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ヴァンフォーレだからできるCO2削減!~2004年からつづく「エコスタジアムプロジェクト」〜

ヴァンフォーレ甲府が2004年から取り組む「エコスタジアムプロジェクト」。
繰り返し利用できる「リユース食器」を活用することによって、2004~2020シーズンまでに、なんと76.4トン(スギの木5,456本が1年間で吸収する量)のCO2を削減することができたといいます!
新型コロナウイルスの感染拡大の影響による「逆風」を受けながらも取り組みを続けるクラブの想いを、SDGs推進担当の佐々木大喜さん(以下:佐々木)に伺いました。

溢れるほどのゴミ「このままじゃいけない」

ーー『小瀬エコスタジアムプロジェクト』について簡単に教えてください。

佐々木)『エコスタジアムプロジェクト』は、スタジアムの飲食売店で、使い捨て食器の代わりにリユース食器を利用してもらい、ゴミの削減につなげようという取り組みです。
他にも、スタジアム外に「エコブース」を設置して環境への教育・啓発活動を行うなど、環境に優しいエコなスタジアムにすることを目標に活動しています。

――どのような経緯で、このプロジェクトを始めることになったのですか?

佐々木)2000年のクラブの経営危機があり、多くの応援をもらいながらなんとか立ち直ることができました。スタジアムに来場してくれるお客さんが増えたことは嬉しかった一方で、試合後には溢れるほどのゴミがありました。
この状況を目の当たりにしたとき、「このままじゃいけない」「ゴミを削減させなけばならない」と対策の必要性を感じたことが取り組みのきっかけです。

実際に捨てられているゴミの種類を調べたところ、使い捨て食器のゴミが非常に多かったことが分かり、まずは飲食売店から出されるゴミを減らすことを考えました。
最初は、どう取り組んでいくべきか全くわからない、いわゆる“素人状態”でしたが、NPO法人「スペースふう」さんやユニフォームスポンサー「はくばく」さんの力を借りながら、2004年から活動を始めました。

「ヴァンフォーレにしかできない取り組み」

ーープロジェクトを始めたときには、飲食売店やお客さんからはどのような反応がありましたか?

佐々木)リユース食器をきちんと回収して次につなげるために、商品の購入時に通常料金に+100円お支払いいただき、リユース食器の回収時に100円をお返しする「デポジット(預かり金)制度」を採用しました。
100円は「預かり金」で、リユース食器返却時にはお返ししますが、取り組みが始まった直後は「値上げ」だと感じられる方もいて、皆さんが慣れるまでには時間を要しました。

また、それまで紙コップなどを使用していた飲食売店さんには、大きな苦労をかけました。リユース食器を導入することで、お金の部分や運用の部分で相当な手間が増えたはずです。導入当初はポジティブな意見だけではなかったと当時の担当者から聞いています。

――多くの「手間」がある取り組みなのですね。

佐々木)コストの面でも、1個5円ほどで仕入れることができる紙コップに比べ、リユース食器は1個26円かかります。さらに、エコステーションで回収する費用などを考えると非常にコストがかかるプロジェクトです。

他のクラブでも導入したいという声があるそうですが、なかなか簡単ではないという話をよく聞きます。この活動は、コストの面でパートナー企業さんにご協力をいただいたり、飲食売店の方々も手間を負担していただけるなど、クラブに関わる多くの方々が、それぞれの立場で協力いただきながら活動できている事業です。ヴァンフォーレ甲府の強みで、ヴァンフォーレ甲府オリジナルの活動になっているのではないかと思います。

「幅広い世代を動かす存在になれたら」

――ヴァンフォーレの試合というスポーツイベントの中でこのプロジェクトをする意義をどう感じていますか?

佐々木)私たちはプロサッカークラブで、スタジアムには小さい子からお年寄りまで多くの方々が試合に足を運んでくださっています。そのため、幅広い世代に発信できるという点が非常に大きな意義だと感じています。
コロナ禍になる前は、スタジアムの電光掲示板で、「前のホームゲームではリユース食器を使ったことにより、◯◯個分の使い捨て食器を削減することができた」「それは〇〇本の杉の木が1年間に吸収するCO2になります」というアピールを行っていました。

自分たちだけで取り組みを行っても大きなインパクト残すことはできないですが、自分たちの発信によって多くの方々を動かす存在になれれば良いかなと思うので、これからも活動を続けていきたいです

コロナ禍で逆風「新たな一歩 踏み出さなければ」

ーー昨シーズンからは、新型コロナウイルスの流行がありました。この取り組みに影響はありましたか?

佐々木)新型コロナウイルスが流行し始めた当初は、ペットボトルでしか販売ができず、リユース食器を使うことができない時期がありました。また、リユース食器に飛沫が入ることを懸念し、嫌がられるお客さんも少なからずいたのも事実です。

リユース食器は使用後、綺麗に洗浄し熱殺菌までしているため、安全な状態であることは間違いありませんが、使い捨てではないことが理由で嫌がる方もいて、マイナスの風が吹いてしまったかなと思っています。

ーーコロナ禍でいままでの考え方が変わってきているのですね。

佐々木)ここまで積み上げてきた取り組みですが、新たな一歩踏み出さなければならないタイミングがきたのかなと感じています。
リユース食器の取り組みは20年近くやってきている事業で、時代の流れとともに新しいことにチャレンジしていかなければいけないなと常に感じていました。
ハードルが高いのは事実ですが、新しいことにチャレンジをしていきながら活動していきたいなと思ってます。

ーーコロナ禍で大変だとは思いますが、頑張ってください。
ありがとうございました!

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