「多数が支持しているのならいいものであるはず」と感じ、自分も支持したくなる。このような心の動きを『バンドワゴン効果』と呼びます。 今回は、『バンドワゴン効果』の意味やその活用方法を、対義語として用いられる「アンダードッグ効果」と比較しながら解説していきます。
バンドワゴン効果とは
「バンドワゴン効果」とは、大勢の人が選択している事柄がより魅力的に見え、人々からの支持がよりいっそう高くなる現象のことです。「他人に遅れをとりたくない」「勝ち馬に乗りたい」という心理から起こる現象だと言えます。
バンドワゴンはもともと、「行列を先頭で率いる楽隊車」という意味で、それが転じて「人々が優勢な勢力につく動き」を指すようになりました。
バンドワゴン効果とアンダードッグ効果
バンドワゴン効果の対義語として用いられる心理現象として、「アンダードッグ効果」が挙げられます。
「アンダードッグ効果」とは、不利なチーム、弱い立場の人などに対して同情の心を抱き、つい応援してしまう心理現象のことを指します。心理学的なエビデンスによって説明される、人間の同情にまつわる心の動き、およびその現象を指す用語です。
バンドワゴン効果とアンダードッグ効果とでは、心の移ろいの方向性が違いますが、これらは事前にどちらが有利、不利という情報がなければ心理効果として働きません。そのため、事前情報が必要なバンドワゴン効果とアンダードッグ効果は合わせて『アナウンスメント効果』と呼ばれます。
バンドワゴン効果の活用方法
ビジネスでも、特にマーケティングの世界などでバンドワゴン効果は活用されています。
「人気ナンバーワン」と表示されている商品が良く売れる現象や、似たような店があった場合、すでに行列ができている店のほうに人が集中する現象など、私たちの日常生活にも、その事例は多く見受けられます。
スポーツとも身近なバンドワゴン効果
プロスポーツのリーグ戦が開幕する前には、多くの評論家がシーズンの順位予想をしますが、その中で多く支持を集めているチームをついつい応援してしまう。このような体験をしたことがある方も多いはずです。このように、バンドワゴン効果はスポーツとも身近であると言えるでしょう。有識者に指示されているという事実が、「多くの人が強いと思っているのだから、強いに決まっている」という先入観をもたらします。その結果、より多くの人の支持を集めるのです。
これらの点を踏まえたうえでスポーツ観戦をしてみると、いままでとは違う新たな視点で楽しめるかもしれません!