ビジネスマンが今絶対に知っておきたい“ESG投資”をご存知ですか?
「2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標」である”SDGs”とともに注目を浴びています。しかし、「大事なものなんだろうけど、詳しくは分からない」という方が多いのではないでしょうか?
今回はそんな方に向けて”ESG投資”を分かりやすく解説します。
結論”ESG”とは?
●環境(Environment)
●社会(Social)
●企業統治(Governance)
これら3つの英語表記の頭文字を取ったものがESGです。
それぞれの項目では、以下のようなことが注目されています。
「E」地球温暖化対策、生物多様性の保護
「S」人権問題、ジェンダー平等
「G」法令遵守、情報開示
「社会や環境の持続性を目指してESGに取り組むことが重要」と考えられるようになっています。
ESGに「投資」するとは?
”ESG投資”とは「ESGの3つの観点による企業評価で投資先を決め、投資をすること」です。
ESGの概念が広まったことで、財務情報に加えて「ESGの要素を考慮した」企業経営の持続可能性を評価する動きが高まってきました。
投資をする際に、気候変動や汚染防止を配慮した長期的な取り組みや、新しい収益機会の創出などの観点も重視されるようになりました。
2015年にパリ協定が採択されたことも後押しして、ESGを重視した投資が広く普及し、ESG投資における資産運用額は急増しています。
これにより、今後も更なる投資額の増加が見込まれています。
社会や環境の持続性を意識した企業とは?
では実際に、「ESGの要素を考慮した」企業経営を実践している企業を紹介します。
まずは、サラヤ株式会社です。
主力製品・ヤシノミ洗剤の原料であるパーム油生産の裏側には、原産地ボルネオの「環境問題」と「人権問題」がある事を知って以来、ボルネオの自然や人々の衛生面を守る社会貢献活動に取り組んでいます。
創業から軸にしてきた衛生事業を通して、「100万人の手洗いプロジェクト」を行うなど、現地の衛生環境を整える活動にも力を入れています。
次に、山本化学工業株式会社です。
環境に負荷の少ない素材づくりにこだわり、世界トップシェアを誇るウェットスーツ素材の生産などを手掛けています。
ウェットスーツに使用されるゴムの製造においては、残り100年程度で枯渇が懸念されている石油ではなく、約3300年ほど安定して採掘ができる石灰石を原料に使用するなど、「持続可能性」を最重視したものづくりをしています。
他にも「非常識なものづくり」をモットーに、常にさまざまな分野でのチャレンジに力を尽くしています。
なぜ注目した方がいいの?
ESGに考慮した活動を行うことで、環境問題や社会問題に対しての感度が高まります。
より良い仕事、より良い生活を作り出すためには、こうした「感度」や「気づき」が欠かせません。そのような力を企業が養っていくことで、世界の持続可能性がより高まっていくのではないでしょうか。
先進国においても「エコ製品」のステータスが向上しています。
世界全体が、ESGを重視し始めている今、自分たちが提供できる価値を真剣に考え出し、企業活動として社会に還元していくことがより一層求められるでしょう。
だからこそ、「ESG」に注目するべきだと考えます。
日本企業の動きは?
海外の投資家が株式の保有比率を高め、企業価値向上のためにESG対応の強化をとるようになってから日本の企業もESGの取り組みに注力するようになりました。
そのため、ESG情報を開示する企業が増えたのです。
日本企業はこの流れを将来のビジネスチャンスだと捉えているようです。
また、この取り組みを評価するにあたっては、どのような情報が開示されているかが再重要視されるようになってきました。
現状では、活動自体は評価に値する取り組みをしているにも関わらず、その情報をうまく開示できていない企業は多くあります。
今後はさらに、活動そのものと情報開示を一体化する動きが重要になってきます。
ESG活動の評価が企業の存在価値を高めてくれるものでありますので、日本企業はより主体的に取り組んでいく必要があるでしょう。
ESG投資が開く未来
このように世界的に”ESG投資”への関心が高まり、実際にESGの取り組みを強化している企業への投資が進んでいます。
投資家は企業に対してより一層の活動強化を求め、企業はそれに応える形で企業活動を行なっていくという流れは今後さらに早まるでしょう。
そのことによって一番身近に考えられることは、環境保全ではないでしょうか。「脱炭素」といった言葉も最近よく耳にしますが、これも投資家がESGの観点から石炭業界などへの投資を躊躇している影響もあります。
さらにこの動きが進めば、日本中、世界中の企業が環境問題に始まり、人権問題やジェンダー平等、情報開示に主体的に動ける土台ができてきます。
そうすれば、「持続可能な」世界にどんどん近づいていくのではないでしょうか?
これをきっかけに、企業だけではなく国民一人ひとりのESGに対する関心が高まり、様々な取り組みが生まれる未来が待っているでしょう。