スポーツ

【シャレン!アウォーズ直前特集】 「シャレン!」ってなに?Jリーグに聞いてみた!

シャレン

3月1日から「2022 Jリーグ シャレン!アウォーズ」の一般投票が始まります。

シャレン!アウォーズ直前特集・第一弾となる今回は、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)社会連携部 部長 鈴木順氏(以下、鈴木)にお話を伺います。
改めて、シャレン!とは何か、そして今年のアウォーズへの期待について伺いました。
(聞き手:株式会社HAMONZ 柳井)

シャレン!とは、社会連携活動の略称で、社会課題や共通のテーマ(教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など)に、地域の人・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などとJリーグ・Jクラブが連携して、取り組む活動です。

シャレン!による呼びかけが課題解決に繋がる

ーーシャレン!という言葉の認知度は広がっている一方で、具体的な取り組みのイメージができていない方もいるように感じます。鈴木さんはシャレン!について説明する時にどのようにお話されていますか?

鈴木)そうですね。先日あるシンポジウムでお話したのですが、「この指止まれ」という表現が近いのかなと思っています。「地域や社会にある課題を一緒に解決しよう!」という呼びかけをスポーツ界から行うことで、いろいろな人を巻き込むことができる。「これやりたいんだけど、この指止まってくれる人いませんか?」みたいな感じですね。

ーー「リーグやクラブが、地域・社会に発信して呼びかける」。そんなイメージでしょうか?

鈴木)Jリーグのシャレン!とは言いますが、自治会や商店会の方々から発信をして、そこにリーグやクラブが参加することもあります。いい意味で「シャレン!=Jリーグのもの」のようなイメージがなくなってくれると良いなと思っています。

ーー必ずしも発信元がJクラブである必要はないということですね。

鈴木)そうですね。ただ、いきなりそうなることも難しいと思うので、まずはJリーグやJクラブが主体となってやることが多いと思います。そうした活動を通していろいろな方を巻き込むことができれば、時間の経過とともにシャレン!のような地域課題解決の活動が広がっていくのではないかと思っています。

ーー「シャレン!」という言葉を使い始めて数年が経ちますが、言葉としてリーグから示されたことの意義はどのようなところに感じてますか?

鈴木)1つの基準を示すことで、各クラブスタッフが体系立って考えられるようになったこと、新たな人と関わりを持てたこと、お金が循環し始めたことなどが徐々に出始めてきているなと思いますね。

ーーSDGsという言葉が普及したのも同じタイミングでしたね。

鈴木)そうですね。SDGsは2015年から、シャレン!は2018年からなので同時期ですよね。シャレン!はSDGsがきっかけではないんですけれども、結果的にうまく並走している感じはします。

シャレン!アウォーズ

2022シャレン!アウォーズのHPはコチラ

大事なのは課題の『磨き上げ』

ーー社会連携はJリーグ以外にもさまざまなところで行われています。Jクラブと連携する利点はどういったところにあると思いますか?

鈴木)『発信力』や『メディアバリューがある』という点と、1つのコネクターとしてわかりやすい点ではないかと思っています。スポーツなどのエンターテイメントは楽しくポジティブなフィールドだと思うので、Jクラブと組むことで社会課題や地域課題を明るくかつ近い距離感で行う・発信することができるようになると思っています。
自治体や企業、地域住民の方との接点において、Jクラブはハブになることができます。各チームには何百というパートナー企業様がいらっしゃいますし、ホームタウンの自治体の方々とも繋がっています。また、地域住民の方々とはクラブを共に応援することで接点を持つことができます。なので、周りの人たちを繋げて仲間にしていく装置としてはJリーグやBリーグなどのスポーツ団体はとても使いやすいんだろうなと思います。

ーーシャレン!のコンセプトを打ち出してから約4年。進めていくなかでうまくいかない点はありますか?

鈴木)シャレン!は「共通のテーマかつ三者以上の協働」という理念を掲げています。ですが、“三者以上”だけを切り取って数を揃えても、関わる人たちの共通の『課題』を磨き上げないと、ふわっとしてしまうこともあります。「スタジアム集客を狙ってるんじゃないの?」というような見え方になってしまうと、周囲の共感は生まれません。そこには気をつけなくてはいけないと思っています。
ただ、シャレン!活動を通してファン・サポーターになるまでの時間軸は、チケット売上(試合観戦)などわかりやすいものと比較すると非常に長くなりますし、企業側のメリットもすぐにはあらわれない部分があります。なので、共通課題の解決とリーグや企業側のビジョンをうまく合わせて進めて行く必要があると思います。

ーーそもそも「地域課題の解決のために三者で連携する」ということなので、1つの企業やクラブの課題解決のための連携はシャレン!には当たらないということですよね。

鈴木)みんなで活動すれば地域の方々から協働しているクラブや企業、自治体のことをポジティブに見ていただけます。ですが、みんながみんな自分たちの方に利益を取ろう、メリットを出そうとすると、なかなか共感は生まれにくくなります。ある意味での我慢強さは必要だと感じています。

ーーシャレン!アウォーズにエントリーしているクラブの活動も、「どのような地域課題の解決をしているのかな?」という視点で見ることができると、さらに共感できるかもしれないですよね。

鈴木)そうですね。協働者や自治体の方々の想いなどをクラブと同じような目線で見ていただくと、より面白いし深みも出てくるかなと思います。

共感がもっと広がっていくよう、地道に一歩ずつ

ーー今後、シャレン!はどのように広がっていくことが理想なのでしょうか?

鈴木)そうですね。もっと気軽に使えるツールになりたいというのと、10年後ぐらいにはシャレン!という言葉が当たり前になってくれるといいなと思ってます。先日、大学で開催されたシンポジウムに出席したのですが、休日には大学の門が半分閉まっていました。いい立地なのに、もったいないなあと思って。地域の方に解放したら学生と地域の関わりが増えていくと思っています。地域と連携する機会があまりないという方々にも、シャレン!に取り組む方の想いに触れることで共感を生むことができるようになったらいいなと考えています。

ーーシャレン!は各クラブでの活動が主になりますが、リーグの立場としてはどのように働きかけていくのでしょうか?

鈴木)クラブのある地域に行ってそのクラブスタッフが何を思っているのかを知り、一緒に街に出るような機会をどんどん増やしたいです。いろいろな所でいろいろな人と話し、地域を知れば共通の会話ができます。そうしたことを肌で感じながら活動していきたいです。ホームタウン活動に関しては、今までJリーグが立ち上がって30年、地道に一歩一歩やってきたものです。シャレン!の本質を一人でも多くの人に「いいね」と思ってもらえるように、「自分もやりたいな」と思う人を増やしていけるように、地道にやっていきたいと思っています。
リーグ、クラブは「僕らは皆さんと同じ地域住民です」という感覚です。言葉だけで分かっていただくこともあれば、一緒に汗を流してドロドロになってやることで気づいてくださる方もいらっしゃるので、より多くの活動を共にしていくことが大事だと思っています。

ーー最後に、2022年のシャレン!アウォーズに期待することはなんでしょうか?

鈴木)今年でアウォーズは3年目なのですが、メンバーの努力もあって良いものに仕上がってきています。みなさんには、時間がかかってもいいので「58クラブのシャレン!活動全部を見ていただきたいな」と思っています。(笑)
あとは、良いことも悪いことも含めて「周りの人と会話していただくネタにして欲しい」と思います。ファン・サポーターだけではなく、自治体の方、企業の方、サッカーに興味のない地域の方々にも是非見ていただいて、それをネタに会話をしてもらえるような機会がそれぞれのホームタウンで増えてくれることを期待しています。たくさん広がってくれると嬉しいです!

ーーありがとうございました!

シャレン!アウォーズ

2022シャレン!アウォーズのHPはコチラ

session6
【見どころ紹介!】Session.6「もう一度聞きたい。Jリーグはなぜシャレン!を始めたのか」#SfSサミット12月17日(金)~12月19日(日)にかけて行われる、スポーツ×社会貢献のオンラインイベント「Sports for Social Summit2021」。その見どころをセッション毎に紹介していきます! ◆Session.6概要 12月18日(土)11:00~11:45 タイトル「もう一度聞きたい。Jリーグはなぜシャレン!を始めたのか」 登壇者:鈴木 順(公益社団法人日本プロサッカーリーグ 直轄室統括本部・室長)     山﨑 蓮(株式会社HAMONZ 代表取締役CEO)...
ソナエルを始めた理由~Jリーグ・シャレン!ソナエル東海~『備えるを、楽しもう』のコンセプトで、防災力向上に取り組む『ソナエル東海』。Jリーグのシャレン!の取り組みの1つとして発足してから1年経った今年、全国規模で『ソナエルJapan杯』が始まりました。 防災を軸に活動を行う背景、想いについて、ソナエル東海発足当初から活動をサポートする大多和亮介さん(以下、大多和)、ヤフー株式会社SR推進統括本部CSR推進室災害チームの安田健志さん(以下、安田)にお話を伺いました。...