特集

モノづくりですべての人が健康に過ごせる社会へ。医療・健康分野にも挑戦する山本化学工業のいまと未来

石灰石からつくったゴムを応用し、多岐にわたり挑戦を続ける山本化学工業。
その中でも現在は特に、医療・健康増進分野に力を入れています。

近年この分野では、健康への意識の低さや、高齢化などの問題を抱えています。
第3回の記事では、医療・健康分野における山本化学工業の関わり方をご紹介します。技術力にも注目しながら是非ご覧ください。

今回も引き続き、Sports for Socialの石川が専務を務める山本晃大氏にお話を伺いました。

過去の記事はこちら ↓

第1回 https://sports-for-social.com/?p=854
第2回 https://sports-for-social.com/?p=923

社会課題解決に尽力する山本化学工業

――石川)前回のインタビューでも、様々な分野にわたって製品の提供をされているとお聞きしましたが、現在特に力を入れている分野はなんでしょうか?

――山本)現在は、特に医療分野・健康増進分野に力を入れています。近年では便利な世の中になった分健康への意識が低くなっていたり、日本では高齢化が進むなどの問題を抱えている中で、病気への対策の一環として日々の生活の中での健康管理が必要になってきます。それに対し我々としては、医療機器と健康増進機器の開発に着手し、厚生労働省の認定機関で人々の体にとって有益であるということを正式に認可して頂きました。現在は主に2つの製品を展開しております。

この分野でも我々が社会に貢献することで、若い方が活発に働き、高齢の方も元気に生活を送れるような世の中を目指しています。そのために、今後もますます医療分野・健康増進分野にも力を入れ、SDGsにおいてはゴール3の「すべての方に健康と福祉を」というところで、企業として力を入れています。

――石川)先ほど2つの製品を展開しているとお伺いましたが、こちらについてそれぞれ詳しく教えてください。

世界に展開する医療機器「メディカルバイオラバー」

山本化学工業_メディカルバイオラバー

――山本)こちらは医療向けではありますが、人々が日々の生活の中でセルフケアをしていただくための製品になります。2000年代になってからは医療機器製造販売許可、ISO13485という医療機器の国際品質規格を取得し、今はアメリカ、そして一部のアジア諸国に向けて医療機器の販売をしています。具体的には先ほど防災分野においても説明した弾性ストッキング、血栓予防、そして足のむくみ対策になるといったものです。

具体的には、主に足腰のケアをするものになります。足腰が弱くなって運動量が減り、運動量が減ることで筋肉量が減るというケースが非常に多いですが、周りからのの介助なしにご自身の足で歩いていただくサポートをする製品として開発しました。赤外線を出すゴム素材を使用することで血流を促進し、適度な着圧をかけることによって血流の循環をより良いものにするための医療機器となっていて、ご自宅でのケアを中心にお使いいただいています。

あらゆる部位に使える健康増進機器「バイオエスペランサ」

――山本)こちらはいわゆる健康増進機器で、あらゆる部位にも使えるように豊富なレパートリーで展開しています。バイオエスペランサシリーズの中でもシープベルトについては、骨格のずれをゴムの伸縮性を利用して矯正をするベルトになります。この素材にも赤外線を放出するゴム素材を使用しており、体を温めていただくことで凝り固まった筋肉をほぐしながら骨格の矯正ができる製品になっています。

このバイオエスペランサシリーズについては、体を温めることで低体温の防止、血流の促進の効果があり、ゆくゆくはケガの防止や体のパフォーマンスの活性化、病気への対策として、段階的に人々の体の支えになれればと考えています。

今後の社会問題との向き合い方

――石川)山本化学工業は今後どういった想いでものづくりを進めていくのですか?

――山本)自社が得意としているゴム素材をどのように生かすのかということを考えて、これからもさまざまな取り組みに着手していきたいと考えています。

初めは海洋汚染という問題から始まり、環境への配慮に意識して石灰石からゴムを作ったり、廃棄を減らすためにリサイクルを可能にするなど、社会問題に向き合って成長をしてきました。現在も、健康や医療にかかわる問題に対して我々ができることを模索し、製品の開発に努めています。今後の我々の課題は、健康増進の必要性をエンドユーザーに届けること、そしてセルフケアを当たり前に浸透させることだと考えています。そのためにも、我々は製品の開発・改良を重ね、すべての人が健康な生活を送れる社会に向けて力を入れていきたいと思います。

山本化学工業_ウェットスーツ

マリンスポーツというニッチな分野でスタートした企業なので、専門的な話をしてもなかなか共感を頂きづらいことが多くあります。しかし、消しゴム付き鉛筆に始まり、ウルトラマンのコスチュームまで挑戦していくように、これからはより多くの人に使っていただけるもの、多くの人にとって価値のあるものを提供していきたいと考えています。

編集者より

今回は、医療・健康に関する問題と向き合う山本化学工業の想いを紹介しました。
前回に続き、あらゆる分野で挑戦を続ける姿勢を伺えましたが、どの事業にも共通して「社会に価値を提供する」という軸があり、改めて感銘を受けました。
どの分野でも山本化学工業が得意とする「ゴム生産」を活かしながら、SDGsという観点にも意識されていて、これからの企業のあるべき姿というのを体現していると感じます。

私にとって、これまでのインタビューは非常に貴重な経験になりました。このような山本化学工業の姿勢というのは、これからの時代必ず求められることだと思います。今回インタビューを通して学べたことを、これから社会に出ていくうえで大切にしたいと思いました。

インタビュー記事は今回で以上になります。
次の記事は最終回となりますが、山本化学工業と、日本代表経験もあるあのJリーガーの対談を発信します。お楽しみに!

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