ゴルフ、テニス、モータースポーツなど、さまざまなスポーツで活動する住友ゴム工業株式会社のダンロップブランド。そんなダンロップでは、ピンクリボン運動への協力をスポーツの力を活かして積極的に行っています。
今年は、女子ゴルフ『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン』にて、ダンロップ契約選手が特製ピンクリボンバッジをつけてラウンドしました。スポーツ選手が共感し、発信することで広がるこうした活動。選手自身はどのように感じているのでしょうか?
日本女子プロゴルフ協会プレイヤーズ委員の副委員長でもある青木瀬令奈さん(以下、青木)にお話を伺いました。
祖母と姉と、乳がん検診は家族の恒例行事
ーー青木さんは、ゴルフ専門チャンネル『ゴルフネットワーク』のピンクリボンアンバサダーなど、以前からピンクリボン運動にも関わっていらっしゃいますね。どんなきっかけで関心を持ち始めたのでしょうか?
青木)初めてアンバサダーのお話をいただいたのは20代中盤で、「そろそろ乳がん検診に行こうかな」と思い始めていた頃でした。家族ともそうした話になり、祖母や姉と一緒に地元の病院の乳がん検診に行き始め、それからは毎年検診に行っています。
実は、私の親戚が2年ほど前に乳がんが見つかったのですが、検診に定期的に行っていたので早期発見することができました。
乳がんは“身近な癌”なんだなとすごく実感したできごとです。自分自身だけではなく、大事な人のために認知を広げていきたいと思いましたし、その輪が広がることによって防げることも大きいと同時に実感しました。
ーープロゴルファーとして年間通してお忙しい中、どのようなタイミングで検診に行かれていますか?
青木)毎年12月のオフになったタイミングで行くようにしています。プロゴルファーになった18歳の頃から、婦人科系の検診には毎年行っていました。プロゴルファーというのは身ひとつで戦う仕事ですし、なにかあったら翌年の収入がなくなってしまう職業です。
なので、年に1回は必ず体のチェックをしています。12月に検診を受ければ、なにか身体の不調が見つかったとしても、シーズンが始まる2月までに再検査や、治療の方向性を決めたり、シーズンをどう戦うかも考えることができます。そういう意味では安心できる時期ですよね。
また、応援してくれるスポンサーやファンのためにも1年でも長く競技人生を続けたいと思っています。プロゴルファーとして、みんなが喜んでくれるように自分自身の身体のチェックをするのは義務とも思っています。
ミヤギテレビ杯でのピンクリボン運動の発信
ーー9月に開催されたミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープントーナメントでは、ダンロップの契約選手37名がピンクリボンのアイテムをつけて参戦しました。
青木)ダンロップという大きな企業が取り組むことで、ゴルフ界の中でも多くのメンバーで共通してピンクリボン運動を広めることができ、とてもよいことだと感じました。ゴルフは個人スポーツなので、こうした社会貢献活動をまとまって行う機会というのは今まであまり多くありませんでした。そうした意味でもいいきっかけになっていると思います。
ーー青木さんは、プレイヤーズ副委員長としても活動されています。協会や選手団体からの発信と、メーカーからの発信はプロゴルファーたちにとってどのような違いがありますか?
青木)3年ほど前に、私の地元・群馬県のキャラクター『ぐんまちゃん』と、ピンクリボン運動のコラボバッチを見つけて、駅で購入してSNSに上げました。とてもかわいかったので(笑)。すると、その作り手さんから、是非広めてほしいと100個ほどプレゼントしていただき、選手やキャディーさんに配ったこともありました。
今回もダンロップさんにバッジを作っていただきましたが、こうしたグッズがあることで“まわりを巻き込む”ことが容易になり、チームダンロップとしての一体感も出てきますよね。
ーー共感している活動でも、自ら広めていくのはなかなかハードルが高いものだと思うので、こうしたグッズがあることは活動していく上でありがたいですよね。
青木)そうですね!今年のダンロップのピンバッジは、ドライバーのヘッドカバーにつけています。パッと見てわかる大きさで作っていただいているので、目立ってとてもいいですよね!
「行った方がいいかな」から「行く」に変わるために
ーー女子ゴルフ界がピンクリボン運動に関わることに、どのような意義を感じますか?
青木)女性のスポーツ団体なので、女性が罹患することの多い病気に関して発信していくことはとても意義のあることだと思います。また、発信力のある選手も増えてきているので、多くの方の心に響くような発信ができるのではないかとも思いますね。
私たちゴルフ界としても継続して行うことがとても大事です。10月になったら「そろそろピンクリボンの時期」か、と恒例行事のように思い出すだけでも大きなことだと思っています。
ーー青木さんはアスリートとして毎年検診を欠かさないと伺いましたが、まわりのゴルファーはどうですか?
青木)「自分は大丈夫だろう」と思っている選手はまだ多いかなと感じています。
ーー青木さんの素晴らしい習慣をまわりに共有したりすることはないのですか?
青木)後輩には、乳がん検診に関する自分の体験談などを積極的に話して共有するようにしています。そうすると、「まだ行ったことないんです。」という反応がやはり多く返ってくるのですが、私の話を聞いて「今度行こうかな」とみんな言ってくれます。発信や共有をすることで誰かの意識が変わってくれるのは嬉しいことですね。
ーー検診に行った方がいい!というのは皆さん理解していることかと思いますが、ハードルになっているのはどのようなことなのでしょうか?
青木)やはり、「行こう」と思ったときに手軽に予約できたり、おすすめの病院などの情報があるといいですよね。
私は家族と一緒に、地元の群馬県の病院に行っています。他の婦人科系の検診とは違って、乳がん検診は「家族揃っていこうよ」という雰囲気がありますね。
ーーそうなのですね!いわゆる、他の検診と違って“ライト”なイメージにもなりますね。
青木)都道府県によっては、金額面での補助など、手軽に行きやすい施策を取ってることがありますよね。検診の方法もいくつかあるので、わかりやすく自分で選べるようになるといいなと思います。
他のスポーツとの相乗効果
ーーダンロップでは、今回の女子ゴルフだけでなく、モータースポーツでも普段黄色のステッカーをピンクに変えるなど、大々的にピンクリボン運動のキャンペーンに取り組んでいます。こうした動きについてどう思われますか?
青木)私の所属先では、競技の垣根を越えて一緒にチャリティー活動をしています。そのときに感じるのは、それぞれのファン層がやはり違うので、いろいろな人たちに発信できるということです。こうした他のスポーツと一緒に取り組む活動は、今後も積極的に広げていけたらいいですよね。
ーーとくにモータースポーツは、関係者に男性が多い業界でもあります。
青木)男性にとっても、「自分の大事な人を守ろう」とすることはとてもいいことですよね。「今日こんな活動があったんだよね」と家族の中で話題になり、検診に行こうと思える人が1人でも増えたら大成功なのではないかと思います。
どうしても、家族など、身近な人が乳がんにならないと、自分ごととして感じられないもの。ですが、一度「もしそうなったら」ということを想像して、考える機会になってくれればいいですよね。
ーー今後、青木さんが取り組みたいことはどんなことですか?
青木)やはり、乳がん検診をどこの病院で受ければいいのか、という情報をとくに女子プロゴルファーには共有できるようにしていきたいですね。乳がんに関することや、検診の種類などの知識とともに、「わからないから行かない」ということをなくせるように動いていきたいと思います!
ーーありがとうございました!
女子プロゴルファー 青木瀬令奈選手メッセージ
ダンロップのピンクリボン運動
モータースポーツ
競技車両およびタイヤサイド部のステッカー、会場内ののぼり、スタッフのリストバンドなどのDUNLOPロゴマークを黄色からピンク色へ変更。
『2023 AUTOBACS SUPER GT』の第7戦をはじめとし、10月に実施される国内のラリー・ダートトライアル・ジムカーナおよびモトクロス・トライアルなどで実施しています。
Modulo Nakajima Racing 中嶋悟総監督メッセージ
Modulo Nakajima Racingドライバー 伊沢拓也選手メッセージ
ゴルフ・テニスでのピンクリボンバッジ
ゴルフでは、9月22日~24日の『第50回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント』を皮切りにスタートし、10月中の大会では多くの選手がバッジをつけてラウンド。テニスでも、『木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス2023』をはじめとする、さまざまな試合で実施しました。
元女子プロテニスプレーヤー 沢松奈生子さんメッセージ
写真提供:住友ゴム工業株式会社