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「SDGsの夢を叶える場所を作りたい!」ICUの学生が考えるSDGsとは?

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国際基督教大学(以下、ICU)では、「環境」や「平和」をテーマにした活動などSDGsに関する多様な活動を行っています。その活動の中心となるICU SDGs推進室では、青空シェアリングやフェアトレード大学認定など、その活動は他大学と比べても非常に活発です。

今回は、SDGsに対する想いと詳しい活動内容について、ICU SDGs推進室所属の大学3年生・平通恭介さん(以下、平通)と布柴達男教授(以下、布柴)にお話を伺いました。

「鳥がいなくなっている…」環境の変化に対する違和感から生まれた想い

ーー平通さんがSDGsや環境へ興味を持つようになったきっかけは何ですか?

平通)大学に進学するまでの20年間は、田舎すぎると言えるような町で暮らしていました。そのため、幼い頃から自然には馴染みがあり、無意識に自然のことを考えていたように思います。 例えば、幼い頃によく見かけていた鳥を気がついたら見かけなくなっていたり、自宅近くの川が汚くなっていったり、近くの山の木々が大規模に伐採されてしまったりしていました。このような変化を目の当たりにしていると、これは大変な問題なのではないかと思うようになりました。

こうして環境問題に少しずつ興味を持つようになり、小学生のときに「あの鳥さんを守りたい」と言う夢を持つようになりました。大学生となった今は、幼い頃に抱いた素朴な夢も忘れずに、学問的な側面からも環境問題について学びたいと考えています。 時折、長期休暇などに実家に戻ると通っていた小学校が統合されてしまっていて、少子高齢化や過疎化を実感したりと、そもそも社会問題について何かアクションしたいという想いもあります。

ーー環境問題に興味を持つきっかけは、平通さんの育った環境だったのですね! 大学では SDGs推進室にも入って活動されていますよね。

平通) 2021年の秋頃に、大学からのSDGs推進室の学生メンバー募集告知を通しでICU SDGs推進室の存在を知りました。当時のSDGs推進室は、目標や理念はあるけれど、まだ具体的な活動はあまり始まっていない状況で、ゼロから学生主体で活動内容や活動方針を作っていこう、そうしてSDGsを通して社会問題の解決に貢献していこうという雰囲気にすごく惹かれました。 また、社会問題に興味を持っている他の学生と話をしてみたい!一緒にSDGsや社会問題に対する考えを共有して活動を作り上げていきたい!という想いがありました。それを個人ではなく、SDGs推進室として教授さんやたくさんの学生と共に活動していけるなら刺激にもなるし、より大きな社会貢献にも繋がるのではないかとも思い参加しました。

「平和」へのミッションから考える

ーーICUの中で、SDGs推進室はどのような役割を果たしているのでしょうか?

布柴)ICUはそのミッションである「神と人とに奉仕する有為の人材を養成し、恒久平和の確立に資すること」からもわかるように、創設された当初から平和に深く関わっている大学です。また入学式では、新入生全員が世界人権宣言にサインをしたり、他大学にはない多種多様な学生主体の取り組みがあったり、 キャンパスには自然が溢れておりICUはSDGsと深く関わっている大学だと感じています。しかし、ICUの学生の中にも色々なSDGsに貢献するアクションを起こしたくても具体的にどのように起こせばいいのかわからず興味があるだけで終わってしまっていたりする学生が多数いると思われます。『SDGs 推進室』はそのような学生のアクションを後押しするために、彼らがアクションを起こせる場所や機会を提供できればと考えています。

ーー具体的にどのような活動をされているのですか?

平通)最近では、大学の『ばかやま』と呼ばれる広場で、学生がまだ使うことができるけれど、自分では使わないものを持ち寄り、参加者に互いに必要なものを持って帰っていただく『青空シェアリング』や、ICUの構内にある竹林の竹を使った『竹箸ワークショップ』を開催しました。『竹箸ワークショップ』に関しては、竹は成長が早い一方で、近年では伐採する人が不足しており、林の周りの森林に影響を与えてしまっているので、このようなプロジェクトを通じて竹被害を少しでも解消できればと考えています。

平通)さらに、フェアトレード大学認定に向けての活動も行っています。フェアトレード大学に認定されている大学は、日本で4大学しかありません。学内では、フェアートレードの普及に取り組むサークルメンバーがインドの工場に行き、作ったオリジナルのフェアトレードの布を使用したブックカバーとトートバックが売店で販売されています。SDGs推進室では、そういった商品の販売促進を行なったり、食堂でもフェアトレードコーヒーやフェアトレードのスパイスを使ったメニューを提供していただけないか提案していく予定です。

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多くの人に認知してもらうために

ーー『フェアトレード大学』認定をなぜ目指そうと思われたのですか?

平通)まず、いろいろなSDGsの目標とフェアトレードが関わっていることがあります。また、既に学内でもフェアトレードの商品がいくつか扱われていますが、そういった商品をキャンパス内で継続的に扱っていただくためにはどうすればいいのだろうか、と考えていました。そう考える中で、学生や職員からの継続的なフェアトレード商品を求める声が不可欠だと感じました。そこで、SDGs推進室では学内でのフェアトレードの定着を目指して、フェアトレード大学の認定をもらえるくらい本気で普及活動に取り組んでみようということになりました。ですので、フェアトレード大学の認定はあくまで1つの目標であり、第一にはフェアトレード商品を継続的に認知してもらいたいという想いを持って活動しています。

ーー活動は学生が主体となって行われているのですか?

布柴)そうですね。学長にフェアトレード大学認定プロジェクトのプレゼンテーションをする際も、私はただSDGs推進室のメンバーにその場を提供しているだけです。SDGs推進室で、メンバーがSDGsのことだけではなく、社会に出たあとも使えるスキルをつけてくれ たらと思っています。一人で取り組むのではなく、学生以外の職員の人などいろいろな人と関わることもそうですし、学生同士で意見が対立したときに、それをどのように形にしていくかというプロセスなど、多くの学びがあると思います。

平通)布柴先生が学生に任せてくれていることで、気付きが多くあります。SDGs推進室の活動が始まった当初は、学内のプロジェクトやサークル活動がそれぞれ活動し、すべての活動が孤立してしまっていました。それぞれは魅力的な活動をしているからこそ、似ている活動をしているサークル同士を繋げるなどすることで、さらに魅力的で影響力のある活動になるのではないかと感じています。SDGs推進室はオフィスという立場を生かしまとめ役になるべく活動しているのですが、多種多様な活動や想いをどのようにまとめていくのかなど、まとめ役という立場にいることでの生まれる苦悩や問題は絶えません。しかし、それを乗り越えた時の達成感や他では得られない学びを得られています。このように、学生主体のオフィスだからこその学びはたくさんあります

一枚300円のTシャツはおかしい。SDGsと関わるきっかけに!

ーー教授から見て、今の学生のSDGsに対する考え方についてどのように感じられていますか?

布柴)このような活動がもっと広がっていってほしいと思っています。先ほどのフェアトレード大学認定もその一環で、フェアトレード商品を買うか買わないかというよりも、フェアトレードという考え 方があるのだと知るだけでも違うと思います。例えば、300円とか500円でTシャツが一枚売られていても何の違和感もないし、安いと思って買うかもしれませんが、実際に自分の手でTシャツを一枚作って300円で作れるわけがないですよね。このようなことがおかしいと思えることが大事だと思いますし、それを知るきっかけにフェアトレードがあればいいと思っています。フェアトレード大学認定は目的ではなく、いろいろな人が興味を持ってくれるきっかけになればいいと思っています。

ーー最後に今後の活動について教えていただけますか?

平通)布柴教授もおっしゃったように、SDGs推進室での活動を通して、より多くの人にSDGsに関係する問題について考えるきっかけを作り、さらにアクションを起こす機会を提供できればと思っています。私個人としては、SDGs推進室が『SDGsの夢を叶える場所』となり、学生が起こしたい!と思ったアクションの夢の実現に向けて、SDGs推進室として全力でサポートできればと考えています。「授業や日々の生活で気づいたSDGsに関することを行動に移してみたいけど、一人ではどうにもならない」というときに相談してもらい、「推進室と一緒に取り組みましょう!」という流れが作れることが理想的です。

そうして学内での夢の実現はもちろん、ゆくゆくは関東規模や全国規模でいろんな大学さんと繋がって様々なプロジェクトの実現に取り組み、ICU SDGs推進室がもっと大きな規模で『夢を叶える場所』になれればと思っています。

ーーありがとうございました。

関西大学×法政大学
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