人口の半分は女性なのに、なぜ、女性がマイノリティと言われるのか。 日本では、なぜ、ジェンダー平等が進まないのか。
「幸せそうな女性を見ると殺してやりたいと思っていた」との発言、オリンピック関連の女性蔑視と思われる発言をニュースやネットで見聞きし、社員選手を対象としたミーティング(月1回開催)でジェンダー問題をメインで取り扱おうと。
上記の理由だけではなく、
・ジェンダーについて、男性同士で語り合える場所をもつことが大事との記事を読んだこと
・ジェンダーについて自分の意見等を発言(発信)できる選手になって欲しいこと
・最近、SDGsに取り組んでいるクラブが増えてはいるものの、ジェンダーに取り組んでいるクラブがあまり見えてこない現状から、まずは、ジェイリースFCから発信をしていきたいと思ったこと
などもあります。
選手に伝える内容については、正直迷いました。
資料として使えるものがないか探したところ、江原ニーナさんのnoteにたどり着きました。
https://comemo.nikkei.com/n/nb3a3e3f52abf
この記事を読むことで、メルカリさんの社内研修資料(無償公開)「無意識(アンコンシャス)バイアスワークショップ」を知りました。
選手一人一人に身の回りに潜んでいるジェンダーバイアスについて考えてもらいたかったこと、最近のオリンピック案件も取り扱いたかったことから、資料は一部のみ扱うことに。
最初は「バイアス」「アンコンシャスバイアス」「ジェンダーバイアス」との言葉に、きょとんとしている選手もいましたが、グループワークを通じて、だんだん表情が変わってきました。
ジェンダーバイアスについてのグループワークでは、男性の視点からのいろんなバイアスも出てきて私にとってはある意味、新鮮でした。
「自分でお弁当を作って持っていくと、いろんな反応がある」
そのことを話しているグループの話に耳を傾けると、そこには「女性が作る側」「男性は作ってもらう側」とのバイアスがあるとの話になり、「確かに!」と
今回、グループワークを3回実施。
事例をもとに、自分で考え、考えをグループで共有することで、一人では気づかなかったバイアスに気づくことができた選手も多く、無意識の怖さと学ぶことの大切さに気付いたようでした。
無意識バイアスを理解する
→自分の無意識バイアスを意識する
→自分と他者に存在する無意識バイアスを意識する習慣をつける
今回、多くの選手が自分の中のバイアスに気づいたと思うので、今後は、まずセルフチェック。
そして、バイアスがかかった発言があった時は、互いに指摘し合える。
そんなクラブに今後、成長していけたらと思っています。
これで終わりではなく、これが始まり!!
後日、参加した選手全員に感想を提出してもらいました。
選手の感想を一部抜粋してご紹介します。
○永芳卓磨監督兼選手
私自身、ジェンダーバイアスについての意識がとても薄く、それに気づいたのはここ数年です。何気ない発言や無意識にしていた発言が人を傷つけていたり、偏見を持った考え方だということに気づかされた時は、後悔し、反省もしましたが、何よりとても恥ずかしかったです。それ以来、考えを改め、発言する際は相手の立場や気持ちになって考えることはもちろん、多様性について学び、知識を増やすことが必要だと考えるようになりました。
この問題を改善していくためには、「悪気はなくても、何気ない発言や行動で人を傷つけることがある」ことや、「自分の考えや価値観が全てではなく、さまざまな人がいること」に気付くこと、認めることが大切だと考えます。そして、気になる発言や問題があった際、問いかけていくことも必要だと思います。
問いかけること自体に労力や勇気がいることもありますが、その輪を少しずつ、確実に、広げていけるよう、まずはチーム内から始めていきたい。
○大野春佑選手
私が今回のミーティングで感じたのは、何気ない会話や生活の中にジェンダーバイアスがたくさん潜んでいることです。私は、学生時代、無意識に「~だから」や、友人に「女っぽい」などよく言っていました。社会人になりジェイリースFCのミーティングでジェンダーやジェンダーバイアスを学ぶことで、言葉を発する前に「これは差別発言では」と考えるようになりました。まだまだ自分の発言に偏見があったり、これは大丈夫かなと思ったりすることもあり、学ぶことがたくさんあります。
私がここにいなかったら、この問題を解決していこうとも思わなかっただろうし、学生の時と同じように、平気で発言をしていたと思います。そう考えると、月1回のミーティングは、他では学べないことを学ぶことができ、ものすごくためになっていると実感しました。
ジェイリースFC 竹本雅美