『グラフィックレコーディング』とは、打ち合わせや講演などの内容を、文字や絵を使って記録する方法のことを言います。特徴としては、大きなホワイトボードや模造紙のような筆記物を準備し参加者がリアルタイムで記録を共有できることです。 この記事では『グラフィックレコーディング』のやり方やメリットについてご紹介します。
グラフィックレコーディングとは
『グラフィックレコーディング』とは、打ち合わせや講演などの内容を、文字やグラフィックを使って記録する方法のことを言います。大きなホワイトボードや模造紙を用いてリアルタイムで記録することが特徴で、全体の内容を共有しながら記録することができます。
打ち合わせなどの記録として主流なのは文字による議事録ですが、『グラフィックレコーディング』では、文字と同等かそれ以上にグラフィックを用いて記録をします。また、議事録と違って打ち合わせ中から共有することも大きな特徴です。
グラフィックレコーディングのメリット
『グラフィックレコーディング』の大きな特徴として、「その場にいる人の認識を統一しやすい」ことが挙げられます。耳で聴くだけでは統一しにくい情報であっても、グラフィック化して情報を可視化することにより、同じ情報を違う意味で捉えることが少なくなります。また、その場にいる全員がひと目で俯瞰することができるため、関係性や構造が頭に入ってきやすく、それぞれの認識を統一しやすくなります。
さまざまな世代が参加するビジネスシーンでの打ち合わせなどでは、世代による語彙の差や言葉への認識の差が出てしまうことがありますが、グラフィックを用いることで齟齬を生じにくくなります。
グラフィックレコーディングをやってみるには
『グラフィックレコーディング』に取り掛かる時に注意することは以下のとおりです。
線を意識する
『グラフィックレコーディング』はすべて1本の線から始まります。短時間に描く必要があるため、「見やすい太い線で」「なぞらずに」描くことが大切です。また、図形などはきちんと角を閉じることも大切です。角を閉じることによって丁寧なイラストとなり、視覚による認識がしやすくなります。
図形は簡単なものを
『グラフィックレコーディング』は打ち合わせや講演などでリアルタイムに描かれるため、図形なども短時間にサッと描く必要があります。多くのイラストは「○まる」「△さんかく」「□しかく」を組み合わせれば描くことができるため、これらを組み合わせて描くことを意識しましょう。いきなり本番で描こうとしてもなかなか上手く描けないため、自分なりの「イラスト集」などを考えておいてもよいでしょう。
人の感情を豊かに描く
『グラフィックレコーディング』では、人の感情を描くことも重要です。○の中に、目と口を入れることでさまざまなパターンの表情を表現することができます。
描くことを目的にしない
『グラフィックレコーディング』は、あくまでも打ち合わせや講演の内容を全体に共有するための手段です。描くことが目的となってしまうと、体裁などにこだわりすぎてしまい質の低い記録が完成してしまいます。目的を見失わず、全体が分かりやすい記録を目指しましょう。
上達のために
本番でいきなり取り掛かることはプレッシャーにもなりやすいですし、リスクも大きいです。特にビジネスの場で用いる場合は、失敗せずに実行することが必要です。失敗をしないために、まずは、インターネット上にある講演などの動画を視聴しながら『グラフィックレコーディング』の練習をしてみましょう。レコーディングを終えたら自分で記録を確認し、内容が正しく理解できるかどうかをチェックしてみましょう。
文字情報だけではない記録方法である『グラフィックレコーディング』。ビジネスシーンだけでなく、家族会議や地域の集会などでも取り入れてみてはいかがでしょうか。
グラフィックレコーディングのおすすめ書籍
はじめてのグラフィックレコーディング 考えを図にする、会議を絵にする。(久保田 麻美)
Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書(清水 淳子)