私たちの想い

2度の乳がんと難病の体験を必要な方の支えに!”がん”と診断を受けた人への理想的な寄り添い方とは?〜病院と患者の隙間を埋める立場でいたい〜

Sports for Socialでは以前、#女性のコトを考えるで「女性の抱える乳がんの悩み」について触れてきました。今回は、実際に乳がん治療をご経験された方の生の声をお届けしたいと思います。
2度の乳がん治療の後、免疫系の難病(水疱症類天疱瘡)を患った岡田みやこさん(以下、岡田)。岡田さんはどのように乳がん治療に向き合ったのか。ご自身の経験を活かして、現在取り組まれている乳がん患者さんを支える活動について伺いました。

三度の大病も一人じゃないと分かったから向き合えた

ーーまず、岡田さんご自身のがん治療について教えていただけますでしょうか。

岡田)私はこれまでに乳がん、そして再発、その後に難病も経験しました。すべてが初めてのことなので、何度も悩んだり迷ったりしましたが、一番辛かった瞬間は、”がん”と初めて告知を受けたときでした。当時の私は、”がん=死”という認識を持っていたため、自分ががんであると告げられた際に、「ああ、私は死ぬんだ」と頭は真っ白になりました。まさに人生を強制シャットダウンされたような感覚でした。

ーーとてもつらいご経験をされたのですね。一度目の乳がん治療の際には、どのような悩みや不安があったのですか?

岡田)私の乳がんは幸い早期に見つかり、近くの大学病院で温存手術という部分切除の手術を受けました。私の周囲には乳がんを経験された方がいらっしゃらなかったので、誰にどう頼ったらいいのかがわからず、とても孤独でした。そのときはただただ怖くて、早く身体からがんを取り除きたい一心で、乳がん治療を終えることを急いでしまいました。その結果10ヶ月後に乳がんを再発してしまいました。

そこで、乳がんはただ切って終わりじゃないんだなということを実感し、乳がんについてしっかりと向き合おうと考えるようになりました。

ーー乳がんの再発を告げられた際のお気持ちはいかがでしたか?

岡田)もちろんショックを受けました。しかし、二度目の乳がん治療の際には、ナグモクリニックで南雲先生に出会い、自分の乳がんがどんなもので、自分にはどのような治療が必要なのかを知ることができ、安心感を持って手術に臨むことができました。ナグモクリニックでは、手術をしたら終わりではなく、予後の治療や再発予防のサポートしてくださるので、とても心強く思っています。

ーーナグモクリニックでは具体的にどのような指導を受けたのですか?

岡田)予防医学や栄養学などを用いて、食事指導や運動指導をしていただきました。私は学生時代は体育会に所属していたので毎日カラダを動かしていましたが、社会人になり、デスクワークが増えた時期から、全く運動していないことに気づきました。歩いたり、階段を使うなど日頃からできる心掛けの指導とともにナグモクリニックでは、週に一回パーソナルトレーナーさんが来て運動指導をしてくださる「筋トレ同好会」というものがあり、南雲先生からまずはそこに行くように勧められました。

ーー「筋トレ同好会」があるのですね!実際に参加されていかがでしたか?

岡田)気持ちよく汗をかくことでリフレッシュできたり、運動することで自然とおなかが減り食事をきちんと摂れるようになったりと体調も整うようになりました。

また、それ以上に「筋トレ同好会」に参加してよかったと思うことは、乳がん体験者同士で交流ができたことです。「筋トレ同好会」では、乳がん治療の先輩方からさまざまなことを教えていただいたり、相談に乗っていただき、これまで感じていた孤独感や不安が一気に軽くなりました。私だけじゃないんだと思える場所ができたことはとても治療の励みになりました。

ーー「筋トレ同好会」は治療の場でもあり、心の支えでもあったのですね!その後、水疱症類天疱瘡を発症されたのですよね。

岡田)はい、聞いたことがない病名ですよね。そういう意味では、乳がん以上に恐怖感がありました。この病気は、全身の皮膚や粘膜に水疱(水ぶくれ)や糜爛(ただれ)ができる自己免疫疾患の一つです。難病指定されており、確率した原因や治療法はありません。同じ乳がん仲間でも発症した人はおらず、また孤独と向き合うことになりました。

ーー治療法も確立されていないとのことでしたが、岡田さんはどのように治療に取り組まれたのですか?

岡田)専門外のことでしたが、南雲先生にも相談させてもらいました。難病の主治医から処方されているステロイドを使用しながら、食事や栄養の見直し、紫外線を浴びる光治療を行いました。私の場合は、紫外線を浴びることが非常に効果的で、少しずつステロイドを減らすことにも成功し、今は薬を一切使わず寛解しています。

ーーそうなんですね。不安のある中で、それでも相談できる人、相談を受けてくれる人がいたのは岡田さんにとっても嬉しかったでしょうね。

岡田さん 筋トレ同好会

心の支えとなる場所

ーー二度の乳がん、そして水疱症類天疱瘡の治療を終えて、現在岡田さんはどのような活動をされているのですか?

岡田)現在は、先ほどお話した筋トレ同好会に継続参加しながら、診察室近くのお部屋で、乳がん体験者とそのご家族の安心安全な居場所として『おしゃべりサロン』を週3回、主宰しています。患者さんの心と治療のサポートをする、いわゆる“患者会コミュニティ”活動です。

ーー乳がん患者さんのサポートをしようと思ったのはなぜですか?

岡田)私自身が乳がん治療と向き合う中で、同じ経験をした仲間たちの存在が大きな心の支えになりました。経験したもの同士しかわからないことが多々あります。私も、必要としている誰かの役に立ちたいと思ったからです。ちょうど治療もひと段落ついた頃に、南雲先生からお声がけいただき喜んで引き受けさせていただきました。乳がん患者さんの一番そばにいる南雲先生が、「医師には話しづらいこともあるから、患者さん同士の交流がとても大切」といつも仰っています。

ーーそうなんですね!おしゃべりサロンについて詳しく教えていただけますか?

岡田)『おしゃべりサロン』は乳がんについての悩みを相談できる場ではありますが、“女子会”のような雰囲気で“ごぼう茶”を飲みながらお喋りをする場となっています。また、『おしゃべりサロン』にはサロンルームの【思いやりルール】というものがあります。同じ乳がん体験者と言えど、一人ひとり異なる症状・経験・考えを持っています。特に乳がん治療中はデリケートになっている方が多いため、みんなが気持ち良く交流できる場としての、“自分の意見を押し付けない”・“相手の意見を批判しない”という最低限守るべきルールを設けています。

ーーおしゃべりサロンに来られる方は、どのような悩みを抱えていらっしゃるのですか?

岡田)みなさんさまざまな悩みを抱えていらっしゃいますね。手術についてや術後の症状についてなどの情報交換をされる方が多いです。また、冒頭でお話しましたが、私同様に乳がんの告知をされた際には頭が真っ白になり、診察室で先生から何を言われたのか全く覚えていないというような方もいらっしゃいます。そのような方から、一緒に診察室には入ってほしいというご依頼をいただいたり、先生に直接言いづらいこと・聞きづらいことを私が代弁するサポートもしています。

ーーおしゃべりサロンが乳がん患者さん同士を繋ぐ場になっているのですね。

岡田)そうですね。日常のたわいのない話をしてリラックスする場にもなっています。中には周囲の友人や職場の方に乳がんであることをカミングアウトして、傷ついた経験をされる方もいらっしゃるので、おしゃべりサロンでは、お互いがお互いのことを理解し合える分、気楽にお話ができるのではないかと思います。

ーー乳がんを実際に経験された岡田さんとしては、我々、乳がんを知らない人たちにどのようなサポートをしてほしいとお考えですか?

岡田)私たちが周囲の人にカミングアウトして傷つくことは、心無い言葉を投げられることもそうですが、特別扱いされることにもあります。もちろん相手は私たちを想って掛けてくれる言葉や行動と分かってはいますが、やはり“腫れ物”に触るように感じてしまい傷ついてしまうことがあります。なので、普段と変わらない接し方で見守っていてほしいなと思います。私自身もどんなカミングアウトをしても変わらずにそばにいてくれた友人たちがいました。一番嬉しかったですし、大きな心の支えでした。そして、 乳がん治療は本人が選んだ治療に向き合うことが一番だと、私は思っています。周囲が必要以上に治療に関与することは、たとえ身内であったとしても賛成できません。“普段通り、そっと見守り応援する”が大前提です。
また、ご本人から助けを求められたときは、是非話を聞いて、寄り添ってあげてください、

ーーなるほど。乳がん患者さんの声を聞いて、自分の行動が無意識に相手を傷つける場合もあると知ることができました。変わらない関係性が大切なのですね。

お喋りサロン 思いやりルール

乳がんで悩んでいる方へのメッセージ

ーー最後にこの場を通して、乳がん治療に取り組まれている方々に何か伝えたいことはありますか?

岡田)周囲に相談できず孤独に治療に励んでいる方もいらっしゃるかと思います。また時には、SNSやブログなどから得た情報で困惑してしまうこともあるでしょう。そのような乳がん治療に悩まれている方々には是非一度、「おしゃべりサロン」・「筋トレ同好会」に足を運んでいただきたいなと思います。そして、一緒に治療に取り組む仲間や正しい情報を得てともに前へ進みましょう。

ーーおしゃべりサロン・筋トレ同好会はどなたでも参加できるのですか?

岡田)はい。乳がん経験者という制限はありますが、ナグモクリニックの患者さん以外でもお越しいただけます。また、公式LINEも運営しておりまして、セミナーの紹介や個別での相談も受け付けておりますので、是非ご登録ください。

ーー岡田さんの活動を通して孤独に乳がん治療に励む方が一人でも減ることを我々も願っています!ありがとうございました!

(協力:ナグモクリニック <https://www.nagumo.or.jp/>)

岡田さんメッセージ岡田さんメッセージ
ビジェル

この記事は、株式会社命の食事のサポートによって制作しています。
株式会社命の食事 眞榮平社長より応援メッセージ

『前回私は「#女性のコトを考える」のコーナーで、乳腺専門医である南雲医師が提唱する「命の食事」の立場から「増え続ける乳がん。自分の身体を守るための食事とは?」というテーマで情報を発信させていただきました。
しかし重要なことは、乳がん患者さまたちがその情報をどのように受け止めて、どう対処しているかということです。
そこで今回、乳がんの当事者でもあり、患者会を主宰している岡田みやこさんをご紹介します。』

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<命の食事・眞榮平社長の対談記事はこちら>

【前編】https://sports-for-social.com/special/joseinokoto-inochinoshokuji1/

【後編】https://sports-for-social.com/special/joseinokoto-inochinoshokuji2/