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【NTTドコモレッドハリケーンズ大阪】長期療養児のチームメイトと目指すもの

Being ALIVE Japanが行う『TEAMMATES』活動。長期療養児が“青春”を得るため、スポーツチームの一員として入団し、定期的に練習や試合等のチーム活動に参加する活動のことで、JリーグやBリーグ、学生野球などで行われています。

BeingALIVEJapan
「長期療養の子どもたちに、スポーツを通じて“青春”を」~Being ALIVE Japan・北野華子代表インタビュー全国に約25万人、小児がんや腎臓病・糖尿病など、長期的に治療・療養が必要な『長期療養児』といわれる子どもたちがいるのをご存じですか? ...

ラグビー・リーグONEに所属するNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、レッドハリケーンズ)では、このTEAMMATES活動として、当時7歳の楠本陸人くんと2021年3月から一緒に活動しています。レッドハリケーンズが長期療養児に「経験をさせる」というだけの形では全くない、チームのフィロソフィーに通ずる『相乗効果』がそこには存在しています。
クラブGMの下沖正博さん(以下、下沖)、プロモーションや普及を担当している久内崇史さん(以下、久内)にお話を伺いました。

レッドハリケーンズでのTEAMMATES活動

ーーレッドハリケーンズさんでは、2021年3月に、楠本陸人くんの受け入れを発表しました。どのような活動をしているのですか?

下沖)昨年、Being ALIVE JapanさんのTEAMMATES事業に参画をしました。受け入れてからは、まさに我々の『チームの一員』として活動を定期的に行い、1か月に1~2回程度、練習グラウンドや試合会場に来て、チーム活動のお手伝いやチームの一員として活動をしてくれています。
陸人自身のファンもついてるいるくらい、チームの中ではすごく大きな存在になりつつあって、ファンレターをいただくこともあります。チームの中でも影響力は非常に大きい選手です。

陸人くん入団会見楠本陸人くん 入団会見時

ーーファンレターはすごいですね!TEAMMATES事業に参画しようと思ったきっかけは何なのでしょうか?

下沖)私が3年ほど前に参加したカンファレンスで、Being ALIVE Japan代表の北野さんのパネルディスカッションを聞いたのがきっかけです。その後、北野さんと直接お話をさせていただき、TEAMMATES活動の細かなところも伺ったのですが、私自身も活動の意義や活動が与える社会への影響にすごく共感を得て「すぐに進めていきたい!」となりました。なんとか実現できてよかったです。

ーーBeing ALIVE Japanさんの活動の中でどのような点に共感されたのでしょうか?

下沖)一番共感が大きかったのは、長期療養をされてるお子さんの中には、外に出ることすらままならない方が多くいて、スポーツというものをきっかけに外に出るきっかけを作ることができるということです。本人のモチベーションの向上にもつながりますし、保護者の方もお子さんと一緒に外に出るきっかけになります。それも遊びに行くだけではなく、社会に関わっていくきっかけになる。こうした点で私もすごくスポーツの持つ力を感じますし、そこでラグビーとしても関わっていきたいなと思いました。

ーー遊びに行くだけでなく、社会と関わるきっかけになる、というのは本当にすごくいいことですよね。

選手と同じ扱い、一緒に社会貢献活動も!

ーーレッドハリケーンズさんだからこそできている活動はどんなことがありますか?

下沖)いまの活動の中で特徴的なことで言うと、一緒にグッズのデザインを考えたり、企画を立てたりしています。また、ラグビーというスポーツにも興味を持って上手くなりたいと言っているので、グラウンドでボールを使ったりタックルをしたりしています。
今シーズンからは、私から久内に担当を引き継ぎながら、選手も巻き込んだような企画も考えています。

ーー久内さんは昨年まで選手として活動されていたんですよね!

久内久内崇史さん(現役時代)

久内)そうですね。昨年は選手の立場で、今年はスタッフの立場で陸人と関わっていくことになります。
今シーズンは、より『チームのメンバーそれぞれが陸人としっかり向き合う』ということに注力したいと思います。イベントに参加するだけでなく、試合に出場する選手と同じように朝から一日行動して、雰囲気を味わったり、普段選手が食べるような食事を一緒に食べたり、本当にプレーしている選手と同じように扱うことでチームの一員であるところを意識付けするような取り組みを現在は行っています。
今後の予定としては、チャリティーイベントなどで陸人とチームが一緒になって社会に貢献するような活動にも取り組みたいと思っています。

ーーありがとうございます。ただ単にチームに来て、練習参加してみましょう!ではなく、かなり踏み込んだ活動をされている印象があります。

下沖)昨シーズンは、“楽しんでもらう”ことを重視した活動を行いました。今シーズンはさらにそこから踏み込んで、チームの一員として、役割も与えて活動してもらおうという方針でいこうと思っています。

ーーそのあたり陸人くんはどういう反応をしてますか?

下沖)まだ始めて間もないですが、陸人は頭がよいし記憶力もあるので、自分自身の役割をしっかりと理解して取り組んでくれています。ラグビーのことは元々知らなかったところから、選手一人一人のことを自分で勉強し、我々の試合以外も見て分析をしたり、「あのチームはこうだから、ちょっと注意した方がいいよ」と生意気なコメントもするようになっています。(笑)
そうしたところから、分析担当のメンバーの仕事にも興味を持っているので、そうしたスタッフの仕事を知る機会も増やしていけたらと思っています。触れる範囲が広がり、興味・関心の度合いが上がっていることは、大きな変化だなと思っています。

ーーたしかに、プレーするだけが『チーム』ではなく、中にはさまざまな仕事がありますよね。それにしても頼りになる分析官ですね!(笑)

レッドハリケーンズ大阪

『チームメイト』が選手に与える影響

ーー下沖さんは、昨シーズンは陸人くんとずっと一緒に活動してきたと思います。ご自身が一緒に行動してきた中で感じるものはありますか?

下沖)そうですね。よくよく考えると、陸人は以前、家から出ることすらままならなかったし、手術などもあって入院生活も長かったんですよね。今こうして元気になってグランドに来ているということは、彼にとっては当たり前じゃない中で、こうした活動ができていることはすごく大事なことだと思います。この1日1日ラグビーができていること、関われていることに感謝しなきゃいけないし、これも選手たちもスタッフもそうですけど、「当たり前に生活できることに対して感謝をしなきゃいけないな」と、改めて彼と向き合うことによって感じるようになりました。
このような日常に対する感謝の気持ちというのは、チームの中により一層広がっていってるような感じはしています。

ーーチームとしてもそもそもラグビーを通して社会に貢献できるというところ、その土壌があったからこその活動の発展なのかなと思いました。

レッドハリケーンズ大阪

ーー久内さんから見て、陸人くんがチームメイトになった当初の関わり方はどんな感じでした?当時は選手だったと思いますが。

久内)最初は、お互い様子見というのはもちろんありましたが、最近では本当に選手1人1人が積極的に陸人に関わってくれるようになりました。陸人自身もこれまで特定の慣れた選手だけにしか話しかけることはなかったのですが、いろいろな選手に話しかける機会も増えてきたので、距離も近くなってチームに入り込んできてくれているなと感じてます。

ーー選手も陸人くんがいることで、プラスの効果を感じたりしているのですか?

久内)一番影響を受けてるのは、陸人自身が純粋にラグビー楽しんでいる姿を見ることですね。日々ハードなトレーニングする中で「きついな」「嫌だな」とネガティブな気持ちになることもありますが、陸人の存在があることで、自分が好きなラグビーに感謝する気持ちが生まれてきます。そういった面ですごくいい影響を受けていると思います。

『チームメイト』自身の成長・チームの成長

ーーファンの方からは陸人くんに対してどんな声をいただくんですか?

久内)すごく凝った手紙をもらってましたね。そのファンの方は、陸人がラグビー頑張ってる姿をみて「誰でもラグビーできるんだ!」と感銘を受けて、自分自身もラグビーを始めた20代女性からでした。そうした影響も与えているということですね。

下沖)InstagramやTwitterで陸人を出したときのコメントは結構多いですね。彼自身の活動にすごく関心を持ってらっしゃる方が多くて、彼が頑張ることで元気をもらってるんだと思います。

レッドハリケーンズ大阪

ーー本当に、このTEAMMATESの活動が、「子どもたちのため!」というだけでなく、チームのためにもすごくなっているんだと感じています。極端に言うと、陸人くんのおかげでチームのファンが増えて売上が上がってとなっても、素晴らしいことだと思うんです。

下沖)おっしゃるとおりです。社会貢献という切り口というわけではなく、純粋に選手として受け入れて一緒に活動していくその先に、チームが結果的にプロモーションされたり、グッズが売れたりすることにつながるのではないかと思います。チームとして受け入れて一緒に楽しんで、その先によいことがあれば嬉しいです。

『Play to Inspire』の体現へ!

ーー今後、この活動を通してどのようなことに取り組み、また、伝えていきたいですか?

下沖)陸人自身が同じ長期療養の子どもたち、なかなか社会とのつながりを見出せない子どもたちに対して、『いい影響を及ぼせるロールモデル』になってほしい、と強く思っています。そのうえで、彼自身がこの先さらに人間として成長できるようにしっかりと向き合ってサポートしていきたいなと思っていますね。
彼自身、自分でしっかり目標設定をして、そこに向けて頑張っていこう!ということもお互いでやっていこうとしています。ラグビーでは、「ゴールキックを成功できるようになる」という目標を一緒に立てました。そこに向けて、一緒に頑張って、乗り越えて、達成して桁らと思っています。
それが彼の今後の人生において、ものすごく大きな活動になると思うので、彼自身の存在が社会に影響及ぼせるような取り組みをしていきたいです。

久内)陸人はチームにとってもゲストではなく仲間、その認識はチーム内でも浸透してきていますし、陸人も感じています。それをより密に選手やスタッフみんなに繋がるような環境を作っていきたいです。
陸人自身がチームスローガンである『Play to Iinspire』、ラグビーを通していろいろな人にいい影響を与え続ける、ということを体現できる存在になってほしいと思います。現時点以上に大きな社会、ラグビーを知らない人、陸人を通じてラグビーを好きになるような人が増えるよう、まわりにいい影響を陸人自身が与えていけるような存在になってほしいです。

ーーありがとうございます!

dポイントでの寄付も可能!

レッドハリケーンズ

寄付のお申し込みはこちら

ーーレッドハリケーンズさんは、NTTドコモということもあり、Dポイントで寄付できるようになっていますよね。

下沖)そうですね。会社とも一緒に社会貢献活動したいという話はしていました。コロナ禍で、対面で募金活動することも難しい中で、よくよく会社のアセット見てみると dポイントキャッシュレス募金という仕組みがありました。今回の取り組みに使いたい!と投げかけたところ、前向きに社内調整をしてくださった結果実現することができています。

ーースポーツを通した社会貢献が、企業の社会貢献にも繋がる、すごくいい事例ですね!

 

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