特集

【関西大学×SDGs】ジェンダーかるたを通して、学生のつくりたい未来とは?

Z世代にあたる今の大学生は、SDGs達成へどんなアクションを考えるのか?

関西大学と法政大学では、SDGsの達成に向けて、それぞれの教育研究の特徴を活かしたさまざまな活動を展開しています。今回は、2021年12月に行われた「SDGsアクションプランコンテストー持続可能な未来のために私たちができることー」で見事、最優秀賞を受賞された関西大学外国語学部外国語学科4回生宇津見あゆさんにお話を伺いました。

関西大学×法政大学宇津見あゆさん(写真左)
関西大学1
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野村HD
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「ジェンダーかるた」とは?

ーー『関西大学×法政大学 SDGsアクションプランコンテスト』で最優秀賞の受賞、おめでとうございます!

宇津見)ありがとうございます!

ーー今回は「ジェンダーかるたで楽しく学ぼう」というタイトルですが、もう少し詳しく内容を教えていただけますか?

宇津見)私が提案した『ジェンダーかるた』は、子どもたちを対象にかるたを使ってジェンダー問題に関するさまざまな内容を学ぶことで解決を図っていくものです。
その絵札は、女の子がロボットで遊んでいたり、男の子が人形で遊んでいたり、同性婚でお父さんが2人いる様子が描いてあり、それに合った読み札を聞いて取っていきます。

宇津見)このかるたを通して、子どもたちが遊びながら、ジェンダー問題について身近に感じてもらうことと、当たり前に感じてもらうことができるのではないかと考えて提案しました。その際に、コロナ禍ということもあったので、感染のリスクを少しでも減らすために、手で取る代わりに、スマートフォンでかざして読み取るという工夫を理系の方々にもご協力いただいて加えました。こういった、コロナ禍での対策案を提案したことやその他にも具体的な企画を合わせて提案したことを高く評価していただきました。

非接触かるた

ステレオタイプが固まる前に「自然に学べるものを」

ーー素晴らしいアクションプランですね。宇津見さんは、どうしてこのような「ジェンダーかるた」を提案しようと考えたのですか?

宇津見)もともとゼミ活動の中で、国際協働やSDGsについて研究を行っていたこともあり、『SDGsアクションプランコンテスト』には興味がありました。ジェンダーかるたは、このコンテストに提案するために考え始めたものです。

今までSDGsについて、大学の講義やゼミ活動を中心にインプットを多くしてきた中で、アウトプットする機会として、今回のようなコンテストには積極的に参加させていただいていました。
テーマとしてこのジェンダーかるたを考えたのは、私自身がジェンダー問題について、興味・関心が強かったということが大きいです。その興味は、台湾留学がきっかけでした。台湾は、アジアで初めて同性婚を実現したこともあり、身の回りで「私はジェンダーマイノリティなんだ」という人があふれていて、そこに対して隠すとか、タブーな話だという認識がなかったんです。そこに日本との差を大きく感じました。
その中で、大人の意識を変えることはすごく難しいなと感じて、これからの社会を担っていく子どもたち向けの内容に取り組みたいと考えました。また、ステレオタイプと言われる先入観や思い込みが固まるのが幼少期だということを知り、この期間に遊びながら、自然に学ぶことができるものはなんだろうと考えて思いついたのがかるたです。進めていくうちに、かるたには、認知機能の向上や言葉の勉強にもなり、私が当初考えていたこと以上に付随効果があることもわかりました。

ーーなるほど。今回のジェンダーかるたは、台湾で感じた宇津見さんの気づきだけでなく、ステレオタイプが固まる幼少期に対しての取り組みという点も大きいですね。

ジェンダー問題は、自分たちも当事者だった

ーーゼミ活動でされているジェンダーについての研究について教えてください。関西大学内で、ジェンダーギャップに関するアンケートを行っていたと伺っています。

宇津見)アンケートの内容としては、例えばデートなどでは、男性が金銭面を負担すべきかどうかや男性は女性をリードすべきなのか、性別ごとに向いている仕事はあるかどうかなどについて学生に聞きました。

関西大学ジェンダーアンケート 関西大学ジェンダーアンケート

ーー宇津見さんは、このアンケート結果を受けてどう思われました?

宇津見)私の考えていたことと違ったのは、意外とデートなどで男性が金銭面を負担すべきだと考えている人や、男性は女性をリードすべきだと考えている人が少なかったことです。若い世代は、平等感が強いのかなと感じました。
気になる結果だったのは、日々の生活でジェンダー問題を感じることがあったかのアンケートです。私たちの世代は、結構平等がうたわれている時代に生きてきたので、ジェンダーに関する差別を受けたと感じている人は少ないだろうと考えていたのですが、実際は約半数の人が経験をしてきたということを知り、衝撃を受けました。
差別を感じた事例として、「バイトで力仕事を男だからという理由で任された」「就職活動で男性は一般職コースにそもそも応募できない」という意見がたくさんありました。このアンケートを通して、当事者感を改めて感じました。こういったジェンダー問題というのは、日本では自分たちよりも上の世代が当事者だと思っていたところもあったので、意識が変わりましたね。

ーーこのアンケート結果は、とても興味深いですね。私が感じたのは、バイトであったり、就職活動であったり、自分たちよりも上の世代と関わるときにより、ジェンダーによる差別を感じているのだと感じました。これは、学生より年齢が上の大人側の問題でもあるのではないかとも思いますね。

影響力は小さいかもしれないけど、自分ができることから変えていくことが1番大切

ー-宇津見さんたちは、いわゆるZ世代と呼ばれる世代だと思います。宇津見さんや周りの友人は、ジェンダー問題を解決をしていこうとなったときに、どんなアクションが大切だと考えていますか。

宇津見)こうしたジェンダー問題というのは、思想や考え方がとても大きく絡んでくる難しい内容だと思っていて、個人で解決をするのはアクションプランを考えている中でも、すごく難しいことだと感じていました。個人でできることは限られていると思うのですが、身の回りだけでも実践していくことが大切だと私は思います。家庭を持つならその家庭内だけでも実践すれば、その家庭で育った子どもたちも実践してくれるでしょうし、仕事場でも自分が差別やギャップを感じさせるような行動、言動をしないように心掛けるだけでも、それを見てくれている人は絶対にいると思います。影響力は小さいかもしれないですけど、自分ができることから変えていくことが一番大切だと思います。

ーー素晴らしいですね!アクションプランを考えて難しさを感じながらも、できることから変えていこうという姿勢にとても共感します!

関西大学で本当に良かった!

ーー宇津見さんは、関西大学で学生生活を送ってきてよかったことはありますか?

宇津見)関西大学で良かったなと感じていることは2つあります。1つ目は、学びたいと思ったら学べる環境がたくさんあるということです。私は、語学の勉強をしたくて外国語学部に進学したのですが、外国語学部は留学が必須ということもあり、留学に関する環境や学内でも交際交流ができる教室があるなど、本当に環境が整っているなと感じました。2つ目は、学校全体として協力していただけることが多いことです。ゼミ活動のアンケートもそうですし、その他にもさまざまな企画を考えてきました。例えば、TABLLE FOR TWOという開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組む日本初の社会貢献運動の取り組みを学内で導入したいという提案をした際に、SDGs推進プロジェクトの事務局の方々をはじめ、多くの職員の方が導入に向けてすごく協力的にお手伝いいただきました。これがやりたいと思ったときに、協力をしてくれる人、学校なんだと改めて感じて、関西大学で本当に良かったなと感じています。

ーー学生にとって本当に素晴らしい環境ですね。残りの学生生活も楽しんでください!本日はありがとうございました!

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