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トライアスロン日本女子ランキング1位上田藍選手に聞く「ハマったら抜け出せないトライアスロンの魅力」

サムネイル うえだあい

2022年5月14日、15日にワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会(以下、横浜大会)が開催されます。
2022年大会では、『ハマトラ女子』企画と題し、「もっと楽しみたい」「トライアスロンっていいな」「私も挑戦してみたい」と思ってもらえるような、完走者へのジュエリーのプレゼントやハマトラ女子限定セミナーなどの企画が行われています。

そんな横浜大会のアンバサダーになっているのが、トライアスロン日本女子ランキング1位の上田藍選手(以下、上田)です。世界で活躍するトップアスリートである上田さんに、トライアスロンの魅力を語ってもらいました。

「ゴールした人全員が主役〜トライアスロンのオリンピアンが考えるこれからの社会貢献〜」泳ぐ(スイム)、自転車を漕ぐ(バイク)、走る(ラン)。そんな3つの要素を持つトライアスロンについて、皆さんはどれくらいご存知でしょうか。 東京オリンピックを通して関心を持たれた方も多いこの競技。そのハードな競技には、誰もが楽しめるための工夫や、3つの要素が合わさるからこその魅力があると言います。今回は、オリンピック出場経験を持つ加藤友里恵さんにトライアロンの魅力や競技特有の想いについてお話を伺いました。また、現役を引退された加藤さんが考える社会貢献活動についての想いもお話しいただきました。...

「3種目揃えば私でも活躍できる」

ーー上田さんご自身がトライアスロンを始めたきっかけは何ですか?

上田)私は3歳でスイミングスクールに通い始めました。
兄が通い始めたのをきっかけに妹の私も通うようになり、その中でスポーツの楽しさを知りました。中学校では水泳部に入ったのですが、私自身はあまり結果は残せず、体力だけはあるけれど、というタイプの選手でした。

そのときに、学校での持久走大会のタイムがよく、駅伝部に誘ってもらいました。私の出身の京都は、持久走大会の距離がとても長く、中学生でも13キロも走るんです。(笑)まわりの選手の活躍もあり、全国中学駅伝にも出場できたため、高校では陸上競技の選手として推薦で入学しました。

ーートライアスロンに繋がるようなスポーツをもともとされていたのですね。

上田)そうですね。水泳と陸上競技を通してスポーツの楽しさも実感していて、高校卒業後の進路もスポーツを中心に考えたのですが、目立った結果が出せず、陸上で実業団や大学に進むことは難しいと考えました。

そんなとき中学時代に通っていたスイミングスクールでトライアスロンをされていた50代の方から、「トライアスロンはどうだ?」と声をかけられたことを思い出しました。泳ぐことと走ることはできたので、あとは自転車さえ練習すれば・・・というときに、幸運なことに「部員は今いないけど自転車部があるんだぞ」と顧問の先生から教えていただき、メンテナンス等もお願いすることができました。今から考えると本当にありがたかったですね。

ーーそうしてスタートした上田さんのトライアスロン人生。最初の大会はいかがでしたか?

上田)ローカルなトライアスロンの大会でしたが、初挑戦ながら高校生の部で優勝することができました。
水泳、陸上競技では結果を残せなかったですが、今の私の実力でも、3種目揃ったらこうやって勝てる世界があるんだと実感し、トライアスロンの魅力にハマり、私にはこれしかない!という大きな勘違いからトライアスロンの進路を選びました。(笑)

自転車(c)Shugo TAKEMI(2021 WTCS Yokohama)

トライアスロンを趣味にするだけで健康に!?

ーートライアスロンは生涯スポーツとも言われていますが、どのくらいの年齢層の方がされているのですか?

上田)稲田弘さん(90歳)がアイアンマン世界選手権最高齢完走のギネス記録(87歳のときの記録)を持たれています。(※アイアンマンとは、スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195kmを行うレースのこと。完走者は「鉄人」とも呼ばれる)
私の所属するクラブには16歳から、上は90歳の方までいらっしゃるので、本当に幅広い世代の方が競技をされていますね。

ーー87歳で完走・・・。

上田)稲田さんは皆の憧れの存在になっています。50歳くらいの方々は、「稲田さんに比べたら僕らはまだまだひよっこ」と言う方が多いですね。(笑)

そうした方を見ていると、何歳になってもトライアスロンを楽しみたいという想いが、自分の健康を保つことへの意欲につながっている方が多いのではないかなと思います。

ーーたしかに、トライアスロンを続けていくには健康を保つ努力が必要になりますね。

上田)そうですね。健康でいないとできないスポーツなので、日頃から健康でいるためのチェック項目を皆さんそれぞれ独自に持たれています。
健康でいるからトライアスロンができて、トライアスロンあるから健康でいようとする、こうした好循環に入っていることが多いですね。

ーートライアスロンを趣味にするだけで、健康な生活になりそうですね。

自然と調和するスポーツ『トライアスロン』

ーー健康面以外に、トライアスロンにはどのような魅力がありますか?

上田)『自然と調和し、自然を体感するスポーツ』ということですね。私が最初に出た大会では、スイムはプールで行うものでした。その後、中国では湖でも泳ぎましたし、メキシコのカンクンでは観光地の白砂の本当にきれいな海で泳いだり。
いまでは横浜大会もそうですが、観光名所での開催も多くあります。いろいろな環境下でその環境を察知し、適応してレースに臨むことで、私は多くの世界を見せてもらったと感じています。

ーーそうなんですね。上田選手はこれまで国内外200レース以上に出場されていますが、印象に残るレース会場はありましたか?

上田)まずはやはり横浜大会ですね。観光地のど真ん中を泳いで、漕いで、走るランニングコースは、選手からの人気も非常に高いです。いろいろな開催地でのご当地グルメも私はすごく楽しみにしています。
あとは、商店街の真ん中を走り、多くの方に応援していただける新潟の村上大会や、おばあちゃんの年齢層の方にも多く応援していただける熊本の天草大会など、沿道からの応援風景も印象に残ることが多いです。

ーーたしかに、観光地など、行く先々でのグルメなど競技以外の楽しみも多そうですね。

上田)参加者やそのご家族の中には、レースに出るお父さんやお母さんを応援し、その後少しゆっくり観光してから帰るような方も増えています。
海があって、近くに自然もあって、というトライアスロンに適した場所は、観光地としても素敵な場所であることが多いんです。旅行中でもそうした場所を見つけると、「あ、ここでトライアスロンできそう」と思ってしまいますね。(笑)

自転車(c)Shugo TAKEMI(2021 WTCS Yokohama)

意外に低いトライアスロンへのハードル

ーー競技面では、「3つも種目があると大変」と思う方もいると思うのですが、3つあるからこその魅力などはありますか?

上田)私もそうでしたが、トライアスロンは自分の得意種目がそれぞれあり、組み合わさることで力が発揮されます。トップレベルのレースだと、それぞれの得意分野で順位も大きく入れ替わるので、スイムで先行逃げ切りをするのか、距離の長いバイクで勝負するのか、最後のランで追い上げるのか、など選手によっても戦略が大きく異なります。そうした戦略の複雑さ、頭脳戦も醍醐味の1つですね。

ーー一般の方にとって、泳ぐのは得意だけどほかの種目は・・・など、3つの種目があることでハードルを感じてしまうこともあると思うのですが、その点はいかがですか?

上田)そういった方には、まずリレー形式の大会に参加してみることをおすすめします。スイミング、バイク、ランそれぞれで担当を決めてレースに参加するので、仲間と協力するところも含めて達成感を得ることができます。また、初心者向けにセミナーや練習をされているスイミングスクールなども多くあるので、是非チャレンジしてみてほしいなと思います。

ーー初心者でも入りやすい形が多く用意されているのですね。以前上田さんが、『フィニッシュした達成感、そしてまわりから多くの称賛を受けられることもトライアスロンの大きな魅力』とおっしゃっていました。

上田)そうですね。開始前の「きつそう」というイメージから、そこを乗り越えフィニッシュすることで、非常に大きな達成感を味わうことができます。
3種目は、すべて身近にあるものであり、小学校の頃から「やったことがない」ものはないのではないでしょうか?身体づくりの定番と言われるスイミング、サイクリング、ランニングの3種目ですし、どれも有酸素運動になります。『健康スポーツ』でありながら、『自然を楽しむ』ことができ、『達成感』を味わえる。ここが大きなトライアスロンの魅力になると思います。

ーー聞けば聞くほど、「自分でもできるのでは?」「やってみたい!」と思えてきました。

ハマトラ女子、そしてトライアスロンを始めたい人たちへ

ーー今回の横浜大会では、「ハマトラ女子」企画として、さまざまな女性参加者向けの企画が行われます。どのような女性がトライアスロンに向いていますか?

上田)美意識が高い方や健康志向の方には是非おすすめしたいですね。身体づくり、シェイプアップなどのために運動されている方は最近増えてきていると思います。そうした身体づくりの行きつく先がトライアスロンになるような方も少しずつ出てきています。

ーー身体づくりの面ではトライアスロンはどのような特徴があるのでしょう。

上田)トライアスロンをすることで、身体全体のボディラインがバランスよい形になります。3種目でそれぞれ使う筋肉が異なるので、上半身だけ身体が大きくなったり、太ももが太くなりすぎたりすることのないように、バランスよく筋肉が鍛えられていきます。自分で言うのもなんですが、ボディラインがすごく綺麗なトライアスロン選手が多いですね。

ーー実際に観に行ってみると、憧れを抱く方も多いかもしれませんね。

上田)そうですね。是非足を運んでほしいと思います。

ーー「トライアスロンをやってみたい!」と思ったときに、始めるための第一歩はどう踏み出せばよいのでしょうか?

上田)まずは『トライアスロンをしている人』を見つけることです。トライアスロンをしている人は、「一緒にやろう!」と巻き込んでくれる人が多いです。道具のことやレースのことなど、わからないこと、ハードルを感じることも多くあると思いますが、皆さん本当に丁寧に教えてくれます。なぜなら、皆さんトライアスロンを『楽しんで』いるからです。こんなに楽しいものだ!だから是非一緒にやろう!という形で、応援してくれる人がいると心強いですよね。

ーーたしかに、一緒に取り組んでくれる人がいるといいですね。楽しんでいる生の声を聞くことが、一番魅力を感じられるのではないかと思います。

ラン(c)Shugo TAKEMI(2021 WTCS Yokohama)

ーー最後に、横浜大会に向けての想いを聞かせてください。

上田)久々に多くの方に見てもらえるレースになります。また、オリンピックを目指す世界の選手たちも集うので、その臨場感を是非皆さんに味わってほしいです!
横浜の市街地を走る、という貴重な体験もあり、本当に魅力の詰まった大会です。みなさん是非お越しください。

ーーありがとうございました!

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