私たちの想い

〜ジョギングしながらゴミ拾いする新しいスポーツ『プロギング』とは〜 ボランティア団体「GRIT」 代表 大嶋英美里さん

皆さんは普段、ボランティア活動をしていますか?

そう聞くと満足にYesと答えられない方が多いのではないでしょうか。

ボランティアと聞くと、「敷居が高そう」「お金がもらえない」とイメージされる方が多いように思います。しかし、ボランティアをする事で、ライフスタイルやキャリア形成にも大きく役立てることができます。

今日は『プロギング』というゴミ拾いをしながらジョギングをする新しいスポーツと、ボランティアを組み合わせて社会貢献活動を行う団体「GRIT」の大嶋さんにお話を伺いました。

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Sports for Social編集部)

今日はよろしくお願いします!早速ですが大嶋さんがボランティア団体を立ち上げた経緯を聞かせてもらえますか?

大嶋)

大学1年生時に東京マラソンのボランティアをした事で、ボランティア活動に関心を持ちました。その時はゴールした選手にメダルをかける役割でした。メダルをかける回数が多くなるにつれて選手の頑張る姿や、ずっと立ちっぱなしで選手に声をかけ続けるボランティアの方々の姿に感動してしまいました。初めは就活でアピールになるかなと思い、ボランティアに参加したのですが、参加後はすっかりボランティアの魅力にハマっていました。それからの学生生活は、他のボランティア活動にも積極的に参加するようになりました。仕事として、アスリートの栄養管理をサポートしており、ボランティア×スポーツと言う軸で自らボランティア団体を設立したいと思ったことがきっかけです。

Sports for Social編集部)

東京マラソンがきっかけでボランティアにハマったんですね!そんな中で立ち上げたボランティア団体「GRIT」はどういった団体なんですか?

大嶋)

GRITは月に1度のペースで、皇居の周りをジョギングしながらゴミ拾いをしています。単なるゴミ拾いではなく、参加者を2チームに分けてどちらが拾ったゴミの量が多いかを競うゲーム性を持たせて楽しくボランティアをすると言う活動をしています。

Sports for Social編集部)

ゴミ拾いをするボランティア団体は都内にも多くありますが、GRITならでは特徴はどんなポイントがありますか?

大嶋)

特徴は、スポーツ感覚で楽しめる所です。私は、同世代の20代〜30代の人にボランティアを楽しんで欲しいという想いがあります。同世代の人にただ「ゴミ拾いのボランティアをしよう!」と誘っても、いいリアクションは中々もらえません。しかし、「プロギングっていう新しいスポーツがあるんだけど、一緒にやらない?」というと、興味を持ってくれる人が増えると思います。スポーツを組み合わせる事によってゲーム感覚で楽しめて、自然と笑顔もこぼれます。ヨーロッパを中心に、プロギングというスポーツとして世界的にも浸透しつつありますが、日本でももっと普及するといいですね。ボランティアの敷居が低くなります。スポーツを楽しむ感覚でボランティアをしてもらうことで、ボランティアに対する認識や概念を変えたいと思っています。

Sports for Social編集部)

確かにボランティアと言われると敷居が高そうに感じますが、スポーツと言うと楽しく出来るイメージがあるので面白いですね!コミュニケーションも大切にしているそうですが、これはどういう事でしょうか。

GRIT_プロギング

大嶋)

GRITではボランティアの参加者同士の交流も大事にしていて、ボランティアという共通言語を持った人達が話す事で人とのつながりや夢が生まれたり、価値観が広がることを期待しています。活動のはじめに、参加者同士で積極的にコミュニケーションをとるようお願いしています。活動をしながら、いろんな話に花を咲かせてもらって、仲良くなってもらいます。ゴミ拾いをすると参加者同士の声かけも増えますよね。ゲーム性があるので勝つためにもコミュニケーションは必須です。活動後には親密度が上がっていて、飲みに行ったりもしますよ。ボランティアの参加者は自分の人生にビジョンを持っている方や、上昇志向の方が多く、仕事上でも活躍している人が多かったりします。そういった人達と接する事で、自分の意識も高くなりキャリア形成にも活かせるかもしれません。

Sports for Social編集部)

参加者同士でコミュニケーションを取ることで、お互いが感化されて良い相乗効果が生まれそうですね。ところでGRITは皇居を中心に活動していますが、皇居にこだわる理由などはありますか?

大嶋)

走りやすくて比較的きれいなので、ボランティア初心者や、サクッとボランティアしてみたい方に向いていると思ったからです。また、皇居は観光客や、外国人の方も多く来られます。ゴミ拾いは、言葉が通じなくても何をしているかわかるので、ゴミを落とさない意識づけができるのではと考えています。皇居ランナーにも、ゴミを落とさないような注意喚起になることを期待しています。

Sports for Social編集部)

ゴミ拾いをしている姿が外国人や観光客の目に止まれば、皇居や日本のイメージが良くなりますね!そんな大嶋さんの活動を見て、参加者から運営メンバーになった方も2名いるとお聞きしましたが、彼らはどんな理由で運営メンバーになったのですか?

大嶋)

私は、参加者の方々に今までのボランティア経験や、今後の団体の展望について話すようにしています。ボランティアって面白いんですと。元々は参加者の1人でしたが、話しているうちに私の想いに共感して頂き、運営として協力してくださるようになりました。運営に携わると、参加者の方々がボランティアにハマる瞬間に立ち会える事もあります。そんな時にとてもやりがいを感じます。ボランティアを始めるきっかけがGRITだったら嬉しいですし、活動を通して多くの人がボランティアにハマってもらえると嬉しいです。

Sports for Social編集部)

では次はGRITでの活動を通して、同世代の方に伝えたいメッセージをお願いします。

大嶋)

私が同世代の若い方々に伝えたい事は、ボランティアの楽しさと素晴らしさです。ボランティアは気軽に出来る社会貢献活動の1つです。社会貢献活動に主体的に取り組む事で他人を思いやる人間性や、社会の一員である事を自覚できる社会性が得られます。加えて参加者の方々は、人間的にも素晴らしい人ばかりで、そう言った方々との人脈形成にも繋がります。プロギングって何か分からないけど楽しそう!と興味をもって活動していただき、これが社会貢献活動か!と気付けるプロセスがあっても良いと思います。若い方でボランティアにマイナスイメージを持っている方も、一度ボランティアを体験していただきたいです。社会貢献活動のスモールステップとして、自分が使ったグラウンドを来た時より綺麗にして帰るなどでも立派な社会貢献だと思います。身近な所で、自分以外の人が気持ちよく使える空間作りから始めるのもと良いと思いますよ。

Sports for Social編集部)

大嶋さんの熱い想いが伝わる素晴らしいメッセージですね。では最後に2年目となるGRITの今後の目標をお願いします!

大嶋)

団体としては活動拠点を増やして行きたいです。今は東京のみですが、GRITや私の想いに共感してくれた方が各地で拠点を作ってくれるとより多くの人にボランティアの楽しさが伝わると思います。今の活動に加えて、出張ゴミ拾いもやって行きたいです。まだまだゴミが多い場所はあるので、そこをプロギングを通して綺麗にしていきたいです。ゆくゆくは、スポーツ×チャリティーイベントもできればと考えています。例えば、サッカーの試合の参加費が慈善団体への寄付になるなどの構想を考えています。スポーツ×社会貢献活動は親和性が高く、可能性は大きいと思います。これからもGRITの活動を続けて、同世代が社会貢献活動に関心を持ってくれるように挑戦を続けます!

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