかなと感じました。

長澤:確かドイツでは今年の7月くらいから使い捨てプラスチックの容器等の流通も禁止になるとのことですよね。コロナ禍でフードデリバリーサービスが進んでいる中で、容器の変化というのが起きていて、まさにゴムのラバーの容器というのも使われ始めており、それが新たなビジネスモデルになっているというような話も伺いました。時代の流れが変わっても、それに合わせて環境への配慮ができている国なのかなと客観的に感じました。

山本化学工業ではアメリカも多く流通があると思うのですが、ヨーロッパとアメリカの違いを感じることはありますか?

山本:昔のアメリカは大量消費国でなんでも使い捨てという感覚がすごい強かったと思うのですが、近年になって環境意識がすごく高まっていると感じていて、国を挙げて環境への配慮に舵を切った時にそれに対する国民の理解力というのはアメリカも高いのではないかと感じております。

ヨーロッパに追いつくために必要なこと

日本は環境配慮などへの意識が世界と比べると低いといわれています。その日本が変わっていく可能性やどうすれば変われるかというのをそれぞれご意見いただきたいです。

長澤:一人一人が目の前のことから意識を持つことが必要だと思います。Jリーグとしても現在コロナ禍ということでサッカー選手は普段同じボトルを共有して飲むのですが、今は一人一人ペットボトルが用意されていて、飲み終わったらそれを捨てるという決まりになっています。これからは、繰り返し使えるボトルに変えていくとか、細かい取り組みを個人や組織がやっていかないといけないのかなと感じます。

山本:私は、私も含めた年配の人たちが若い方々を見習わなきゃいけないと思っています。環境問題については、若い日本人は欧米の人に負けないくらい立派な考え方を持っているので、彼らを見習う意識を持てば日本の意識は世界基準に近づくと感じています。

石灰石でつくられたサポーター「バイオエスペランサ」

山本化学工業のバイオエスペランサシリーズをはじめとする医療・健康分野の製品で、スポーツに関っている製品や事業があると思うのですが、そのあたりを簡単に説明頂いて、アスリートとして長澤選手に感想を伺いたいです。

山本化学工業_名古屋グランパス_長澤和輝

山本:いま「バイオエスペランサ」という製品があるのですが、常温で太陽と同じくらいの赤外線を出しています。赤外線は熱ではなくて光のエネルギーなので、熱くなることなく体の血の巡りをよくすることができます。

こちらはスポーツの場でも使用でき、ジュビロ磐田の選手にも使っていただく機会がありました。実際にウォーミングアップ時に赤外線を発するマットを使用して、従来の3分の1の時間で体を温めることができました。現在はINAC神戸レオネッサでスポンサー契約をしていおり、マットの提供だけでなく、赤外線を発するヘアバンドを開発して提供しています。こちらはミッドアルファ波というリラックスを促す脳波を促進し、判断力がよりよくなると、データでも検証されています。実際に選手から好評をいただきました。

またケガをした際に使用する、赤外線を発するサポーターの提供もしています。普通だと6時間近くかけて腫れが引くところを、我々のサポーターを巻いて使うことでそれが2~3時間に短縮できることが特徴で、皆さんにお使いいただいています。

もちろん製品については、健康増進機器としての認定を頂いていており、安全性も保証されており、先ほど述べたデータのところについても、専門家の方々に精査していただいています。是非一度体感していただいてもらいたいとは思っています。

長澤:選手としてはウォーミングアップの時間を短縮しながら体を温められるのは魅力的ですね。なかなかそういったことに触れることもないので、どんな感覚なのか非常に興味深いです。

山本化学工業のような最先端の科学技術というのは今までトライアスロンや競泳水着において使われていましたが、まだサッカー界にはそこまで広く知られていないと思うので、これを機会に使っていただけるといいと思います。

長澤:サッカー選手は、体のケアやトレーニング方法、それこそサポーターについての関心はどの選手も非常に高く、選手間の横のつながりでいい情報というのは共有しているので、使ってみるのが楽しみだなと思っています。

山本社長ご自身のスポーツの関わり、それこそサッカーへの関りについて、興味関心はいかがですか?

山本:私は高校から46年くらい少林寺拳法をやっています。この少林寺拳法の中で体の動作の仕組みがあって、これはどのスポーツにも共通する部分もあると思うので、我々の製品の開発にも生きてるのではないかと思います。

ちなみに、間接的にですがサッカーにも製品の提供を行っています。我々はウエストに巻くサポーターも開発しましたが、こちらを中学生のサッカープレイヤーに使っていただいており、これをつけているとシュートが正確に入るといいます。これは体の軸がぶれないからだと思います。

長澤:本当に多岐にわたって製品の開発をされているんですね。

山本:ベルトに関しては我々としても自信作なので、Jリーガーにも使っていただけると嬉しいなと思います。これは体に動きを覚えさせるという意味でも効果があると思います。

長澤:武道をやっていたと伺いましたが、そこからインスパイアされて製品ができるというのもあるんですかね。

山本:そうですね。特に少林寺は無駄な力を使わない競技で、そうなると体さばきが非常に重要になってくきます。同じ動きをいつでもできるかというのは、体の動きを覚えこませないといけないので、そういうサポートができる製品というのは意識していますね。あくまでも選手が主役なので、我々のものづくりメーカーの仕事は主役の後押しをすることだと考えています。サッカーにおいても、試合で使うというよりは日々の練習で体に動きをおぼいこませる目的として使ってほしいです。

長澤選手に聞く、アスリートの発信について

noteなどのSNSでご自身の考えを発信していると思うのですが、どういった理由で発信をしているのかというところを伺いたいです。

山本化学工業_名古屋グランパス_長澤和輝

長澤:今は様々な媒体を使って自分から発信できる時代なので、自分が思ったことは発信していこうとは思っているんですが、趣味みたいな部分はあります。

僕は、学生時代は部活やクラブチームでサッカーしてきて、そこの経験があったからプロになれて、海外でもプレー出来て、代表にも選ばれて、すごく有難い経験ができたました。今年30歳になりますがベテランの域に達しますし、少しずつ自分がインプットしたものをアウトプットして、若い選手のためになったり、誰かを勇気づけることができればなとは思っています。

大学院にもいかれてたと思うのですが、そこでの学びや得られたものについても教えてください。

長澤:大学院に行った理由は、若い選手たちのために研究できればなという想いからです。サッカー界に関わる人たちが目指すところは、日本サッカーが強くなることだと思うので、自分自身ドイツで2年やって1部と2部も経験して、今後若い選手が活躍できるように何か伝えることができればなという想いがありました。ドイツをはじめ海外でプレーした選手に話を聞いて、それをデータにまとめて、若い選手の参考になるような論文をかければなと思って入ったのがきっかけです。現役の選手たちは、試合に向けて素晴らしい環境のもとやっていますけど、実際にプロスポーツというのは、サポーターがいて、スポンサーがいて、多くの方が関わって、地域社会が関わって、そしてスポーツができているのですが、なかなか感覚的にはわかっていても勉強することはほとんどありません。そういう意味でも、改めて自分がいるスポーツ界について新しい目線で勉強することができたというのは、とてもいい経験だったんじゃないかなと思います。

山本:素晴らしいですね。既に一流なのに、新たな知識を学ぼうとする姿勢や、それを後輩のことも考えていることにはとても頭が下がる思いです。長澤選手含め今の若い人は自分のことだけでなく周りのことも大事にするというのは優れているのかなと感じますし、見習うべきところかなと感じました。

対談を終えての感想

最後にこの対談を終えての感想を頂ければと思います。

山本:長澤選手どうもありがとうございました。楽しく話させていただきました。我々モノづくりメーカーは、トップアスリートから一般の方までをサポートしていくことだと思うので、今後新しい製品を開発するにあたって、トップアスリートを始め様々な人からの意見も伺って、できるだけ多くの人の支援ができればなと思います。また、今後も長澤選手が怪我無く大活躍することを応援しています。本日はどうもありがとうございました。

長澤:僕たち選手は日々トレーニングをして上を上を目指していて、日本サッカーとしても徐々にレベルが上がってきている状況だとは思いますが、海外の選手に比べると身体能力などでまだまだ差はあると感じています。これからはそこをいかに上げていくかというところが課題だと考えていますが、そういったところで山本化学工業のような日本の技術力という部分はオンリーワンだし、世界に誇れる部分だと思うので、そういった力も借りながらもっと成長していきたいですし、会社としてはそういった部分でのサポートいう形になると思いますが、ひとつになって戦っていければなと思います。

編集者より

世界に目を向けてきた山本化学工業と、世界を経験してきた長澤和輝選手。フィールドは違えど、世界を見てきたお二方に、その中でも環境に対する世界との差について対談を行いました。

中でも、長澤選手のドイツにおける仕組みづくりのお話は、実際に現地で生活してみないとわからないことで、非常に興味深く感じました。海外の真似をすることがすべていいことではありませんが、いいところはどんどん取り入れていくべきだと思うので、そういう意味でも海外の実情を知っている方からの意見というのはとても貴重だと感じます。

また、山本富造社長の「若い人を見習う」という姿勢には感銘を受けました。世代関係なく、知識のある人が先頭を切れるようになれば、環境問題に限らず、よりよい社会に近づくと思いました。

最後に、山本化学工業株式会社山本富造社長、山本晃大専務、そして名古屋グランパス長澤和輝選手、今回は貴重な時間を頂き誠にありがとうございました。全4回のインタビューを通して、私たちとしても非常に学ぶことが多かったです。お二方のこれからの活躍を心より期待しております。

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