グローカルの意味は「世界基準の考え方を持ちつつ、地域の文化に寄り添った事業を行うこと」です。近年は、企業やホテルの名称などにも取り入れられており、身近なフレーズになりつつあります。グローカルについて、具体例とともに理解を深めていきましょう。
グローカル とは
グローカルは『グローバル』と『ローカル』を組み合わせた造語で、事業を展開する時やマーケティング用語としても用いられています。
世界規模での事業やサービスを行うグローバル企業と近隣地域のニーズや特徴に適した事業を展開するローカル企業の良いとこ取りをしています。
つまり『世界に目を向けた事業展開や通用の考えを持ちながら、地元の文化や習慣に寄り添った事業や社会貢献を行うこと』という意味になります。
グローカルってどのような取り組み?
グローカルな取り組みは、地球規模の事業展開をしつつ地域のニーズに応えることです。
例えば、海外の企業が日本へ進出しようとした際に日本特有の文化や習慣に合わせた商品開発を行い販売するということがあります。事業を展開する地域に適した商品を提供することで現地の人々のニーズに応えることができ、企業イメージの向上や販路をより広げることに繋がるのです。
他にも、企業の拠点を大都市ではなく、小さな町に置くことでローカルに活動しつつも世界的に目を向けた事業を進めていくこともグローカルといえます。
グローカルな取り組みを行う企業
有名な企業ではマクドナルドが挙げられます。マクドナルドはアメリカに本社を構えていますが、世界各国に店舗があります。日本ではてりやきマックバーガーというような、日本人の好みに合わせたハンバーガーを提供しています。
これは企業の世界進出と各国の文化に合う商品提供を実現しており、グローカルな取り組みと言えます。
パナソニックはデジタルサイトにおいて各国の市場に合わせた情報提供を行っています。サイトの形態は世界的な基準で統一感を保ちつつ、ニーズに対応したネットサービスを展開することで、グローカルなサイト運用を実現しているのです。
・パタゴニア
オーガニックやリサイクル素材の使用
・イオン
中国・アセアン本社の設立や脱炭素やサステナブルな調達方針を掲げた
・ケンタッキー・フライド・チキン
ベジタリアン向けメニューの開発・販売
上記の例以外にも、環境問題や教育に目を向けたグローカルな取り組みがあり、徐々に増加していると言えます。
グローカルが進む理由とそのメリットは?
グローカルが拡大する理由にグローバル化のデメリット解消に繋がることが挙げられます。
グローバル化は利益を追い求めるうえで必要な考え方ではあるのですが、一方で環境問題や地域格差を浮き彫りにしてしまうという問題がありました。そこで、それらの問題を解決するグローカルな考えが拡大したのです。
また、インターネットなどの通信環境の普及が進んだことも要因に挙げられます。ネット環境の充実により、大都市から離れた拠点でも、最新の情報が取り入れやすく自身の情報も発信しやすくなったためです。
グローカルな事業は企業の売り上げ向上や地方の雇用活性化、環境保護などにも繋がり企業と地域の両方にとってのメリットがあることから、今後も拡大していくと考えられます。
SDGsをはじめとする世界的な取り組みが広がりつつある今、世界に目を向ける広い視野とエシカルな感性を持ったグローカル人材を目指していきたいですね。