『デミセクシャル(デミセクシュアル)』とは、精神的なつながりを感じる相手に対してのみ、性的な欲求を抱くセクシャリティ(性的指向)のことです。今回はデミセクシャルの特徴やデミセクシャルの抱える悩みについてわかりやすく解説します。
デミセクシャルとは
『デミセクシャル(デミセクシュアル)』とは、精神的なつながりを感じる相手に対してのみ、性的な欲求を抱くセクシャリティ(性的指向)のことです。デミセクシャルは、基本的に他者に対して、性的欲求・性的興味を抱くことはありませんが、強い愛情や深い友情を持った相手などに対して、性的な欲求を抱きます。そのため、「半性愛」とも言われています。
デミセクシャルの特徴
デミセクシャルには、以下のような特徴があります。
- 精神的に強い結びつきを感じられる相手に性的欲求を抱く
デミセクシャルは、性的欲求によって性行為を行うのではなく、「相手とさらに親密になりたい欲求」から性行為に及ぶ場合が多いとされています。 - 初対面や関係性の薄い人への性的欲求や恋愛感情を抱かない
デミセクシャルは、精神的に強い結びつきを大切にするため、初対面や関係性の薄い人への性的欲求は抱くことがなく、一目惚れもしないと言われています。 - 性別にとらわれない場合が多い
デミセクシャルは、精神的な結びつきや信頼関係を重要視するため、相手の外見・職業・性別などにとらわれず、惹かれる場合が多いとされています。
デミセクシャルは普通のこと?
ここまで述べてきたデミセクシャルの特徴を見ると、「関係性を築いてから性行為に進みたいと思うことは普通なのでは?」「自分もデミセクシャルに該当するのでは?」と思われる方もいらっしゃると思います。しかし、デミセクシャルは精神的な強い結びつきがあることを大前提としています。そのため、道端で出った人・クラスメート・同僚・芸能人・有名人などに性的欲求を抱くことができず、そのような点で特異的と言えます。
デミセクシャルが抱える悩み
デミセクシャルは、パートナーとの関係において必ずしも性行為を必要としないため、批判や偏見に悩まされることがあります。デミセクシャルの方々は、「そんなセクシャリティは存在しない」「経験の問題だ」などの周囲の批判や偏見から、「性行為なしでは誰も自分とデートをする機会を設けてくれない」と悩み、苦しむ原因になることもあります。
また、デミセクシュルを「禁欲主義」「独身主義」と同様に考えることは誤りです。禁欲主義や独身主義は、本人の意志による「選択」であるのに対して、デミセクシャルは、その人に元より備わっている性質によるものです。
人の性的指向は多様にあります。自分一人の価値観や偏見で判断せず、相手の価値観に寄り添うことを意識しましょう。