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楽しくコミュニケーションを!国内唯一の女子デフフットサルチームのイベントに参加!

ネットワン×アレグリーナ

国内唯一の女子デフフットサルチームである『SDFCアレグリーナ』とそのスポンサーであるネットワンシステムズ株式会社主催のフットサルイベントが都内で開催されました。ネットワンシステムズ株式会社の社員も数名参加したそのイベントでは、SDFCアレグリーナの選手をはじめとして、参加者の約75%が聴覚障がい者です。

アイスブレイクでの伝言ゲームやお互いの自己紹介から始まり、チームに分かれてフットサルの試合を楽しみました。試合間には、「キフティング」という日本障がい者サッカー連盟(JIFF)が行う、“リフティングの回数に応じて寄付をする”活動も行われ、参加者はフットサルを通じて大いに楽しみ、交流していました。

本当の意味での“楽しいコミュニケーション”を取るとはどのようなことなのか?SDFCアレグリーナの監督を務め、ネットワンシステムズ株式会社の社員でもある中西斗母さん(以下、中西)、ネットワンシステムズ株式会社総務部の山形昌子さん(以下、山形)、風間純子さん(以下、風間)に、イベント後にお話を伺いました。

ネットワン中西さんSDFCアレグリーナ 中西斗母監督

「みんなが楽しめた」ことが一番!

ーーイベントを終えての感想はいかがですか?

中西)まず、疲れました。(笑)でも、参加していただいた皆さんの顔を見ると、本当に楽しんでいただけたのではないかなと思います!楽しんでいただけたことが大きな成です。

ーー今回は、SDFCアレグリーナさんとネットワンシステムズ株式会社さんとの共同のイベントとなりましたが、もともとのきっかけは中西さんがシステムエンジニアとしてご入社されたことなんですよね?

中西)そうです。入社前の面談で、ネットワンシステムズが大分トリニータさんのスポンサーをしていることを知り、「私が監督をするデフフットサルチームがあり、是非スポンサーしてほしい」と図々しくお伝えしてみたことが最初の始まりです。(笑)
入社が決まった後に改めて会社ともお話し、2020年からスポンサーをしていて、年に1回こうした交流イベントを開催しています。

ーーネットワンシステムズさんから見て、SDFCアレグリーナさんとの取り組みはどのような価値を感じていますか?

山形)ネットワンシステムズとしては、ダイバーシティ&インクルージョンに力を入れており、「聴覚障がいを持つアスリートの方たちの支援」「デフフットサルの認知向上」「障がいを持つ方がもっと気軽にスポーツを楽しめる環境づくり」の3点に意義を感じ、SDFCアレグリーナのスポンサーをすることに決めました。

SDFCアレグリーナのスポンサーを始めたことで、聴覚障がいの人と触れる機会、話す機会を増やすことができました。私を含めた社内の人間には、いままでそうした経験をした人は少なかったので最初は戸惑ったところもありました。ですが、コミュニケーションを進めるにつれて、「普通にできる」ことを実感することができています。

デフのスポーツを知ることができたことも大きいです。パラリンピックはテレビなどで見ていたものの、デフのスポーツのことはあまり知る機会がありませんでした。

ーーデフスポーツは、どのようなものなのか、やってみないとわからないことも多いですよね。観戦していても健常者のスポーツと大きく変わりはないスポーツも多いように思います。

中西)ルール的にはほぼ同じで、旗を使って審判をする、審判のジャッジを視覚的に表す、という違いがあります。障がい者のスポーツの中でも、デフのスポーツは健常者と一緒にやりやすいものが多いですね。

相手にどうやったら一番伝わるのかを考える

ーー今日は私も参加し、聴覚障がいのある方と一緒にフットサルをし、休憩中にはみなさんと多くのコミュニケーションを取って楽しませていただきました。中西さんから見て、健常者と障がい者がコミュニケーションを取るうえで、“楽しく”できるコツはなにかあるのでしょうか?

中西)健常者の方は、「自分は手話ができないから話せない」。逆に聴覚障がい者の方は、「口話がうまくないから話しづらい」と思っている方が多いと思います。

「聴覚障がいを気にするな」というのはさすがに無理があると思いますが、お互いが「どうやったら相手に一番伝えやすいか」を考えることが大事です。
私は左耳だけ聴力があり、口話もできるのですが、ときどき相手の話が聞き取れずに聞き返すことがあります。なので、最初に自分のことを理解してもらうために、「聞き取りづらいことがあるので、何回も聞き返すかもしれないけれどお願いします」と言うことにしています。

楽しく話すために、伝えづらいとか聞き取りづらいといったことは壁にならないようにしています。自分が冗談を言って相手が笑ってくれるような会話にするために、“ちょっと工夫する”意識が大切です。

ーー私自身も、ちょっとの工夫がとても大事だなと本日のイベントで感じました。同じチームになった人たちとコミュニケーションを取るときに、この人は口を大きく見せて話す、この人はジェスチャーで話して、詳しい話は携帯で文字を打って話す、など、「この人と楽しく話したい!」という思いからのちょっとした工夫を行うと、充実したコミュニケーションが取れた実感がありました。

リモート交流会 様子
【大分トリニータ】選手と聴覚障がいの方とのリモート交流会~言葉の壁を気にせず楽しい時間を共有しよう~Jリーグ・大分トリニータでは、ユニフォームスポンサーおよびソーシャルアクションパートナーであるネットワンシステムズ株式会社と協力し、社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。今回は「トリニータ選手とのリモート交流会」の模様をレポートいたします。スポンサーであるネットワンシステムズが目指す「健常者も障がい者も、誰もが一緒にスポーツを楽しめる社会へ」をテーマに、聴覚障がい者が言葉の壁を気にする事なく、自由にプロ選手とオンライントークを楽しむという初の試みでした!...

スポーツでの交流

ーーこうした交流から、多くの参加者の気づきにもなったと思います。

中西)やはり間違いなく、私たち聴覚障がい者はマイノリティであり、健常者の世界に合わせていかなければ生活はしづらい部分はあります。逆に、社会としてお互いに歩み寄ろうという社会になってきているとも感じます。

ですが、まだまだ人によっては「面倒くさいな」と思う方もいらっしゃるのが事実です。

障がいの有無は関係なく、人と人とのつながりです。聴覚障がい者に対して、「だからなに?普通にこうやってコミュニケーション取れるじゃん」と皆が考えていただければ嬉しいです。

ーーそうした意味では、今日のようなスポーツを通しての交流はとても有効ですね。

中西)そうですね。単純に「聴覚障がい者と交流会しましょう!」と言っても集まる方は少ないと思います。フットサルなどのスポーツを通じて、聴覚障がい者に興味がある人、スポーツに興味がある人をそれぞれから集め、巻き込んでいくことで多くの人と触れ合う機会をつくることができます。

山形)「共通の趣味で集まりましょう!」ということと似ていますよね。

ーーネットワンシステムズさんとして、今回のイベントはいかがでしたか?

山形)今日のイベントでの皆さんの様子を見て、もっといろいろな人を巻き込みたい!という想いが増しました。

風間)昨年もネットワンシステムズの社員が参加し、障がいの垣根をこえて純粋にスポーツを楽しみ非常に参加満足度の高い結果となりました。ですが、その反面、継続させる難しさも感じています。

こうしたイベントに対し、「参加してみようかな」と思う一歩をどう作っていくか。参加してみたら楽しいし、体験すればわかることもあります。一歩の興味を持つというのは、人と人との関わりとか繋がりの中で一番大事な部分であると思うので、こうした機会を増やし、広げていきたいです。

ーー本日参加した若手社員にお話を聞くと、「最初はコミュニケーションが取れるのかすごく不安だった」と言っていました。まずはこうした印象を変えるために、多くの方が参加してくれるといいですよね。

中西)今回体験したメンバーが、「前参加したけど楽しかったから、一緒に参加しましょうよ」と誘ってくれれば、社内でも参加者が増えていくのではないかと思います。

山形)最終的には、聴覚障がいだけでなく、ほかの障がいも含めて多くの人たちと一緒にスポーツイベントを開催したいですよね。参加者だけでなく、主催者、支援者も増えるような形で、大人も子どもも関わる人が増えてくれると嬉しいです。

ーーありがとうございました!

イベントの様子

アイスブレイクの伝言ゲームの様子。言葉を使わず、ジェスチャーだけで「ドラえもん」「長靴を履いた猫」などのお題を伝えていきます。うまくいくチームもあれば、なかなか伝えるのに時間がかかったり、正確に伝わらないチームも。

フットサル中の様子

アレグリーナ

ネットワンシステムズ株式会社からは、永井 俊介さん、水嶋 将さん、岩満 雄也さん、河南 祐貴さん、太田 大貴さんが参加しました!

岩満雄也さん

最初は、ちゃんとコミュニケーションが取れるか不安で、フットサルというスポーツが成り立つのかな?という不安もありました。
実際にやってみると、“伝えよう”とする気持ちがあれば会話が成立し、スポーツを楽しめるということが新鮮で、いい気づきになりました。五感をフル活用し、伝えたいと思う姿は健常者と変わらないし、むしろ聴覚障がいのある方々の方が優れていると感じます。社会貢献という形ではなく、本当に僕たちの方ががいい経験をさせていただく機会になりました。

永井俊介さん

昨年に引き続き参加しました。サラリーマンとして、いろいろな経験がしたいと思っての参加しているのですが、いい意味で“素直にはしゃぐ”ことのできる時間を過ごせました!

ネットワンシステムズ 太田

この日のMVPは太田大貴さん!(写真左)

アイスブレイクのジェスチャーゲームでは、太田さんチームはなかなか言葉を伝える・受け取ることができず不正解に。でも、その分、伝わったときの嬉しさも感じることができたようです。

キフティング(寄付×リフティング)

キフティング』という、リフティングの回数分だけ寄付をしよう!という日本障がい者サッカー連盟(JIFF)が企画・推進する、個人のチャレンジを社会貢献につなげるコンテンツを本イベントでも開催しました。

■キフティング参加者:21名
■リフティング成功回数:合計1,252回
■寄付金額:12,520円(成功回数×10円を寄付)

キフティング

編集より

今回、私もこのイベントに参加させていただきました。参加約20名中、75%ほどが聴覚障がいのある方。一度に多くの方とお話する中で、人と人とは『1対1』のコミュニケーションであることを強く感じました。「この人と話したい!」と思ったときには、彼の特徴やどうやったら伝わるかを考え、逆にどうすればこちらが受け取れるかを考える。そうした基本的なことに気づかされるいいイベントでした。

次回はSports for Socialも開催に携わり、是非一緒に盛り上げていければと思います!(柳井)

 

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