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「カーボン・オフセット」を実現する!滋賀レイクスターズによる『環境保全』へのきっかけづくり

滋賀レイクスターズ

滋賀レイクスターズ(以下レイクスターズ)は、2021年度からレイクスターズ版のSDGs活動である「L-STARs COMMITMENT」(以下L-STARs)に取り組んでいます。2008年クラブ設立以降続けている滋賀県での地域貢献活動から活動を拡大し、SDGs達成のための活動としてスタートしました。

滋賀レイクスターズ
「地域の人たちにもわかりやすく」滋賀レイクスターズが取り組む「L-STARs」バスケットボールBリーグ・滋賀レイクスターズは、これまで取り組んできた地域貢献・社会貢献活動を拡大・再整理した独自のSDGsプログラム「L-STARs」に取り組んでいます。澤井取締役(以下、澤井)、育成・アカデミー担当の井上さん(以下、井上)の話からは、いままで当たり前のように「継続」してきた活動の価値と、「未来」を見据えたクラブの方針を伺うことができました。...

L-STARsの重点領域の1つでもある『CO2削減』。3/5-6のホームゲームでは『村田製作所@滋賀 presents BIWAKO ECO FRIENDLY GAMES』と題し、クリーンウォークの実施や、カーボンオフセットの取り組みを知ってもらうためのエコバッグの配布、廃油の回収などに取り組みました。

今回は、「L-STARs」の大きな活動の一つである「カーボン・オフセット」と、琵琶湖の清掃活動「クリーンウォーク」について、担当者である熊田さんと石川さんにお話を伺いました。

熊田さん、石川さん※撮影時のみマスクを外して撮影。 滋賀レイクスターズの熊田さん、石川さん(写真提供:滋賀レイクスターズ)

滋賀県版の「カーボン・オフセット」とは

ーー2021年10月に発表された「びわ湖カーボンクレジットによるカーボン・オフセット(CO2排出実質ゼロ)」について教えていただけますか。

熊田)「びわ湖カーボンクレジット」というのは、「J-クレジット制度」による「カーボン・オフセット」の滋賀バージョンです。

ーー「J-クレジット制度によるカーボン・オフセット」とは、排出されるCO2などの温室効果ガス量を、カーボンクレジットを購入することで埋め合わせするという考え方ですよね。滋賀レイクスターズではどのように導入されているのでしょうか。

熊田)まず、滋賀レイクスターズ版SDGsプロジェクトである「L-STARs」という活動があり、私は「試合会場のCO2削減」を担当しています。試合会場でなんとかCO2削減できないか、と取り組む中で、エンタメ要素もあるバスケットボールの試合では電気の使用は避けられない部分もあります。そこに対して何か対策はないか、と考えたときに、今回そのひとつの取り組みとして「J-クレジット」を購入し、カーボン・オフセットを実施しました。

ーー試合会場ではどのくらいCO2が排出されるのでしょうか。

熊田)昨シーズンの試合では、電気使用によるCO2排出量は11t超でした。ですので、このシーズンはCO2排出量12t分に相当するクレジットを購入しました。この数字は、約1日に1,500世帯から排出されているCO2量にあたり、クレジットを購入した分は、滋賀県の森林などへの活動に使われ、この活動を行うことで試合会場でのCO2排出の実質ゼロを実現しました。

ただ、「びわ湖カーボンクレジット」を購入したからと言って試合会場でのCO2削減は継続して実施していかなければなりません。グッズ販売時に使用していた袋をプラスチックのものから紙に変更し、かつ有料にするなど、そちらも徐々にではありますが取り組んでいます。

滋賀レイクスターズ※撮影時のみマスクを外して撮影。
びわ湖カーボンクレジット購入記念証授与式
(左から)滋賀レイクスターズの釜渕社長、柏倉キャプテン、金勝生産森林組合の澤さん、千代さん、坂口さん

チーム全体で実施していく意味がある

ーースポーツクラブがカーボンクレジットの購入をするということは、なかなか珍しい取り組みですよね。どのような経緯で購入に至ったのでしょうか。

熊田)「L-STARs」としてCO2削減に取り組むため、目標を「緑化促進」「プラゴミをなくす」「自動車利用を抑える」「地産地消」「効率的なエネルギーの利用」の5つの項目に絞りました。その中でも、「緑化推進」について、試合会場での募金活動なども考えていましたが、滋賀県と相談する中で「びわ湖カーボンクレジット」を購入することで、金勝生産森林組合による琵琶湖周辺の緑化につながるとのご提案をいただき、ファンにも伝わりやすいと考え、取り組むことに決めました。

ーーなるほど。『緑化促進』に繋がるという点も、このびわ湖カーボンクレジット購入の意義あるのですね。
このカーボンオフセットの取り組みについて、ファンの方の反応はいかがですか?

熊田)ファンの方に向けては、段階的に発表することでみなさんに興味を持っていただけるように工夫しました。まず、2021年10月1日にカーボン・オフセットについて取り組むというリリースをしました。その後、2022年2月18日に『びわ湖カーボンクレジット購入の授与式』があり、チームを代表してキャプテンの柏倉選手が出席しました。そして、2022年3月5日、6日に行われた試合で滋賀県にノベルティを配布してもらうなど、段階的に発表をしていくことでファンの皆さまにも興味を持ってもらえたかなと思っています。

ーーこれがきっかけでファンの方の意識も変わっていったら素敵ですね。

レイクスターズ写真提供:滋賀レイクスターズ

ファンが選手をそっちのけ!?「クリーンウォーク」とは

ーー「クリーンウォーク」について教えてください。

石川)「クリーンウォーク」とは、琵琶湖の環境保全のためウォーキングで健康を増進しながら琵琶湖のゴミ拾いをする活動です。2022年3月5日に「クリーンウォーク」を実施し、105人の方に参加いただいた結果、シーズン目標である琵琶湖3周(600km)を達成しました!今シーズンはまだ開催予定があるので、琵琶湖を何周できるか楽しみにしています。(笑)

ーー目標達成はすごいですね!シーズン途中、早めの達成なのではないですか?

石川)とても早いと思います。「L-STARs」を掲げてから、ファンの方は選手が参加している、いないに関わらず「クリーンウォーク」に参加してくださっていますし、予想以上にファンの方の協力が大きいからではないかなと思います。ありがたいです。

ーー「クリーンウォーク」は、ファンの方にとってどういったイベントになってるのでしょうか。

石川)初めは、選手と一緒に活動できるという点が魅力で参加してくださいます。しかし、選手そっちのけで清掃活動しているような方もいるのも事実です(笑)。今シーズンのすべてのクリーンウォークに参加されている方は、選手と話すことも目を合わせることもなく、黙々と清掃活動をされているくらい、文化として少しずつ根付いてきて、滋賀県内の人にとって環境保全活動へのきっかけになれているのではないかと思います。

ーーおもしろいですね。「選手に会う」ことが楽しみだった清掃活動が、目的に変わっているんですね。単発ではなく、何度も続けてきた成果を感じます。

クリーンウォーククリーンウォークの様子(写真提供:滋賀レイクスターズ)

琵琶湖というシンボル

ーー『琵琶湖をきれいにする』ことへの想いはありますか?

石川)琵琶湖は滋賀県のシンボルだと思っています。そして、私たちレイクスターズも滋賀県のシンボルのような存在になりたいと思っています。ですので、私たちが滋賀県の象徴を綺麗にしないわけにはいかないという責任感があります。

ーーごみの量という目標は達成しましたし、定着もしてきている中で、今後はどのような目標に向かってクリーンウォークは進んでいくのでしょうか?

石川)距離や量という目標に加えて、今後は「しっかりゴミを捨てる」という段階に踏み込んでいきたいと思っています。ゴミを拾ったら分別まで正しく行うことを考えていきたいです。また、ゴミを拾う人がいるということは、ゴミを捨てる人がいるということなので、ゴミを捨てない文化づくりができたらいいなと思います。

ーーこのクリーンウォークを続けてきて、『ゴミを拾う』という行為が定着したからこその次のステップですね。

滋賀レイクスターズが取り組む「これから」

ーー「L-STARs」全体として、これからの目標を教えてください!

石川)私たちはとても多くのスポンサー企業やファンの方に応援いただいて成り立っています。それに応えるためには、バスケのプレーで元気を届けるというだけではなく、しっかり地域に還元できる仕組みが重要だと思っています。レイクスターズだけでは活動に限界があるので、ファンの方々やスポンサーさんと協力しながら、地域貢献活動に取り組むきっかけを作っていきたいと思っています。

熊田)私たちのチームがやっていることは、どのスポーツチームでもできることだと思います。ですので、今後、日本や世界で同じような活動が広がっていくことが最終的な目標です。その目標に向けて、我々ができることに取り組み、発信していくことが大事だと思っています!

ーーありがとうございました!

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