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地元×国際戦略〜名古屋ダイヤモンドドルフィンズの数々の挑戦〜

愛知県名古屋市に拠点を置き、B.LEAGUEで活動しているプロバスケットボールクラブ「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」。リーグでの活躍もさることながら、多様な社会貢献にも力を入れて取り組んでいます。今回は、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの上原様にお話を伺いました。


※小林遥太選手が交通安全啓発キャンペーンに参加したときの様子

国際戦略を軸に

ーー名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下:ドルフィンズ)さんの「Dolphins Smile(ドルフィンズスマイル)」という社会貢献活動について教えてください。

上原)ドルフィンズには「名古屋の誇り(シンボル)となるようなクラブになろう」というクラブビジョンがあります。ビジョンの実現に向けて行動をしていくために考えた結果、B.LEAGUEの将来構想の1つである「国際戦略」に辿り着きました。社内での協議を経て、「国際戦略」に力を入れることに決まりました。

ーー名古屋の誇りとなるために、海外との関係を深めることにしたのですね。具体的には、どのような活動をされているのでしょうか。

上原)ドルフィンズが活動する愛知県名古屋市は、ロサンゼルスが姉妹友好都市です。将来的には姉妹都市であるロサンゼルスとバスケットボールを通じてつながりを築き、ロサンゼルスに本拠地を置くNBAクラブとも連携が取れるといいなと思っています。バスケットが盛んなNBAクラブを名古屋へ招聘できれば、名古屋でNBAクラブの試合が観戦できますし、さらに交流を深めていくことで、名古屋市とロサンゼルス市の子どもたちがバスケットボールを通じて交流もできるようになるのではと考えています。

コロナ禍のピンチをチャンスに

ーー名古屋市に拠点があるドルフィンズだからこそできる海外との関わり方ですね。SDGsへの取り組みも積極的に行われていますが、活動のきっかけなどあるのでしょうか。

上原)コロナ禍で難航していることはスポンサーの獲得でした。情勢として、宣伝費を工面することが難しいと言われることが多かったからです。しかし、宣伝広告ではなくCSRという側面での活動協力であれば協力しやすいと言っていただけることも多く、社会貢献により一層力を入れていこうと取り組むことに決めました。

活動が表面上のみになってしまわないために、国際的な課題であるSDGsについて真摯に取り組むことにしました。「名古屋の誇り(シンボル)」として、名古屋の方々に「ドルフィンズがいてよかった」「ドルフィンズがいたから笑顔になれる」と言ってもらえるような存在を目指そうと考え、名古屋市の問題や地域の課題についてスポーツの力を通して取り組むことにしました。

ーー「国際戦略」という点と「名古屋市の地域の問題」という点は、一見対極にあるように見えるのですが、その点についてはどのようにお考えなのでしょうか。

上原)私自身も、当初はそれぞれの活動が個別の活動のように感じることもありました。ですが、担当者として取り組んでいる中で将来的に繋がっていくように思えることもたくさんあります。例えば、将来的にNBAクラブと一緒に取り組みをすることができれば、名古屋の人々や子どもたちにとっては大きな出来事になるはずです。国際的なことを考えながら、地域のために取り組むという、一見遠そうなテーマについても、実際に活動をしていくうちに「そこまで遠いものではなく、関係しあえるものなのだな」と感じています。

日本プロスポーツ初の署名!?

ーードルフィンズは2020年に日本プロスポーツトップリーグ所属初となる「スポーツ気候行動枠組み(Sports for Climate Action Framework)」について、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)より正式に署名団体として認定されたと伺いました。署名に至るまでの経緯など教えてください。

上原)ドルフィンズスマイルの活動を始める前の話し合いの中で「気候変動」という問題は大きなトピックとして挙がりました。気候変動への取り組みについて考えていたところ、スポンサー候補である企業リストの中に名古屋市に拠点を置いているCO2を計測する企業さんを見つけ、協力を依頼しました。ホームゲームで排出されるCO2を計測し、国連へ提出することで署名ができるということを知り、だったら地元企業とタッグを組んでやってみよう、ということで動きだしました。

ーー署名への反応はいかがでしょうか。

上原)地域の方からは少し遠い話題だったのかな、とSNSなどを見ると正直感じる部分はあります。ただ、メディアさんから多くの反応をいただき、署名を機にドルフィンズスマイルの活動に関する取材などを受けることが増え、結果的に地域の方にこの活動が広まるきっかけになったと思います。


※活動についてThe Japan Timesに掲載された時の様子

「バイオマスプラスチック」から「女性活躍推進」まで多岐にわたる活動

ーー地域に向けての活動はいかがでしょうか。

上原)定期的なCO2削減のため、ホームゲームの飲食物の容器をバイオマスプラスチックに変えました。これにより脱プラスチック率が81.9%になりました。また、食品ロスの問題や見えない障がいへの啓発も行っています。

ーー多様な社会貢献活動に取り組まれていますね。

上原)他には、「女性活躍推進」という観点から名古屋市と連携をとり、ホームゲームに名古屋市職員の方を招き、女性に向けての相談窓口を設置したこともあり、その場で相談できない方への電話による相談窓口の案内も行いました。


※ドルフィーナDAYにて名古屋市が女性のための相談案内ブースを設置したときの様子

ーースポーツという場で地域との関わりを築いていて、素晴らしい活動ばかりですね。活動への選手たちの反応はいかがでしょうか。

上原)コロナ禍ということもあり、選手たちが積極的に参加できる機会はまだまだ少ないと感じています。これからの目標として、選手たちも積極的に参加できる機会を設けられたらと考えています。

ーーこれからが楽しみですね。担当者として活動されている上原さんご自身は意識が変わったことはありますか。

上原)とても変わったと思います。特に防災への意識は高まっていると思います。様々な活動に関わる中で、防災について自分事として考えるようになりました。今では、防災グッズを調べたり買ったりすることが楽しいと感じています。

ーー楽しく防災に取り組めることは、とても素敵ですね。

ファンとともに、地域とともに〜ドルフィンズのこれからの挑戦〜

ーークラブとしての今後の目標はありますか。

上原)シーズン終わりにファンの方に向けて「社会貢献をやってみてどうだったか」というアンケートを実施しました。アンケートをもとにファンの方がどのような社会貢献に興味関心があるのかを調べ、ファンの方の求めることに合わせて活動していけたらいいなと考えています。

また、CO2排出量についても引き続き取り組んでいきます。昨年度のCO2排出量をUNFCCCに提出し、昨年度の結果を基準に来年以降の削減についての方向性を決めていこうと思っています。自転車などCO2排出量が少ない乗り物を使用してスタジアムまで来てもらうなど、ファンの方にも協力していただけたらと考えています。

ーー目標の数字があるというのは、ファンの方にとっても分かりやすいですよね。「自転車で行くだけでどれくらいCO2が削減できるのか」など分かると、楽しく取り組むことができますね。

上原)そうですね。ファンの方の意識も自然と変わっていくと嬉しいなと考えています。


※脱プラ容器の商品をご購入いただいたお客さまの様子

ーードルフィンズやファンの方のこれからの取り組みもとても楽しみになりました。ありがとうございました!

 

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