『ドッジボール』と言えば誰もが一度は経験したことがある身近なスポーツ。
その世界大会であるワールドカップがエジプトのカイロで開催され、日本代表が初出場しました。日本では1つのボールを相手に向かって投げ合うイメージがありますが、ワールドカップでは5つのボールを同時に投げ合う「マルチボール」という種目で日本チームは奮闘。改めて知るドッジボールの魅力と、競技としての一面について、わかりやすく解説します。
ドッジボールとは
ドッジボールは、円形または四方形のコートの一つの枠の内外に敵、味方が分かれ、直径20~30センチほどのボールを投げて当て合うスポーツです。日本ドッジボール協会(以下、JDBA)が定めた公式ルールでは、一般男子は内野コートは縦12m×横24m、外野コートは縦22m×横11m、ジャンプボールラインは3mで行います。
ドッジボールは日本独自の“シングルボール”
この記事を読んでくださっている皆さんも、一度は体育館や校庭などでプレーした経験があるのではないでしょうか。サッカーや野球などから、「球技」というと1つのボールを使うイメージが強いと思います。ところがドッジボールでは、1つのボールを投げ合うのは日本発祥のルールで、海外では複数のボールを投げ合うのが主流なのです。
ドッジボールは、世界大会では“マルチボール”
世界の競技ルールでは、選手6人が正面から5個のボールを使って当て合います。
ゲームは1セット3分間。相手チームのメンバーを多く減らしたほうが勝利となり、
前半後半各15分の計30分間で勝利したセット数を競います。内容もかなり激しく、相打ちや複数ボールの1人狙いは常套手段です。
豆知識:ドッジボール or ドッヂボール
ドッジボールはイギリス発祥と言われておりますが、競技の原型は1900年〜1940頃のアメリカとされています。この頃は円形のコートでプレーし、攻撃側の選手はボールを防御する選手に当てて、これを「デッド」としていたため、この頃は「デッドボール」と呼ばれていました。その後、「ドッジ=Dodge(身をかわす)」に改名されています。稀に「ドッヂボール」と表記されることもありますが、“Dodge”の発音と、上述のJDBAの表記もあり、ドッジボールが正しい名称と言えるでしょう。
参考:ドッジボールの歴史(一般財団法人日本ドッジボール協会)
ドッジボールの世界大会「ワールドカップ」
世界ドッジボール協会に加盟する国と地域のチームが参加したのが、ドッジボールワールドカップです。コロナで延期となってた第3回目となる2022年大会は、12月14〜17日の4日間エジプトのカイロで開催されました。
ワールドカップに日本代表が初出場
今大会の出場国は、8の国と地域(エジプト・香港・日本・マレーシア・サウジアラビア・南アフリカ・USA・イングランド)でした。
アジア予選を突破した日本は大会初出場。男子・女子・混合の3カテゴリーに26名の選手が参加しました。
日本代表のワールドカップでの戦績
男子と混合は3位・女子は2位と、3カテゴリーすべてでメダルを獲得し、素晴らしい戦績となりました。
そんな代表選手ですが、誰でも入れるチャンスがあります。JDBAのホームページでは、1次審査として書類審査で熱意とドッジボールに対する考え方を確認、そして通過者は実技審査と面接審査を経て、代表入りを掴むことができます。今回のワールドカップ日本代表メンバーも、15歳の女子中学生から42歳の男性会社員までさまざまな選手が集いました。
ドッジボールで求められる能力と勝つためのコツ
多くの球技と同様、オフェンスとディフェンスでそれぞれコツがあります。
オフェンスでは、しっかり助走をつけ、手の力に頼らず体重移動と全身で投げることを意識しながら、正しいフォームで投げることを意識しましょう。
また、チームスポーツですので、外野も含めた正確かつ早いパス回しで相手の陣形と体勢を崩し、相手が身構えていないところを狙うのがポイントです。
そして、相手のオフェンスがいくら強力でも、当たらなければ負けません。守備力を高めるためにも、フォーメーションを全員が理解することや、相手のボールをかわし続けるスタミナをつけていくのがまずは取り組むべきことになります。
興味を持った人は、どこでプレーできるのか
ここまでの記事を読み、プレーしたい気持ちが出てきた方もいるのではないでしょうか。「ドッジボール メンバー募集」などで検索すると、学生から社会人まで、地域サークル募集掲示板が複数出てきます。まずはそこから参加できそうなチームを探し、体験してみると良いでしょう。
ミカサ(MIKASA) スマイルドッジボール 2号 160g SD20 推奨内圧0.10~0.15(kgf/㎠)