九州全体を巻き込んで、社会を明るく元気に盛り上げていく。
今回は、福岡ソフトバンクホークスが2016年4月に熊本・大分地震災害復興支援プロジェクトとして発足した「ファイト!九州」の活動の一環である「あなたの夢を叶えます!」プロジェクト、「笑顔の花を咲かせよう!」プロジェクト、2つのプロジェクトを取り上げます。
これらの取り組みについての熱い“想い”を福岡ソフトバンクホークス 営業戦略部 マーケティング企画課・前田様に伺いました。
「ファイト!九州」は2016年4月に熊本・大分地震災害復興支援プロジェクトとして発足し、継続的な復興支援活動を行ってきました。この度、コロナ禍で明るい話題が少なくなった現状の中、「ファイト!九州」プロジェクトでは、復興支援に限らず様々な“ホークスが九州を元気にする活動”を行うものとしました。
九州各地の子どもたちから夢を募集して実現していく「あなたの夢を叶えます!」プロジェクト、九州各地の小学校にひまわりの種を配り一緒に育てる「笑顔の花を咲かせよう!」プロジェクトを始動するなど、九州全体を巻き込んで社会を明るく元気に盛り上げる様々な取り組みを行っています。
どうしたら皆が笑顔になってくれるだろう
ーー前田様が「ファイト!九州」プロジェクトに対してどのように関わっているかお伺いしてよろしいでしょうか。
前田)「ファイト!九州」は元々2016年4月に起きた熊本・大分地震の災害復興支援を目的に発足して、工藤監督やホークスの選手による野球教室の開催、地元の熊本の子どもたちを試合観戦に招待、募金活動のような形でCSR活動に特化したプロジェクトとして活動を行ってきました。
震災から5年経った今年、コロナ禍の社会状況も考えて企画を拡大していくことになり、震災復興支援に加えて、九州全体を元気にするという新しいコンセプトを加えて、プロジェクトを刷新しました。
そのタイミングで、企画の戦略部門を担当している私がプロジェクトに加わりました。
ーー2021年から、「夢」にフォーカスを当てることが決まった背景を教えてください。
前田)「どうやったらみんなを元気に笑顔に出来るだろう」ということをまず考えた時に、「元気や笑顔をもらえるのは子どもたちの笑顔だ」という想いが私の中で大きいと感じました。
(C)SoftBank HAWKS
しかし、新型コロナウイルスの影響で、子どもたちがやりたいことに挑戦できなくなってしまっています。そこで、子どもたちの夢を叶えて、その子どもたちの笑顔を広げていって、それを見た大人たちも元気になってもらおうという広がりを大切にしたいと思いました。
そうした経緯で、一番最初にプロジェクトの軸として「あなたの夢を叶えます!」を思いつき、企画の提案を行いました。
ーー「笑顔の花を咲かせよう」というプロジェクトも行われていると伺いました。
前田)「九州を元気にする」を企画の理念として話を進めていく中で、「ひまわりって、見ていると元気が出るよね」と話題に挙がりました。
ひまわりを子どもたちに育ててもらい、その様子をホークスがどんどん発信していく。「笑顔の花を咲かせようプロジェクト!」という名前で「あなたの夢を叶えます!」プロジェクトと並行して行っています。
希望する九州内の小学生、小学校に対してひまわりの種やオリジナルのポスターを送って「ぜひ皆さんで育ててくださいね」という活動になります。
「60年生きてきた中で、一番幸せな日でした」という手紙
ーー「夢を叶えます!」プロジェクトで、印象に残っているエピソードはありますか?
前田)プロジェクトを通して、現時点で2つの夢を実現しました。1つ目が、場内アナウンスに挑戦した子どもの夢を叶える企画が印象に残っています。最初は本当にか細い声でちょっと自信ないような様子で。しかし、テレビ局と連動して、実際にプロのアナウンサーから指導を受けたり、自宅でも全スタメン選手の読む練習を続け、本番では自信を持って大きく、元気な声でアナウンスできるようになっていました。子どもの成長過程、「夢があるからこそ頑張れる姿」を見せてもらいました。
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2つ目は、「おじいちゃんとPayPayドームでバッテリーを組みたい!」という企画です。ここは正直、かなり苦労しました。おじいちゃんの誕生日である、6月12日に企画を実施したいという希望をいただいていましたが、福岡県でも緊急事態宣言が出て、コロナ対策をしながらどのように球場を使って、選手との関わりをもって企画が実現できるかを考えました。
選手が球場入りする前の早朝8時からPayPayドームで企画を開始し、ビジョン映像やDJツバサさんの呼び込みで、公式戦で本当の選手が登場するような演出で盛り上げたり、栗原陵矢選手にハッピーバースデーソングを歌ってもらった動画を準備し、サプライズを行いました。
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「60年生きてきた中で、一番幸せな日でした」とおじいちゃんからお手紙をもらったことが、本当に嬉しかったです。そういった声を聞くと、この企画をやっててよかったなと思います。
選手に受け継がれるCSR活動に対する姿勢
ーーハッピーバースデーソングを歌った栗原選手も含め、選手が積極的に協力してくださっているのが素晴らしいですね!チームとして社会貢献活動を続けて来て、選手の皆様にも変化はありましたか?
前田)ホークスでは、特に工藤監督がCSR活動に非常に熱心に取り組んでいて、それに引っ張られて選手たちも九州唯一の球団として、「自分たちで九州を盛り上げていきたい」と各々感じ、責任感を持って取り組んでいると思います。
元々、ホークスの球団のカラーとして小久保裕紀選手や松中信彦選手などのOB選手からCSR活動に対しての姿勢の系譜が引き継がれてると実感しています。
中村晃選手会長は、乳がん検診や「ピンクリボン運動」に熱心に取り組まれています。中村選手はタカガールデーという女性向けイベントの際に、中心となって乳がん検診の啓発を行い、実際にドームに検診車を呼んで乳がん検診を実施しています。鳥越コーチ(現・千葉ロッテマリーンズ2軍監督)が乳がんで奥さんを亡くされたこともあり、ピンクリボン運動に取り組まれていたことが影響していると思います。
選手から取り組みや想いが代々引き継がれているので、CSR活動に対して、真摯に、熱心に取り組んでいる球団だなというのは私自身スタッフとして関わる中でも、強く感じています。
先輩たちが自らしっかりと考え、取り組みを行っていたので、「自分たちもしっかり考えないといけないんだな」と、現在所属している選手たちにも自然に身についているというのが、ホークスの強みでもあると思います。
ーー選手個人としても何か活動をしている選手の方々が多くいらっしゃるんですね。
前田)また、九州8県にそれぞれアンバサダーを任命して、九州各県の魅力を発信していこうという取り組みも行っています。
先日、選手プロデュースでの九州各県の伝統工芸品コラボグッズを作りました。
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現代において伝統工芸品は大切な文化ではありつつも、新型コロナウイルスの影響を受けて、地元の生産者の方たちも大変な想いをされていると思います。そこで、ファイト!九州アンバサダーグッズを通じて、地元の伝統工芸品を盛り上げていきたいと思っています。
こういう活動を通して、選手自ら九州を盛り上げるために、自分たちに何ができるかを考えて取り組んでくれています。
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ーー今後、「九州を元気にしたい」という想いのもとにどのように活動を広げていきたいですか。
前田)「ファイト!九州」は今年に限らず、これからも継続していくプロジェクトだと思っています。ゴールを設定せずに、プロ野球球団としてある限りはずっと続けていきたいなっていう風に個人的には思っています。継続して広げて、ホークスと言ったら「ファイト!九州」の活動ということが皆さんに広がっていくようにしていきたいです。