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ボッチャの楽しさを全国へ〜NECボッチャ部の取り組みはどのように始まり、広がっていったのか<前編>

NECは、「世界中の誰もが人間性を十分に発揮できる豊かな社会、ダイバーシティの実現」を目指し、パラスポーツの普及・発展に向けた活動を推進している企業です。

障がいの有無関係なく誰もが一緒に、そして、簡単にできるパラスポーツである「ボッチャ」の普及・発展に向けた取り組みについて、NECボッチャ部のメンバーの皆さんにお話を伺いました。

ボッチャとは、ヨーロッパ生まれのパラリンピック正式種目です。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競います。老若男女、障がいのあるなしにかかわらず、すべての人が一緒にプレーし、楽しめるスポーツです。

参考:一般社団法人 日本ボッチャ協会「ボッチャについて」
https://japan-boccia.com/about

今回はNECボッチャ部のメンバーである、田村さん、荻野さん、高木さん、野津さん、大庭さん、山本さんにお話を伺いました。

「すぐ仲良くなれる」「面白くて奥深い」ボッチャの魅力

ーーはじめに、NECボッチャ部が始まったきっかけや、皆さんとボッチャの出会いを教えてください。

荻野)2016年のリオパラリンピックが終わって、日本代表の火ノ玉ジャパンが銀メダルを獲得し、メディアに取り上げられていたことで「ボッチャって、面白そうだね」という話になりました。私は東京オリンピック・パラリンピック推進本部(以下、「東京OP推本」)という部署にいたこともあり、ボッチャの情報も耳にしていたので、まずは試しに部署で実際にやってみることにしたのがきっかけです。

その後、会社の部活の制度を使って2017年4月に部活動に申請し、NECボッチャ部が設立されました。

大庭)私は、ボッチャとの出会いは、仕事の中でした。「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会」の中で、「ボッチャ東京カップに出ませんか?」という話をいただきました。

そこで初めて、「ボッチャ」という競技を知って、みんなで練習して参加したというのがキッカケです。実際にやってみると楽しくて、様々な企業が集まってプレーしてもすごく盛り上がる。ボッチャの魅力を知り、社内でボッチャ部を立ち上げていこう、という流れになりました。

参考:「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会」
https://kyougikai2020.jp/

荻野)ボッチャを実際やってみると、初めましての人でも昔から知り合いだったんじゃないかってくらい仲良くなる、という凄さを感じました。障がいのある人・ない人、小さいお子さんからお年寄りまでとよく言いますが、まさに文字通りそう感じました。すぐ仲良くなれるし、面白くて奥深いね、とみんなハマっていきました。

「私たちがなぜボッチャをやるのか」を決めたことで、活動が加速

ーー実際にボッチャをやってみた方の「ボッチャって楽しい、面白い」という想いから、雪だるま式に人が集まってきて、ボッチャ部設立に至ったのですね。

田村)私が参加したのは、2017年7月でした。社内報メールで「ボッチャ部体験会来てください」というお知らせをたまたま見て、初めてボッチャをやりました。

大庭)「東京OP推本から全社を巻き込もう!」という時期だったのですが、ちょうど毎年7月はNEC創立記念日があり、そこでボッチャ体験会を開催する企画が通りました。全社に発信した結果、多くの社員がボッチャ体験会に参加してくれました。

高木)私は、トヨタ自動車さんの夜飲みながらボッチャをやるという「ボッチャBar」企画の話をたまたま耳にして、「行きたい!」と申し出たのがボッチャとの出会いでした。私は東京OP推本ではないのでボッチャ部にどんなメンバーが参加しているのかもあまりわかっていなかったのですが、とある日に本社を訪れた際に、「ボッチャ部作るらしいよー」って話を聞き、入部しました。

私は勤務が玉川事業場なので、玉川事業場でも広めたり、自分の活動の中にボッチャを入れたい、ボッチャ人口を増やしたいと思っています。NECの社員には「ボッチャって何?」と誰にも言わせない!という熱意があります。

ーー高木さんのように「ボッチャを広めたい!」という想いを‟自分ゴト化”されているメンバーが多いと感じています。‟自分ゴト化”されているメンバーが多いのはどういうところが理由なんでしょう?

高木)最初は「とにかくボッチャをやって楽しもう!」という想いでした。その後、ボッチャ部の目標を考えたときに、<私たちが何でボッチャをやるのか>というところをきちんと決めたんですよね。自分たちだけが楽しむだけではなく、「ボッチャを広めるためには?」と考えた時に、中に広げる・外に広げるなど、様々なチャネルがあるということを明確にしました。

明確化したことで、ボッチャ部として何をするべきか、ということがわかり、メンバーの方向性がひとつになりました。バラバラになりがちな部活動ですが、こうやって方針を決めて進めたことによって、みんなが同じ方向を向いて活動ができていることが秘訣なのではないかと思います。

ーーなるほど!方向性を明確化されたとのことですが、いつもどういったタイミングで作戦会議をされているのですか?

荻野)ここがNECボッチャ部のすごいなって思うところなんですが、戦略をもってこれをやろうと会議をしていくというよりは、みんなそれぞれが想いをもって好き勝手自分から取り組んでいることがありすぎるんですよね。だからこそ方針を決めようという話がでたわけなんですが。
いつも、会議らしい会議ってあまりやってないんです(笑)

山本)うん、ミーティングはしたことないなあ。

大庭)アイデアや「どうしよう?」ということがあれば、直接会話をしたり、チャットでのやりとりの中で決めています。議題をもってきて会議で話し合うというよりは、気になることや話したいことについては常にやりとりをして、簡単なコミュニケーションの中で決めています。だからどんどん前に進めているのかなあと思います。

高木)ボッチャ部LINEは、盛り上がる時には気づいたら未読100件とかになっちゃっています(笑)

転機となった2019年ボッチャ東京カップ

ーーなるほど!ありがとうございます。そのようにしてどんどん社内外に広がっていったボッチャ部ですが、「ボッチャといえばNEC」という印象が広まったキッカケを教えてください。

大庭)間違いなく2019年3月9日に開催されたボッチャ東京カップですね。その当時はまだNECはボッチャの世界では無名で、対戦相手にも、NECの情報が耳に入っていなかったくらいでした。この大会を機に「ボッチャといえばNEC」になったと思います。

野津)この時、なんと、火ノ玉JAPAN(日本代表)と対戦させていただき、準決勝でチームBに勝利、決勝ではチームAに敗退、結果は準優勝。負けて悔しかったけれど、色々な人にコメントをもらえたし、モチベーションも上がりました。

山本)ボッチャって、単純に白のボールに近づければいい、というだけでなく、日本代表レベルになると奥深い部分がたくさんある競技なんですよね。真剣に取り組むと選手の気持ちや奥深い部分がわかりました。単なる遊びのような感覚ではなく、「大会に優勝します!」と取り組んでいた私たちを見て、「それだけボッチャを真剣にやっている人たちなんですね」と関係者さんに言われた時は嬉しかったですね。

大庭)大会に出ることではなく、優勝することで本気度を見せるって感じですね!

ーー楽しい面と真剣に取り組み優勝を目指す面の両軸を見せることが、ボッチャ部の魅力が社内外に広まったんですね。社内でボッチャ大会を始めた時、社員の方からはどんな反響がありましたか?

荻野)社内のボッチャ大会は、2017年頃は本社だけで実施していたのですが、ボッチャ部のメンバーが関東近郊から始め、支社・支店に広がっていきました。そして、NECグループ全国ボッチャ大会で、全国に広がったという形ですね。

山本)このNECグループ全国ボッチャ大会は、日本全国で予選会をして、最終的には玉川事業場の大きな体育館にて、全国各地から集まってきた予選会優勝チームの決勝大会をしたんです。この大会を通してボッチャというキーワードがNECグループの中でメジャーになったように思います。

野津)ボッチャの認知度が高まって、道具はゲットしたもののルールはまだわからない…というような状況が社内で見られるのですが、それぞれにボッチャ部メンバーが社内コンサルのような形で説明をしたりしています。

高木)各部署主催のボッチャ懇親会も、ボッチャの認知が広がる良いきっかけだったなと思います。私は、「ボッチャをコミュニケーションツールとして活用しませんか?」と、社内部署へ投げかけてコンサルをしていました。実施してみて楽しかったと言ってくれた人たちから「会社のキックオフのあとの懇親会とかもボッチャ大会にしたい」と言われ、お手伝いしたりとか。社員にボッチャを知ってもらう、実際にやってもらういいきっかけだったなぁと思っています。

NECボッチャ部は、どのような人が多いのか?

ーーボッチャ部が社内へもたらした影響の大きさが伝わってくるエピソードですね!ボッチャ部の中でも中心的に活動しているメンバーの皆さんは、一言でいうとどんな人たちなのでしょう?

山本)「みんな好き勝手やる人たち」ですかね。それがいい意味で広がりを生んでいるんだと思います。

高木)変わってる人が多いかもしれませんね。

ーー自分たちで何か作りあげていくことが好きな人、新しいことを始めるのが好きな人が多いのかもしれないですね。

野津)声をかけると、手を挙げてやる人が多い印象ですね。たとえばボランティアの話が出たときに「やりませんか?」とメッセージを送るとみんな立候補してくれます。ボッチャ愛に溢れた人が、献身的・自律的にやってる。

荻野)ボランティア精神の高い人が多いなというのはすごく感じています。イベントで体験会を実施するときも、メッセージを送ったら即座に返事をしてくれる。ボッチャが好きで、何かイベントがあれば参加しよう、ボッチャを広めよう、と思っている人が多いですね。もともと皆さんボッチャに限らず、色んなスポーツ大会のボランティアに参加されてる印象があります。

編集部より

取材中もボッチャという競技を通して深まった絆を会話の一つ一つに感じられました。後編では、ボッチャ部のこれからの目標について伺います。

「本気で、楽しむ」が広げるボッチャの輪〜NECボッチャ部が目指す未来とは<後編>障がいの有無関係なく誰もが一緒に、そして、簡単にできるパラスポーツである「ボッチャ」の普及・発展に向けた取り組みについて、NECボッチャ部のメンバーである、田村さん、荻野さん、高木さん、野津さん、大庭さん、山本さんにお話を伺いました。 ...
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