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子どもたちと野球の未来のために。横浜DeNAベイスターズ「やきゅうみらいアクション」

エンジョイBASEBALL(2021年)

子どもたちの野球競技人口の減少。運動能力の低下。「子どもたちの未来」「野球の未来」ための課題解決へ向けて、横浜DeNAベイスターズが始めた『やきゅうみらいアクション』。

合言葉は「“FEEL” BASEBALL」「 “TOUCH” BASEBALL」「 “PLAY” BASEBALL」。

「まずは、野球の面白さに触れ、楽しさを子どもたちに知ってもらいたい」という想いを土台に広がり続ける『やきゅうみらいアクション』。長年地域に根ざして活動を続けることができた理由とは。コロナ禍ではどのような活動を行ってきたのでしょうか。今回は、野球振興・スクール事業部 部長 會澤さん(以下:會澤)と野球振興・スクール事業部 コーチンググループ 畠山さん(以下:畠山)にお話を伺いました。

未来につながる、野球に出会う「きっかけ」づくり

ーーまずは「やきゅうみらいアクション」の主な取り組みについて教えてください。

會澤)ベイスターズの野球振興活動全体では、様々な年齢層にアプローチしています。その中でも、未就学児や小学校低学年に対してアクションを行っている活動を「やきゅうみらいアクション」と呼んでいます。私たちが特に力を入れている活動の一つです。

『やきゅうみらいアクション』の目的は、すでに野球をやっている子どもたちに野球を上達してもらうというよりは、野球に触れたことがない子どもたちにとって野球と出会うきっかけになることです。そこで、野球の楽しさ・素晴らしさを伝えたいと思っています。

『やきゅうみらいアクション』に参加した子どもたちに野球の楽しさや素晴らしさが伝わり、将来的に野球をやってもらえたり、横浜DeNAベイスターズに興味を持ってもらうことで、ゆくゆくスタジアムに足を運んでもらえたら嬉しいですね。

ーー具体的にはどのようなご活動をされているのでしょうか?

會澤)元々は小学校高学年を対象に、体育授業の時間に活動していました。そこから活動を続けていく中で「(早い段階で)まずは、野球の楽しさを知ってもらいたい」という想いから、2016年からは、習い事などを始める時期である小学校低学年を対象に活動を行うようになりました。

ーー初めてボールに触る、もしくは初めて野球に触れる子どもたちも多く参加されるということでしたが、活動の中で大切にされていることはありますか?

畠山)私たちの訪問活動で一番大切にしていることが、子どもたちに野球の面白さ・楽しさを感じてもらうことです。初めてボールに触る子や、すでに野球の経験をされているお子さんなど様々ですが、より多くの子どもたちにとって楽しい時間を過ごしてもらいたいと思ってやってきました。そのために面白さを、第一歩目の印象として感じてもらえるように工夫しています。

例えば、かごにボールを投げる玉入れ競争のようなゲームも行うなど、ボールに触れてもらうことで野球の面白さを感じてもらうということを一番に考えていますね。子どもたちの中では、すでに野球を経験しているお子さんたちもいるのですが、訪問活動授業の中で、面白さや楽しさを感じて、スクールに入りたいと希望される子もいます。

まずは、野球の面白さや楽しさを感じてもらうということが、野球振興への貢献に繋がっているのではないかと感じております。

コロナ禍でも子どもたちの思い出をつくりたい

ーー野球は実際に自分で身体を動かしてプレーすることで、楽しさが伝わる部分も大きいと思います。コロナ禍において、実際に集まって野球をすることが難しかった時期もあると思いますが、そのような状況下で工夫されていたことはありますか?

會澤)昨年はまだ新型コロナウイルスに関する情報が不確かな部分が多く、対策も全く手探りな状態でした。普段行なっている訪問活動は、基本的に出来ませんでした。その中でも、やはり「子どもたちと触れ合い、活動を行いたい」という想いがありました。

そこで、昨年はオンラインでの野球教室の開催に注力しました。例えば、オンラインイベントでは、選手が実際に打つ・投げる姿を見てもらったり、実際の打球を体験してもらう企画を行いました。さらに、オンラインでは他にも、手軽にお手元で野球を体験していただくために新聞紙を使ってグローブやバット、ボールを作り、家の中で野球を楽しんでもらうというイベントも行いました。

ーーコロナ禍でも『やきゅうみらいアクション』の活動を続けてきた中で、感じられた活動の意義はありますでしょうか?

畠山)そうですね。コロナ禍では、園で開催される予定だった定例行事やイベントも、どんどん中止になってしまいました。 我々の訪問活動も昨年は、オンラインでは継続できたものの、大幅に縮小しなければなりませんでした。そのため、子どもたちにとって特別な思い出を作る場が、とても少なくなってしまっています。

その中でも昨年はオンライン、今年は対面での活動を継続することで、子どもたちや園にとって良い思い出作りの場を作れたと思います。園のアルバムにも、年間行事のひとつとして、『やきゅうみらいアクション』の写真を載せていただきました。コロナ禍においても、子どもたちの心に残る思い出になれているという点では特に、この活動を続けている意義を感じますね。

ーーコロナ禍においても様々な工夫を重ねられてきたからこそ、ご活動の意義も再確認できたということですね。園や学校でも、出来ることが制限されてしまっている子どもたちにとって、長く心に残る、特別な思い出になったのではないでしょうか。
少しお話は変わりますが、将来的にどのような社会になっていたら横浜DeNAベイスターズが地域へ貢献を実感できると思いますか?

會澤)例えば、この『やきゅうみらいアクション』を通して、子どもたちが運動や野球を好きになる。それが、地域の子どもたちがより元気に、楽しく過ごせるきっかけになれていれば、私たちは社会に貢献できているなと感じます。

また、元々、横浜DeNAベイスターズには、「皆さんの日常に入っていきたい」という想いがありました。親子の間や職場、日常の会話で横浜DeNAベイスターズのことが話題に挙がることで、日々の生活に入り込めていると感じますね。将来的には、今よりももっとベイスターズがきっかけでコミュニティができたり、コミュニケーションを取ってもらえるようにしていきたいです。

ーーありがとうございます。『やきゅうみらいアクション』は、これからどのような活動にしていきたいですか?

會澤)我々の活動は悪く言うと、マンネリ化してしまう傾向にあります。そのため、常に新しいことにチャレンジしていきたいです。例えば、2年後に、「今では普通だけどこれはベイスターズが始めた取り組みだったよね」と言っていただけるような活動をしていきたいです。

ーーなるほど。ベイスターズとして横浜を盛り上げるだけでなく、スポーツ全体に影響を与えていきたいということなんですね。

會澤)そうですね。野球のみに限らず、教育などの分野でも活動を広げ、社会全体に貢献していきたいです。

ーー畠山さんは幼稚園・保育園、小学校の訪問活動では、今後どのようなご活動をしていきたいですか?

畠山)そうですね。横浜市(一部、横須賀市)以外でも、実はいろんな地域から野球教室のご要望をいただています。これからは、いただいたご意見やご要望を元に方向性を検討し、活動を広げていきたいと考えております。

『やきゅうみらいアクション』を長年継続できた理由

ーー継続するということは、とても難しいことだと思います。十数年間の間『やきゅうみらいアクション』の活動を継続できた秘訣を教えてください。

會澤)『やきゅうみらいアクション』を通じて、私たちも子どもたちから、日々元気をもらっています。それが、我々が活動を続けてこれた秘訣なのではないかと感じています。

畠山)幼稚園・保育園の訪問活動では、子どもたちが、たくさんの手紙を送ってくれるんですよ。地域の方々から、我々がいただいているものものを考えるとやめられないなと思いますね。

5年前、横浜DeNAベイスターズ5周年の際に、園の子どもたちにプレゼントさせていただいたベースボールキャップを幼稚園・保育園で今でも、訪問活動の度に子どもたちに身に付けさせてくださる園もあります。そうした姿を見ると、「やきゅうみらいアクション」のような活動をしていくことで、ベイスターズが長い間愛されていることにつながると思います。

私にとっても、訪問活動で出会う子どもたちの声や笑顔が活動を続けられる原動力になっていますね。

ーー地域の方々と共にお互いに何かを与え続けてきて、結果的にそれが継続に繋がっていたというわけですね。とても素敵ですね。最後に一言、お願いします。

広報・丸形)先ほど、5周年のキャップについてお話ししましたが、今年は「横浜DeNAベイスターズ」となって10周年目を迎えるにあたり、“感動を、みんなと一緒に未来へとつなげる”という想いのもと、神奈川県下の小学生および特別支援学校に通う約46万人の子どもたちを対象にフェイスカバー、ミニタオル、ナップサックのセットが入ったYDBギフトバッグを配布しました。

YDBギフトバッグ畠山)今回の企画は小学生対象ですが、幼稚園・保育園訪問でもグッズを兄弟揃って身に付けて見せにきてくれる子どもたちもいて、とても微笑ましいです。

こうした活動でも、地域とベイスターズは繋がっているということを実感していただきたいと思います。

ーーそうなんですね。ベイスターズにとっての特別な記念が、訪問活動で出会う子どもたちやご家族の特別な思い出にもなるのですね。とても素敵ですね。本日はありがとうございました!

編集部より

今回、横浜DeNAベイスターズさんのやきゅうみらいアクションについてお話をお伺いし、ベイスターズとして地域から愛され続ける秘訣は、「野球の魅力を幅広い世代に広め続けること」「地域の方々と補い合って、街づくりをするという意識」にあると感じました。

未来を担う子どもたちの世代から、街全体を支える行政の方々まで、多方面でベイスターズが街づくりのために関わり、アクションを起こすことで、野球だけでなく、地域全体も盛り上がる、そして元気になる。球団として、野球の未来を広げる以上に、”横浜DeNAベイスターズ”として、子どもたちや、地域、社会全体の今と未来を元気にしていきたい、そんな想いを感じることができました。

この記事を通して、「やきゅうみらいアクションの活動をもっと知りたい!」と思ったら、ぜひベイスターズさんのホームページを覗いてみてください!

やきゅうみらいアクション
https://www.baystars.co.jp/region/action/index.php

『横浜DeNAベイスターズ誕生10周年プロジェクト』YDBギフトバッグhttps://www.baystars.co.jp/ydb10th/project/giftbag/

DeNAスポーツスクール
https://www.baystars.co.jp/school/sports/

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