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ソナエルは全国へ~『ソナエルJapan杯』~

ソナエルjapan杯

2021年9月の防災月間に『ソナエルJapan杯』が開催されているのはご存じですか?Jリーグ・シャレン!が取り組み、Jリーグ全57クラブで優勝を争うこの企画。

東海から全国へ、スポーツ・サッカーファンだけでなく、一般の方々も巻き込んで地域の防災意識を高めたい。その想いについて、Jリーグ社会連携室鈴木順さん(以下、鈴木)、株式会社HITOTOWA執行役員津村翔士さん(以下、津村)、そして前回に引き続きヤフー株式会社の安田健志さん(以下、安田)にお話を伺いました。

ソナエルを始めた理由~Jリーグ・シャレン!ソナエル東海~『備えるを、楽しもう』のコンセプトで、防災力向上に取り組む『ソナエル東海』。Jリーグのシャレン!の取り組みの1つとして発足してから1年経った今年、全国規模で『ソナエルJapan杯』が始まりました。 防災を軸に活動を行う背景、想いについて、ソナエル東海発足当初から活動をサポートする大多和亮介さん(以下、大多和)、ヤフー株式会社SR推進統括本部CSR推進室災害チームの安田健志さん(以下、安田)にお話を伺いました。...

防災模試は、全国を巻き込める

ーー鈴木さん、今回『ソナエルJapan杯』ということで、昨年の『ソナエル東海』の発足、そして6月の『ソナエル東海杯』から全国規模に広げていかれます。ここにはどのような想いがあるのでしょうか?

鈴木)もともと大多和さんとも、ソナエル東海が「ソナエル関西」や「ソナエル東北」、「ソナエル九州」みたいに他の地域にも広がって、ゆくゆくは『ソナエルJapan』になったら良いね、という話はしていました。

これが最終形かはわかりませんが、この『ソナエルJapan杯』で思ったよりも早く全国に広がった、という感じはしています。

ーーヤフーさんとの連携も大きいというお話を伺いました。

鈴木)ヤフー防災模試は、それだけで一つのコンテンツとして確立していて、しかもやってみると結構難しいし、勉強になるし、ためになる。

もしこの防災模試がなければ、各クラブがそれぞれで考えて実施したり、自分たちで地域と組み立てたりということに時間を掛けなければならないですし、全国で統一して何かする、というのはできそうで実はすごく難しいんです。そうした意味で、ヤフーさんと一緒に取り組めることは非常に大きなことだと思っています。

大事だと思う人を地道に増やしていきたい

ーー全国に広がったことに対しては、かなりポジティブに捉えていらっしゃいますか?

鈴木)ものすごくポジティブですね。この1年間、ソナエル東海では細かく一つ一つ積み上げていきましたが、今回ソナエルJapan杯という大きなものを始めることによって、そこから自分たちは「じゃあ何ができるのだろうか」と、逆のルートで考えました。
防災って本当に大事なことです。昨今の異常気象もですが、何年かに一度は大規模な地震も必ず起きます。そういう意味では、地域の皆さまに意識付けするにはすごく良いきっかけになるのではないかと思っています。

また、クラブごとの対戦形式にしているので、楽しく取り組んでくれたらと思っています。実際これに参加するのはファン・サポーターの方が多くて、「応援するクラブを負けさせられない」という想いで盛り上がることも6月のソナエル東海杯のときにありました。「防災に対する意識だったら私たちが57クラブで一番だ」と誇れるようなクラブが出てきてもおもしろいですね。そうした盛り上がりにも期待はしていますが、とはいえ1年目なので、防災が大事だと思う人を1人ずつ地道に増やしていきたいです。

ーーたしかに、どのクラブのサポーターにとっても楽しめる企画になっています!1人でも多くの方に参加いただきたいですね。

「また、ソナエルJapan杯の季節がやってきた」

ーー今後の展開としては、どう考えていらっしゃいますか?

鈴木)『ソナエルJapan杯』は毎年実施していきたいです。365日、毎日この防災模試を受ける方はあまりいないと思いますが、毎年この時期に開催されることで「またソナエルJapan杯の季節がやってきた」という受験・復習の流れが生まれます。その行動がいざというときのために役立てば良いかな、と思っています。

クラブとしても、9月にこのイベントがあるけれど、それ以外のときに何をするか?という1つの指標にもなってくれたらいいなと思っています。クラブ間で連携をしたり、現在東海地域のクラブがやっているように行政との連携を深めたりしながら、それぞれの地域で、それぞれの地域に合った取り組みにつなげていってくれたらいいですね。

ーーJリーグ57クラブある中で、ホームタウンだけで見ると全国すべてを網羅できているわけではないのが現状です。その点はどのようにお考えですか?

鈴木)もちろんクラブのホームタウンは全国の自治体を網羅しているわけではありません。でもJリーグやクラブがこの活動をすることによって、クラブがない自治体の方々、住民の方々の目について、少しでも「防災知識を高めるって大事なんだ」と思ってもらえれば嬉しいですね。

本質的で親しみやすい

ーー形の広がりとしてはまだまだ本当にいろんな可能性がある状態ということですね。津村さんにもお伺いしたいのですが、HITOTOWAさんとして、そもそもソナエル東海ができたことで良かったと感じているところはありますか?

津村)サッカーを使って防災って伝えていける、そういった仲間が増えている、という点は非常にありがたいです。ソナエル東海が始まる以前から取り組ませていただいていましたが、全国各クラブと『防災』というテーマで、クラブの資産ともうまく合わせていただきながら進められてるというのは我々にとってもそうですし、社会や防災業界にとってもプラスに働いてることはすごく多いと感じます。

ーー『ソナエルJapan杯』で一般の人たちにも防災の考えが広がっていっていると思います。

津村)そうですね。防災に限らないと思いますが、私自身はスポーツの持つ価値を、社会課題・社会問題と言われてるような『一見難しいものに対しての敷居を下げる役割』を持つことだと思ってます。

ヤフー防災模試自体はすごくエンタメ性の高いものです。かつ、本質的で親しみを持てる、という形になっています。それをどう届けるのか、というところで、スポーツの果たす役割が発揮できる企画になっていると思ってますし、これを機により多くの人たちに何か知る考えるきっかけにしてほしいです。防災のことは、普段なかなか考える時間を持たないとい思います。鈴木さんもおっしゃっていましたが、9月の防災月間においては毎年、ヤフー防災模試を使った『ソナエルJapan杯』が開催され、1日だけでも防災模試を受験して考える機会があり、そこで気づいたことで、何かアクションが変わっていく、という動きを期待しています。

大切な人の命を守ることができるかもしれない

ーー今回の『ソナエルJapan杯』、受けたらどのような効果がありますか?

安田)二つの側面があると思います。サッカーきっかけで受験した人は『防災』という新たな知識を得ることができ、防災きっかけで受験した人はサッカーにはこういうチームがあるんだ、みんなこういうチームワークを発揮しているんだと知ることができます。
災害時も避難するときは、チームワークが必要です。そんなチームワークを感じてもらって、自助・共助・公助の『共助』の部分に相当する助け合いの精神が生まれていくといいなと思っています。

鈴木)理想の効果としてはやはり家庭にある備蓄品を見直す、無ければ少しでも用意する、地域や家庭内で防災について話をするなどの行動に繋がって欲しいと思います。
意識というのは薄れていくものなので、物を購入することで、もしくはそれを目にすることで、少しでも防災について思い起こすときが増えるかもしれません。ヘルメット一つでも、水一つでもそういった行動に移してもらえたら嬉しいです。

親子でこのヤフー防災模試を受けていただいて、スマホをお父さんが見ながら子どもが横で答えていくというように、家族で楽しみながら参加してもらって、家族全体で少しでも防災の知識を上げてもらえても嬉しいですね。『自助』の能力を上げていくっていうことが重要だと思っているので、楽しみながら参加してほしいです。

津村)防災力を上げることで、自分を守るのは当然ですが、自分の周りにいる大切な人を守れる可能性が僅かでも上がるかもしれない、広がるかもしれないのです。ヤフー防災模試に限らず、「防災に対して準備する」ということは結局そういうことですので、今回の模試を通して何か皆さんに知ってもらいたいと感じています。

ーー確かに。周りの人を守る意識は本当に高まって欲しいですね。鈴木さんのもともとの防災の意識って実際いかがでしたか?

鈴木)私がサッカー界に入る前にいた会社は新宿の高層ビルに入っていました。東日本大震災のとき33階にいて、ひどく揺れました。正直、その経験があって始めて「防災」が身近になりましたね。そのあと川崎フロンターレに入り、毎年のように岩手県の陸前高田市に訪問し、現地の人と話をし、土地を見て、という活動をしていましたが、その活動は防災というよりも、復興支援の意識の方が強かったと思っています。

ーーシャレン!のなかに防災が入ってきて、何か変わった部分ありますか。

鈴木)東海6クラブから情報でいただくと、地域で防災マップ作ろうとか、防災グッズ作ろうとか、目の前に助けたい人がいる人たちって、強いですよね。クラブからは少し離れたところにいる自分ですが、もっともっと自分事にしていかなければいけないと思います。

ーーありがとうございます。シャレン!から発信、それを受けての各クラブの活動も楽しみですね。

鈴木)そうですね。その拡散方法、人の巻き込み方、アプローチしたい人は各クラブで違います。たどり着きたいゴールは「1人でも多く防災意識を持った人を作りたい、高めたい」と57クラブ共通ですが、そのゴールへのアプローチ方法は57通りあって良いと思います。

今回の『ソナエルJapan杯』をきっかけに、いろいろな動きが見られるといいですし、その結果1人でも多くの人の防災への意識が高まるといいなと思っています。

ーーありがとうございます!

編集より

今回、私もヤフー防災模試を受験しました。「こんなにも知らないことがあるのか」と思い知らされました。避難場所のマーク、避難で家を出るときに注意すること、など、みなさんすぐに答えられますか?

少しでも迷った方は是非受験してみてください。この記事を読んだことこそがきっかけです!「ソナエル」ことで、大切な人の命を守ることができるかもしれません。ここからさらに広がるシャレン!の取り組みとともに、防災への意識を少しでも高めていきましょう。

ソナエルを始めた理由~Jリーグ・シャレン!ソナエル東海~『備えるを、楽しもう』のコンセプトで、防災力向上に取り組む『ソナエル東海』。Jリーグのシャレン!の取り組みの1つとして発足してから1年経った今年、全国規模で『ソナエルJapan杯』が始まりました。 防災を軸に活動を行う背景、想いについて、ソナエル東海発足当初から活動をサポートする大多和亮介さん(以下、大多和)、ヤフー株式会社SR推進統括本部CSR推進室災害チームの安田健志さん(以下、安田)にお話を伺いました。...

 

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