「ガスライティング」とは、些細な嫌がらせや意図的に誤った情報を提示し続けることで被害者自身の認識・記憶・知覚・正気を疑うよう仕向ける心理的虐待の一種です。2018年にイギリスで流行語となり、欧米を中心に認識が広まりました。また近年では、韓国で女優のガスライティング疑惑が浮上したことからも注目を集めています。 そこで、今回は「ガスライティング」についてわかりやすく解説していきます。
ガスライティングとは
「ガスライティング」とは、些細な嫌がらせや意図的に誤った情報を提示し続けることで被害者自身の認識・記憶・知覚・正気を疑うよう仕向ける心理的虐待の一種です。
ガスライティングの語源は、1944年に制作された映画『ガス燈』に由来しています。
作中では、心理的虐待により周囲をコントロールする男性とそれに翻弄される女性の様子が描かれています。
ガスライティングの目的
ガスライティングは、上司と部下・主導権を握る彼氏と彼女など「上下のある関係」、会社・家族・部活・友人関係の輪(ママ友)など「上下関係のある集団内」において引き起こされます。
その目的は相手を「破滅」させることにあります。
具体的には、以下のようなことが目的として挙げられます。
・自殺させる
・犯罪に走らせる
・集団の中で孤立させる
・集団から追い出す
・服従させる
ガスライティングの手口
ガスライティングの加害者は、露骨なウソをついたり被害者の物を勝手に使用するなどの迷惑行為を行います。また、それらの迷惑行為の痕跡をわざと残し、相手を疑心暗鬼に陥らせます。
その他、以下のような迷惑行為も行います。
- 何かと被害者に責任を押し付ける
- 音や臭いで不快感を与える
- 周囲が被害者に反感や嫌悪を抱くように立ち回る
- 被害者の私物を隠す
そして、これらの迷惑行為について、被害者が加害者に説明を求めると「頭がおかしい」「お前の記憶は間違っている」「被害妄想だ」といった言葉を浴びせ続けます。
その結果、被害者は少しずつ精神的に追い詰められ、周囲や自分自身を信じることができなくなってしまいます。
ガスライティングの対処法
ガスライティングの被害に遭っている場合、ガスライティングが起こっている集団やコミュニティーを避けてください。どうしても避けられない場合は、弁護士やカウンセラーなど専門機関に相談することをおすすめします。
また、ガスライティングでは被害者の認識・記憶・知覚・正気を疑うよう仕向けられます。そのため、被害者だけでなく周囲の人も異変に気づきサポートすることが解決につながります。ガスライティングについて正しく理解し、自分自身・周囲の大切な人を守りましょう。