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野球のバットと豊かな森林を未来に繋ぐ〜野球界から始まった「樹林活動」〜

野球バットアオダモ

初めまして、石川純と申します。

僕は小さい頃からずっと、プロ野球選手を目指して野球をしてきました。
現在は選手も引退し、会社員として働いていますが、大好きな野球やスポーツを通じて社会に影響を与えたいという想いから、今回記事執筆の機会をいただきました。

プロ野球の試合で球場に響くバットの「カーン!」という乾いた音。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
木製バットは、プロ野球や大学野球などで使用されています。

今回は、野球というスポーツには欠かせない「木製バット」と「森林伐採」の関係性と、野球を愛する人たちの未来に向けた取り組みを取り上げます。

野球大国・日本を悩ませる良質なバットの供給不足

野球が普及して以来、プロ野球やアマチュア野球の発展に伴い、野球大国となった日本ではこれまで多くのバットが生産されてきました。バットに使われている木材には様々な種類がありますが、今回はその中でも最も評価の高い「アオダモ」に焦点を当ててみることにします。

野球のバットに求められるのは「軽くて強靭な木材」であり、アオダモはその条件にピッタリ当てはまるのです。その特性が評価されるとアオダモの伐採は急速に進んでいきました。どんどんその必要性は増していきますが、木が育つのにかなりの年数を要するため、使用量とのサイクルが合わずに枯渇していく懸念が出てきたのです。

アオダモそのものは全国に自生していますが、バット材としては寒さの厳しい北海道産のものに限られてきます。弾力や反発力を備えながらも、軽く強靭な北海道産のアオダモバットは世界に誇れるものであり、あのイチロー選手も愛用していました。

アオダモ_ 野球バット

自然と野球の未来のために発足した「アオダモ資源育成の会」

成長が遅い上にそれまで植林も行われてこなかったアオダモですが、未来のプレーヤーにも世界に誇れるアオダモバットを継承したいという想いから、平成14年に「アオダモ資源育成の会」が発足しました。この団体は、良質なバットを野球界に供給し続けるために、資源を保護するために、自然環境そのものを保全していくために、アオダモの植樹活動を行なっています。北海道庁や各野球団体、スポーツメーカー等もこの活動に協力しています。

他にも北海道の野球少年やボランティアと一緒に苗木を植える活動にも力を入れています。昨年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となりましたが、この活動は今年度2年ぶりに開催される予定です。
植樹賛助金により、北海道にいなくてもアオダモの植樹に貢献するための取り組みもあり、植樹された苗木の前に自分の名前がプレートとして出るそうですよ。

高校野球の聖地・甲子園球場をはじめ、東京ドームや神宮球場といった日本各地のあらゆる野球場にもアオダモの木が植樹されており、野球を観にくるお客さんにとってもアオダモの木を身近に感じてもらえそうですね。
生産地の北海道だけに植樹せず、野球をプレーする球場そのものにも植樹を行うことで、アオダモへの関心が高まるはずです。
植樹記念プレートが設置されている球場一覧はこちらから

植樹だけに留まらない活動

アオダモ資源育成の会では、他にもBAT FOREVER募金」や木製折損バットリサイクルといった活動にも注力しています。

  • 募金商品の購入によってアオダモを育てる運動への参画を募るとともに、自然環境保全啓発運動も手助けする活動
  • 折れた木製バットをリサイクルして木工製品に加工する活動

以上のように様々な団体とも協力しながら、アオダモ育成の趣旨を広めつつ、環境にも貢献できるような取り組みが非常に魅力的です。

100年後のために「今から」自分たちで創る”自然”

野球界で懸念されていた「バット材不足」から始まった樹林活動。

  • 世界に誇れるバット
  • 緑あふれる森林

これらを未来に繋ぐために世代を超えた取り組みが必須でしょう。植樹をしてもすぐに立派な木になるわけではありません。また、良質なバットを安定して供給するためにも「継続」することが大切です。
環境保全においても同じことが言えるはずです。100年後の未来を守るためにも、今を生きている私たちができる取り組みを積極的に行っていきましょう!

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