3分解説

【3分解説】マイクロアグレッションとは?その意味をわかりやすく解説!

『マイクロアグレッション』の意味は、「無意識の偏見や差別によって、悪意なく誰かを傷つけること」です。職場や学校での日常会話で「悪気はないのだろうけど、何か気に障るな」という経験はありませんか?もしかしたらそれは『マイクロアグレッション』かもしれません。例や対処法などを知り、身の回りの『マイクロアグレッション』について考えてみましょう。

「マイクロアグレッション」とは

『マイクロアグレッション』の意味は「無意識の偏見や差別によって、悪意なく誰かを傷つけること」です。
「micro(マイクロ)」は「小さい」、「aggression(アグレッション)」は「他者への攻撃」を意味するように、日常会話でのささいな差別発言がその多くを占めています。

もともとこの言葉は、1970年代にアメリカの精神科医であるチェスター・ピアス氏が、アメリカでのアフリカ系人種に対する日常的な差別のようすを見て提唱したものです。そして次第に、LGBT当事者や女性などさまざまな人や場面で起こる、無意識下でのささいな差別的言動を指す総称となっていきました。近年では知名度を上げ、専門の本などが多く出回っています。

『マイクロアグレッション』の大きな特徴は、「相手を傷つけるつもりはなかった」という本人に悪意がないという点であり、だからこそ不快な思いをした側も指摘しにくい状況にあるのです。これがただの「差別」と区別されている特徴でしょう。

なぜ『マイクロアグレッション』は世界中で起きているのでしょうか。実際の例をもとに、その原因を探ってみましょう。

例えばどんなもの?

『マイクロアグレッション』の背景には、人種や文化、社会に浸透している固定観念を指すステレオタイプなど、自分とは異なるものに対する偏見が隠されています。ここでは、いくつかの例をご紹介します。

人種

  • 「君はとてもユニークで、いい意味で日本人らしくないね」
  • 「ブラジル人だからサッカーが得意かと思っていました」
  • 「元々黒いから、日焼けを気にしなくていいね」(黒人に対して)
  • 「日本語がお上手ですね」(外国人やハーフの人に対して)
  • 黒人男性がエレベータに乗ってきた際、バッグをしっかりと持ち直す

このような言動は、人種に関する『マイクロアグレッション』の一例です。
日本で特に多いのは、外国人やハーフの人に対して「運動神経が良さそう」という偏見です。例に挙げた「ブラジル人はサッカーが上手い」という偏見は、仮に本当にサッカーが上手い場合でも、その人の努力に関わらず「ブラジル人だから」と一括りにされることを不愉快に思う人も少なくありません。
また、「いい意味で○○人らしくない」は褒め言葉のように使われますが、その人が所属する集団(人種)に対する悪口だと捉えることもできるのです。

ジェンダー

  • 店で生ビールを注文すると、無言で男性の前に運ばれる
  • スイーツが好きな男性に対して「女子みたいだね」
  • 女性の医者を看護師だと思い込む
  • 「男子にしては字が綺麗だね」
  • 女性に対して「彼氏は?」、男性に対して「彼女は?」

このような例は、性に関する『マイクロアグレッション』です。「男/女らしさ」という勝手なジェンダー観によって、無意識に誰かを傷つけてはいませんか?また、最後の例はLGBT当事者の多くが経験しており、異性愛を前提とした発言も『マイクロアグレッション』の一つなのです。

その他

  • 目が不自由な人に対して、大きな声で話しかける
  • 「それだけで食事足りるの?」(大柄な人に対して)
  • 「お父さんかお母さんに伝えて下さい」(学校において)

人種やジェンダー以外にも、見た目や障がい者への偏見は多く存在します。最後の例では、母子または父子家庭を想定していないことに加え、両親が当然異性であるという偏見も隠れています。

「マイクロアグレッション」をしないために

『マイクロアグレッション』をしないために、まずはどのような例があるのかを知っておく必要があります。しかし、この記事で取り上げたもの以外にも、無意識な偏見や差別は多く存在します。
そこで、自分のささいな発言に対して3つのポイントで見直してみてください。それは、相手を所属集団に当てはめていないか自文化やジェンダー観に囚われていないか誰かを見下していないか、という3つです。特に最後のポイントで「話し相手を」ではなく「誰かを」としたのは、より広い視点で、より多くの人の立場になって考えてみることが大切だからです。

しかし、このようなポイントを意識していても、悪意なく誰かを傷つけてしまうことがあるでしょう。その場合の謝罪にも注意が必要です。

「もしあなたが傷ついてしまったのなら謝ります」
「悪気はなかったのだけど、誤解を招いてしまったようです」

このような発言は、かえって相手を不愉快にさせる可能性があります。なぜなら、「嫌な思いをさせたことには謝る。しかし主な原因は、あなたの心が弱く、気にしすぎな性格だから」という意味合いを含むからです。自分が『マイクロアグレッション』をしてしまったと気付いた時は、自分の言動について素直に謝ることを心がけたいですね。

編集部より

『マイクロアグレッション』を受けても相手に指摘しにくい、という特徴があることを本文でも紹介しました。しかし、小さな攻撃の積み重ねがあなたに大きなストレスを与えることは確かです。そのため、一つの対処法として “真意を問う” ことを提案します。「どういう意味ですか?」と聞くことで、相手に敵意を見せることなく、自身の言動について振り返る機会を与えることができます。それはあなたにとっても、相手にとっても良い解決策となるでしょう。

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