『イエローリボン運動』とは、「違いを尊重し、すべての人が参加できる社会へ」をモットーに、障がいのあるなしに関わらず共に暮らし支え合っていける社会を作る活動です。日本障害フォーラムが、2006年に国連で採択され2014年1月に日本が批准した『障害者権利条約』の実施を通じて、障がいのある人びとの社会参加を推進していくため、イエローリボン運動を提唱しています。
イエローリボン運動とは
日本にはさまざまな色のリボンを象徴とした活動があります。そのなかでも『イエローリボン』は、障がいのある人びとの社会参加を推進していくためのシンボルマークです。
「イエローリボン運動」とは、2006年に国連にて採択された『障害者の権利に関する条約』に基づき、人々の意識を変え、まちを変え、障がいのある人もない人も共に暮らし、 すべての人が参加できる社会をみんなでつくっていく取り組みを普及するための運動です。
『障害者の権利に関する条約』とは
1975年、国連は「障がいのある人々は同年齢の市民と同等の権利をもっている」という『障害者権利宣言』をしました。それから30年後の2006年に、これを実現するための国際条約として『障害者の権利に関する条約』(以下、障害者権利条約)が国連総会にて採択され、2008年に発効されました。
『障害者権利条約』は、障がい者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障がい者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障がい者の権利の実現のための措置等について定める条約です。どんなに重い障がいがある人でも、住み慣れた街で心豊かにその人らしく暮らし、学び、働くことができるという社会を目指しています。例えば、建物の入り口にスロープをつけたり筆談ボードを設置したりすることによって実現に繋がります。
イエローリボン運動は、障害者権利条約普及のためのアクションのひとつです。
犬のためのイエローリボン
日本では、上記のイエローリボン運動とは別の象徴として黄色いリボンが使われることもあります。
散歩中の犬の首輪やリードなどに黄色リボンが結ばれている場合、その犬に近づいてはいけません。「イエロードッグプロジェクト」といい、犬についているイエローリボンは、さまざまな理由から「触らないでね」「そっとしておいてね」というメッセージです。リボンではなくバンダナなどをつけている場合もあるので、黄色いサインを見つけたらそっと静かに見守りましょう。
海外における『イエローリボン』の意味
海外では、またさらに異なる意味で「イエローリボン」が象徴として使われていることもあります。
アメリカにおける意味
アメリカでは、戦争に送られ、一時的に祖国に帰ることができなくなった兵士達など愛する人に対して、帰りを待ちわびているという思いを表すシンボルとして使われています。
韓国における意味
韓国では、2014年4月16日に大韓民国の大型旅客船「セウォル」が観梅島沖海上で沈没した事故の際、「(乗客が)戻ってくることを切実に祈る」という意味で用いられ、全国的なキャンペーンが起こった時にシンボルマークとしてつけられました。
イエローリボン運動への参加方法
イエローリボン運動に参加する印として、「イエローリボンバッジ」「イエローリストバンド」「イエローリフレクターキーチェーン」「イエローリボンマグネットステッカー」があります。
価格帯は、200円〜1200円で購入しやすい値段で、購入については、日本障害者協議会のホームページにまとまっています。
身につけやすいものを選んでみてはいかがでしょうか。
まずはアクションから
どんなに重い障がいがある人でも、住み慣れた街で心豊かにその人らしく暮らし、学び、働くことができるという社会を実現するためには、まずは『障害者権利条約』の内容が広く知れ渡り、それぞれがすべきアクションについて考えることが必要です。
イエローリボン活動に参加することは、そんな社会の実現のための大切な一歩となります。みなさんのアクションによって未来の社会を変えることができるかもしれません。