特集

ボルネオゾウの救出プロジェクト|サラヤ×Sports for Social-vol7-

編集担当からのメッセージ

これまで、ヤシノミ洗剤の原料のひとつであるパーム油の生産地、ボルネオの自然と動物たちを保護するサラヤの活動を紹介してきました。今回は、オランウータンと同じように絶滅の危機に瀕すると言われているボルネオゾウ救出に取り組む話です。(担当 山本)

野生動物の救出プロジェクト

ボルネオ現地の人々が森を切り開いてパーム油が取れるアブラヤシの農園にしてしまうことで、元々その森に生息していたボルネオゾウやオランウータンが生息地を失ってしまいました。またボルネオゾウは農園に入り込み、畑を荒らしてしまうため、それを嫌う現地の農民が仕掛けた罠にはまって傷ついたり、中には命を落とす場合もあります。

そのような野生動物たちの保護・治療をして、森に返す救出プロジェクトが始まりました。

ボルネオゾウの救出

農民が仕掛けた罠を子供のゾウが興味本位で触ってしまうと、罠のロープが鼻や足に絡みついてしまいます。そのロープが成長していく過程で体に食い込み、その結果、鼻や足を失い、群れから見捨てられてしまう不幸なゾウが見つかるようになりました。

そこでサラヤでは、現地の野生生物局の協力を得て、怪我をしたボルネオゾウが見つかると救出し、治療を施し、森に返す活動を行ってきました。

その際、救出したゾウを保護し、治療するための施設(レスキューセンター)が、ボルネオ保全トラストや北海道の旭山動物園の坂東園長が中心となって設立されました。

サラヤ_ボルネオゾウ

傷つく野生動物の数が減らないのは、“私たち”消費者が原因

しかし、どんなに野生のオランウータンやボルネオゾウの救出プロジェクトを続けていても、怪我をしたり、孤児になる野生動物の数が一向に減りません。

ボルネオで不幸な野生動物の数が減らない理由とは一体何なのでしょう。

実は、私たち消費者の選択が、不幸な動物を減らすことに繋がるかもしれないのです。

傷つく野生動物が減らない理由は、暮らすための森がなくなっているから。

森がなくなるのは、違法伐採で開墾した農園で育てられたパーム油が売れるから。

違法に育てられたパーム油が売れるのは、安いから。

安いパーム油が売れるのは、「安いパーム油を使った製品が安くて売れるから」。

私たち消費者の「安いものを買おう」という意識が、怪我をする動物や孤児となる動物を生んでいるのです。

ボルネオで傷つく動物を減らすために。私に、あなたに、できること

無秩序に動物が暮らす森の木を切って農園にするのではなく、動物たちの生息域を残しながら農園を開拓し、パーム油が育てられるようなルールに変われば、パーム油の産業とボルネオの環境保全を両立させることが可能なはずです。

動物にも自然環境にも考慮して採取されたパーム油は、違法に育てられたパーム油よりもルールを守って作る分だけ高価になってしまいます。違法なパーム油が安いからという理由で市場に多く出回ると、動植物への配慮をすることで値段が高くなり売上が伸びない、と裏目に出てしまいます。

そのようになるのを防ぐためにも、

「価格が高くても、ボルネオの動物や自然を保護するためのルールを守ったパーム油を利用している製品を購入する。」

この意識がボルネオで傷つく動物を減らすために私たちができる行動の一つです。

私たちの身近に使われているパーム油。そのパーム油がどのように生産されているのか、違法に育てられたものではないか、意識してみること、調べてみること。

この少しの気付きが社会を変える一歩になります。

私たち消費者が毎日行っている消費行動が変われば、社会が変わっていく。

消費行動を変えるためには、「知る」ことが大切です。

ここまで7回にわたりサラヤのボルネオでの活動を取り上げて参りましたが、いかがでしたでしょうか。

ボルネオの現状や環境保護の活動を「知る」ことで、私たち自身の消費行動を変え、環境を変える第一歩にしていきましょう。サラヤ_オランウータン

サラヤ株式会社:https://www.saraya.com/index.html

ヤシノミ洗剤:https://www.yashinomi.jp/index.html

ボルネオ環境保全活動:https://www.yashinomi.jp/environment/

緑の回廊プロジェクト:http://www.bctj.jp/projects/green-corridor/

認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン:http://www.bctj.jp

RSPO:https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3520.html

命の吊橋プロジェクト:https://www.saraya.com/conservation/activity/02.html

野生動物救出プロジェクト:https://www.saraya.com/conservation/activity/03.html

セピロック オランウータン・リハビリテーションセンター:https://www.orangutan-appeal.org.uk/about-us/sepilok-orangutan-rehabilitation-centre

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前回までのお話

命の吊り橋プロジェクト|サラヤ×Sports for Social-vol6-ヤシノミ洗剤に使われるパーム油の原産地であるボルネオの自然と動物たちを保護するために国際NGO「ボルネオ保全トラスト」を創設したことについて取り上げました。さらに人権と環境を守った上でパーム油の生産、流通を行い、持続可能なものにする目的でRSPOに参加し、現場だけでなく政治経済からもアプローチを始めています。環境問題を一つ一つ解決することに取り組んでいくサラヤ。今回は、ボルネオで絶滅の危機にあった野生動物であるオランウータンを守るための活動について取り上げます。...
サラヤ
サラヤとSports for Socialの取り組みが始まります-vol1-「世界の【衛生・環境・健康】の向上に貢献する。」を事業の柱に、ひとと地球にやさしい革新的な商品とサービスを提供しているサラヤ株式会社。Sports for Socialでは、サラヤの社会貢献事業、中でも同社が力を注ぐボルネオ島での活動に込められた想いを、連載として取り上げていきます。...

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