2022年11月21日から12月3日に開催された「KANDAI×HOSEI SDGs WEEKs 2022~実践知を磨き、考動する2週間~」。SDGs WEEKsの期間中、SDGs達成のためにさまざまな活動をする法政大学の学生組織「SDGs Action Students of HOSEI(SASH)」は、ユニバーサルスポーツ体験会を開催しました。
「ボッチャ」と「卓球バレー」を法政大学市ヶ谷キャンパスで気軽に体験できる機会を企画したSASH。そのSASHのメンバーである梶原実乃梨さんと宮国菜実さんに、ユニバーサルスポーツ体験会を企画した背景にある想いや企画・運営を通じて学んだことを伺いました。
身近なことからSDGsを考え、行動を起こすきっかけをつくりたい
ーーまずはじめに、SDGsWEEKsでユニバーサルスポーツ体験会を実施した理由を教えてください。
宮国)法政大学が開催しているSDGsWEEKsでは各団体がセミナーや展示を行っています。そこでSASHとしては自由な発想で、いろいろな企業や団体、学生たちを巻き込み、学生にしかできないことをやりたいという想いがありました。
身近なことからSDGsに触れることができて、考えたり、行動を起こすきっかけをつくりたいと考えていたときにスポーツという選択肢を知りました。スポーツを通じて体を動かしながらダイバーシティやSDGsについてより身近に考えられる良い機会になると思い、今回ユニバーサルスポーツ体験会を実施してみようと思いました。
ーーもともと、ユニバーサルスポーツはご存じでしたか?
梶原)はい、知っていました。ボッチャは昨年のパラリンピックで日本代表が金メダルを獲得したのをテレビを観て知っていて、興味がありました。
宮国)私も最近ボッチャやモルックが日本で人気があるのを聞いたことがありました。『ユニバーサルスポーツ』という言葉も、中学や高校の授業で出てきたような気がします。
ーー社会科の授業でも「ユニバーサルデザイン」という言葉を習うので、「ユニバーサル」という言葉から「誰でも楽しめるスポーツ」というイメージがつきやすいですよね!
ボッチャや卓球バレーなど、ユニバーサルスポーツを体験したのは今回が初めてですか?
梶原)はい、やったのは初めてです。
宮国)私もです。
ーー実際に体験してみて、いかがでしたか?
宮国)ボッチャは本当に誰でもできるスポーツだと思いました。ボールを投げるだけなので、「簡単そう」というイメージがありましたが、やってみると、投げ方がいろいろあるし、戦略も重要で、奥が深いスポーツでした。
一番最初に投げる白いジャックボールをどこに投げるか、ジャックボールにどういうふうにアプローチして勝つかなど、戦略を考えるのがとても楽しかったです。
梶原)実際にボールを持ったり投げたりしてみると、思ったよりも重みがあったり、場所によって転がり方が異なることを知り、驚きました。
それを踏まえて、どうやって投げようかと、考えることが多いスポーツで、チームで一緒に考える時間も面白かったです。単純に身体を動かすだけではなく、頭を使うスポーツで、楽しかったです。
ーー卓球バレーはいかがでしたか?
梶原)卓球バレーは木の板などをラケットの代わりに使うのですが、(企画・運営をサポートしていただいた株式会社ソクスポ)吉田さんから、ラケットはティッシュ箱など身近にあるものであればなんでもいいことや、ルールも参加者に応じて自分たちで工夫していいと教わりました。
身近にあるものを使い、自分たちでみんなが楽しめるルールを考えて、やってみる。それがスポーツになるんだという新たな気づきを得ることができました。
スポーツは学年・学部の垣根も越える
ーー当日、印象に残っているエピソードはありますか?
宮国)思ったよりも、体験ブースを通りがかった人たちが「ボッチャやりたかったんです!」「授業終わったらまた来ます!」と言って、あとで来てくれました。そういう方が何人もいて、気軽に参加できる機会をつくれたのはよかったと思いました。
また、ボッチャの良いところは、身体を動かすことばかりに集中するのではなく、チームで戦略を立てる中で会話が生まれることだと思うのですが、体験ブースでも初対面で全然知らない人同士が戦略を立てるために話をして、会話が広がっていって、中にはSNSで連絡先を交換している人たちもいました。
そうやって、スポーツを通してコミュニケーションを取ることの楽しさを感じました。また、体験してくれた人が、友だちを呼んできてくれたり、広報用の写真を撮る手伝いをしてくれる場面もありました。
ーーまるで、SASHの一員になったかのようですね。
宮国)大学にいても同じ学部・学科の人としかコミュニケーションを取らず、誰かと新たに知り合う機会はなかなかないので、「キャンパス内で通りがかりにユニバーサルスポーツ体験できることで、学年・学部・学科の垣根を越えていろんな人と交流できるので、とても新鮮で楽しい」と参加者の方に言っていただきました。
ーー「このユニバーサルスポーツの楽しさをもっと広げたい」という想いから、参加者の方が集客や写真撮影の手伝いをしてくれたのですね!梶原さんは印象に残っている場面はありますか?
梶原)思ったよりもボッチャを知っている、気になっている人がいてビックリしました。ボッチャに関心があった人が立ち寄って、「体験する」という行動に移してくれたことが印象的でした。
あとは、1日目に韓国人の留学生が来てくれて、言語の壁を越えてスポーツを楽しめるのもとても印象に残っています。専攻していた韓国語を使う機会にもなりました。英語やフランス語など飛び交っている場面もありました。
ーースポーツをしながらだと、ルールの説明や作戦など話す内容に迷うことがないので、英語や韓国語でも会話が弾みやすいのかもしれませんね!
高校生がはじめて参加。新たな広がりを見せた2022年
ーー最後に、今後チャレンジしてみたいことを教えてください。
宮国)スポーツやファッションなど、身近なことからSDGsについて考えたり、行動を起こしてもらいたいという想いがあるので、今回はスポーツメインでしたが、今後は「フードロス」「プラスチックフリー」など身近で多様なテーマを用意した大きなイベントを開催したいです。そのイベントに、他の大学の方や姉妹校の方など、いろんな方に来ていただきたいなと思っています。
梶原)大学内だけではなく、学外を巻き込めるようなユニバーサルスポーツ体験会は開催してみたいです。今回もユニバーサルスポーツやダイバーシティに関する展示物を用意し、体験会場に置いたのですが、今後は参加者の方々がもっと展示物を見て理解を深めてみたり、考えてもらえるような「学べるブース」の設計をしていきたいと思います。
また、現在はSASHもオンラインのメンバーがメインの活動になっているので、ユニバーサルスポーツをメンバー同士の仲を深めていける場として、有効活用していきたいと考えています。
ーー運営メンバーも事前準備に始まり、最終日にはとても仲良く、チームワーク良くブースを担当しているように感じました。
梶原)今回、Voice Up Japan Hoseiさんにも運営協力いただいて、そのメンバーの一人である弓子さんには、事前準備の日に初めてお会いしたのですが、一緒にボッチャと卓球バレーを楽しんだり、運営する中で仲良くなることができました。それも、スポーツの効果だと思っています。
私たち自身もユニバーサルスポーツを楽しんで、そしてとてもプラスになる経験ができたイベントになりました。これを一回きりのイベントにせず、またイベントを開催したいです。
ーーありがとうございました!