特集

ダンロップが目指す社会貢献活動を通じた『組織づくり』

ダンロップ

DUNLOPといえば、タイヤだけではなくゴルフやテニスなどのスポーツメーカーとしても有名です。なかでも、スポーツの分野ではゴルフ大会における地域貢献や復興支援、子どもたちに向けた活動なども積極的に行うなど、競技面だけでない社会貢献にも力を入れています。

ダンロップ神戸オープン
「いつでも、誰とでも打ち合える」 〜東京パラ銅メダル・菅野浩二選手が語る車いすテニスの大きな魅力とは?~車いすテニスにおいて、国枝慎吾選手や上地結衣選手などを擁する日本は世界でもトップレベルと言われています。そんな日本の車いすテニス界、クァードクラス(上肢にも障がいがあるクラス)で日本を引っ張るのが、菅野浩二(すげの・こうじ)選手。40歳で出場した2021年の東京パラリンピックでは、ダブルスで銅メダルを獲得しました。 日本の車いすテニスがここまでレベルが上がってきた背景には、日本で行われる世界レベルの大会が存在し続けていたことも見逃せません。DUNLOP KOBE OPNEN(兵庫県車いすテニス協会主催)は、2000年代から国際大会として長年続いている大会です。 今回は菅野選手に、今年も優勝したDUNLOP KOBE OPENについて、そして車いすテニスの魅力やプレー環境についてお話いただきました。...

テニスにおいても、ボールのプラスチック蓋をなくすなどスポーツの中でのサスティナビリティに取り組んでいるDUNLOP(住友ゴム工業)は、会社としても『GENKI活動』と称した社員を巻き込んだ社会貢献活動を行っています。
住友ゴム工業株式会社の社会貢献推進室長(取材当時)の山田照郷さん(以下、山田)にお話を伺いました。

山田さん住友ゴム工業株式会社 社会貢献推進室長(取材当時)山田照郷さん

社会貢献活動への参加が「世の中の役に立つ」実感に

ーー住友ゴム工業株式会社の社会貢献推進室では、どのような活動に取り組まれているのでしょうか?

山田)私たちは、会社のサステナビリティ活動の中の『社会貢献活動の推進』を担っています。
住友ゴム工業株式会社では、サステナビリティ活動ガイドラインとして「GENKI」を定めています。(「Governance(ガバナンス)」「Ecology(事業活動の環境負荷低減)」「Next(次世代型技術・製品・サービスの開発)」「Kindness(一人ひとりが輝ける寛容な風土)」 「Integrity(社会への誠実さ)」(詳細はこちら
「GENKI」は、1988年に「みんなが元気になる活動」として始めた社員による地域貢献・ボランティア活動プロジェクト「GENKI活動」が源流で、今では全社グループにまで広がり、定着していったことを活用したものです。

私たち社会貢献推進室は、あくまで“推進する”立場として、社会貢献活動・生物多様性の保全・緑化活動などについて、社員の全員が自主的に関われるようにと思いながら活動をしております。

ーー大企業になればなるほど社員の皆さん全員を巻き込み、全員で取り組むことは大変かと思います。

山田)そうですね。社会貢献活動を推進することで『組織健康度』を上げることにつなげていきたいと考えています。社会貢献活動を通じて「自分の活動が世の中の役に立つ」という意識を持つことは当社の存在意義である「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」の「ヨロコビをつくる」につながっています。

当然企業なので利益を出すために活動することが大事なのですが、利益以外に世の中に対する貢献という部分で社員満足度を向上させると、組織の健康度も向上するのではないかと思っています。

ごみ拾い活動近隣でのごみ拾いの様子

社員が発案し参加する社会貢献

ーー社員の皆さんをできるだけ多く巻き込むという意味では、「CSR基金」制度は手軽に始められる社会貢献活動になっているのではないでしょうか?

山田)CSR基金は、社員から毎月200円を寄付頂き、会社も同額の200円を拠出するという仕組みで成り立っている基金です。その基金から全国各地のNPO団体などに助成をしています。あくまで自主的に申請のあった社員からの寄付ですが、ここ数年で参加する社員は増えてきています。
助成する団体は、本社だけでなく各地の事業所や工場から推薦してもらう形で、今年は56団体、合計1,470万円の助成を行いました。

助成先の活動ジャンルとしては「地域課題の解決」に取り組んでおられる団体が一番多く、白河市(福島県)での子ども食堂、神戸市(兵庫県)での外国籍の子どもたち向け日本語教育などの事例があります。

ーーGENKI活動というのはどのような活動なのでしょうか?

山田)1988年から社員を中心に行っている、地域社会や社員間のつながりをつくる活動です。地域の清掃活動や献血活動への協力、地元の飲食店の応援活動、老人ホームの掃除などを手伝うボランティア活動などを行っています。

こうした社会貢献活動の情報は、社内向けコミュニケーションサイトを通じて社員へ提供しています。先日も兵庫県で障がい者の方のフライングディスクの大会があり、そのお手伝いに当社社員が4人ほど参加しました。

住友ゴム工業フライングディスク大会の様子

ーーボランティア情報を社員さんにご提供できるのはすごくいいですね。資金面で支援するだけでなく、人のリソースも提供できるということ、さらに社員が実際にボランティア活動を体験できることは大きな経験になるのではないでしょうか。

山田)現状はまだまだ参加人数が多くないですが、少しずつ輪が広がり始めていると思います。なにか社会の役に立ちたいと思う社員が増えてきているのではないかと思っています。

社員の声から始まった活動もいくつか事例があります。宮崎県都城市にある工場では、近隣の商店街が新型コロナウイルスの影響でお客さんが減って困っていると聞き、その商店街にある飲食店のメニューをお弁当のような形で工場に持ってきていただく活動を行いました。ペットボトルキャップの回収は、東京の社員が個人的な活動で始めたところから全国各地の拠点に広がっています。

ーー会社からの働きかけだけでなく、社員の皆さんがアイデアを出し実行できる環境があるのは素晴らしいですね。

大会を存続させることが『社会のため』になる

ーー住友ゴム工業さんはスポーツへの支援として、ゴルフ大会の主催や車いすテニスの「DUNLOP KOBE OPEN」への特別協賛などをされていますね。

山田)ゴルフトーナメントの主催に関しては、スポーツ事業の一環としてスポーツ事業本部が担当していますが、「DUNLOP KOBE OPEN」の特別協賛に関しては私たち社会貢献推進室が担当しています。
ビジネス目的ではなく、「私たちが協賛することで、この大会を車椅子テニスの国際大会として存続させる。障害者スポーツの発展に寄与する」ということが第一の目的であるという点で、会社としても『社会貢献』の一貫であると捉えています。

ーー「DUNLOP KOBE OPEN」の歴史について教えていただけますか?

山田)「DUNLOP KOBE OPEN」は、兵庫県車いすテニス協会さんの主催で1993年「KOBE OPEN」として始まり、住友ゴム工業はその翌年からボールパーソンのボランティア派遣など、社会貢献活動の一環としてお手伝いをしていました。2001年からチャンピオンシリーズ1(CS1)という国際トップレベルの大会になったのですが、2006年には資金とマンパワー不足によりITF Futuresという国際大会の一番下位の大会に降格してしまいました。
この神戸の大会が国際大会であり続けることが車いすテニスプレーヤーの活動を助けることになるというという想いもあり、2009年に住友ゴム工業とSRIスポーツ(現在の住友ゴム工業スポーツ事業本部)が特別協賛として資金援助を行い、ITF3という国際大会に再度昇格することができました。この資金援助に対して、主催者である兵庫県車いすテニス協会さん側のご厚意により大会名称が「DUNLOP KOBE OPEN」となり現在に至っています。

DUNLOP KOBE OPENの様子

ーーこうした寄付・支援により、障がい者スポーツの環境を維持することができるのですね。プレーする人も地元で観戦される方も、とても貴重な機会ですよね。

山田)こうしたことが、社会貢献推進室が担当する価値であると思います。

障がい者スポーツ支援からも生まれる組織健康度!

ーースポーツ大会を支援すること、社会貢献活動にスポーツが関わることによるメリットを感じることはありますか?

山田)「DUNLOP KOBE OPEN」は、もともとボランティア活動として始まりました。「スポーツが好きだから」という理由で始められたボランティアの方に聞くと、車いすの方と実際に触れ合う機会が生まれているのが印象に残っているようです。普段の生活において車いすの方と関わることも少ない中、貴重な機会になっていると話してくれました。

ーー社員の方が実際に社会貢献を実行する場としても「DUNLOP KOBE OPEN」が果たす役割は大きいですね。

山田)先日、障がいのある子どもを対象に、「ボートに乗ろう」というイベントがありました。ボランティア参加者は、「初めてボートに乗った子どもたちの笑顔がすごくよかった」と話していました。車いすテニスに限らずこうしたボランティアの機会によって社員たちも元気づけられていると思います。

ーーユニバーサルスポーツなど、障がい者の方々と触れ合う場としてスポーツが活用されることも増えてきているので、社員さんがボランティアに行きたい場所として今後も機会が多く作れるといいですね。

山田)私が社会貢献活動で意識しているのは、よかったかどうか評価をするのは受け手側だということです。だからこそ社員から出てくるアイデアなどは積極的に取り入れていきたいですし、こうしたところから組織健康度も上がっていくのではないかと思っています。社会貢献活動を推進することにより、社員の社会貢献活動に対する関心も徐々に上がってきていると思います。ボランティア情報の閲覧数やCSR基金の加入率も上がってきているので、引き続き社会貢献活動を通してよりよい会社、そして社会をつくっていきたいと思います。

ーーありがとうございました!