『フィーカ』とは、甘いものを食べながらコーヒーを飲むというスウェーデンの習慣のこ
とです。スウェーデン語で「fika」という言葉があり、「fika」は英語の「kaffi」(コー
ヒー)からきています。
今回は、フィーカの意味とよく比較される『ヒュッゲ』との違い、日本でのフィーカなどについてわかりやすく説明していきます。
フィーカとは
フィーカとは北欧の国、スウェーデンで発祥した甘いものを食べながらコーヒーを飲むという習慣のことです。ここでスウェーデンがどのような国なのかについて簡単に説明します。
- 正式名:スウェーデン王国
- 首都:ストックホルム
- 人口:約1035万人(2020年現在)
- 面積:450,295km2(日本の約1.2倍)
- 公用語:スウェーデン語
スウェーデンでは、1日のなかでほとんどの人がフィーカの時間を取るといわれていて、1日数回フィーカの時間を取る人が多く、深く生活に根付いた文化であるといえます。
フィーカを1日のなかで何回行うか、その時間に決まりはありませんが、午前10時頃と午後3時頃に時間を設けることが多いとされています。また、1度のフィーカが行われる時間としては15分~30分ほどが多いとされており、日本でいうお茶休憩のような息抜きの意味合いに近いと考えられます。
フィーカをする相手や場所も決まりはなく、家族や友人、恋人、仕事の仲間などと家の中や職場、公園やカフェなどでフィーカの時間を楽しんでいます。
甘いものやコーヒーが苦手な人は、サンドイッチやレモネードなどで代用するなどしてフィーカの時間を楽しんでいます。「甘いものとコーヒー」というよりも、休憩の意味合いの方が大きくなっている部分もあるのかもしれません。
フィーカとヒュッゲの違い
「フィーカ」と比較されるものとして「ヒュッゲ」という言葉があります。
ヒュッゲも「コーヒーで休憩をす」るという意味合いがあり、フィーカと比較されやすいです。
なぜ、フィーカとヒュッゲで名前が分かれているのでしょうか。
それは、ヒュッゲはデンマーク、フィーカはスウェーデンと、元々の発祥が異なる国であったことが理由です。
しかし、内容がまったく同じということではありません。ヒュッゲでは読書や花や絵画を鑑賞することや、散歩やサイクリングなどで太陽の暖かさや風景を見て楽しんだりすることなど、これらすべてがヒュッゲになります。
フィーカは甘いものとコーヒー以外のものも取り入れてはいますが、それでも食べ物と飲み物から外れることはありませんでした。
「フィーカ」と「ヒュッゲ」では、食べ物や飲み物以外での楽しみを含めるかどうかの基準に違いがあるのです。
フィーカ文化
ここでは、スウェーデンの人にとって『フィーカ』とはどのような価値観のなのかについて説明していきます。
フィーカの目的は休む時にはしっかりと休んで、気分をリフレッシュするという事です。そのリフレッシュの方法は、ただ甘いものとコーヒーを飲む事だけではありません。スウェーデンの人はフィーカを通してコミュニケーションを多くとっています。
仕事をしていくなかで上司や先輩・後輩、同僚などに相談したいことが多くあると思います。相談の場としてフィーカを活用するなど、スウェーデンではフィーカの時間で人とコミュニケーションを取り、関係を結んでいくことが多くあります。そのため、スウェーデンの人にとってフィーカは深く根付いた文化であること考えられます。
日本のフィーカ
スウェーデンの『フィーカ』について説明してきましたが、日本でもフィーカを生活に取り入れてみれば、大きな変化が期待できるのではないでしょうか。甘いものやコーヒーが苦手な人であっても、休憩をして気分をリフレッシュするという目的でフィーカを取り入れてみると、コミュニケーションを図れる場としても機能し、仕事においては組織力やチーム力が上がる可能性も見込めます。
堅苦しくなく、フランクな人間関係を築いていくためには、オンラインやSNSだけでなく、フィーカのような対面で落ち着いた雰囲気でコミュニケーションを取ることも重要なのではないでしょうか。