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ジュビロ飯が健康を作る!産学官民連携で目指す健康的な姿とは?

ジュビロ飯

栄養のバランスが取れた磐田市産の食材を使用したメニューと運動を合わせて楽しみ、健康で幸せな生活を目指すことを目的としてはじまった「ジュビロ飯」。

“スポーツ”と“食”を掛け合わせた健幸プロジェクト「ジュビロ飯」がもたらす効果と今後の展望とは?

産学官民連携で目指す健康的な姿について、磐田市役所スポーツ振興課・鈴木さん、産業政策課・飯尾さん、農林水産課・原田さん、静岡産業大学スポーツ科学部・江間先生(以下、江間)、ジュビロ磐田・加藤さん(以下、加藤)、池田さん、持永さんにお話を伺いました。

ジュビロ飯静岡産業大学で提供されている『スポーツタウンIWATA栄養満点プレート』

ジュビロ飯の定義

ーージュビロ飯とはどのような取り組みでしょうか?

磐田市)令和2年に発足した磐田市の「健幸プロジェクト」の一環です。「健幸プロジェクト」は、磐田市と静岡産業大学、農林環境専門職大学と磐田商工会議所と企業による産学官民連携という形でスタートしました。食とスポーツを起点に市民の健康生活向上と地域の経済活性化を図る、“食とスポーツで健康と地域貢献の実現”を目指すプロジェクトです。

健康づくりに役立つ栄養バランスのとれた食事や、食事の始めは野菜から食べるベジファーストの情報と日常生活の中で必要な運動情報の提供を「ジュビロ飯」を認定している店舗から市民に提供することで、地域を健康にするという取り組みです。

ジュビロ飯

磐田市)現在認定店舗は“9店舗”(2022年7月末時点)ありますが、その中には静岡産業大学と農林環境専門職大学の食堂や子育てセンターとみがおかの給食といった店舗以外にも展開しています。認定の主な基準は、認定基準に沿ったメニューの提供と、ベジファースト・運動の情報提供です。例えば、主食・主菜・副菜が揃っていて、その中でタンパク質食品を60gから150gの間で使用することだったり、野菜を120g使用することだったりと栄養に対してそれぞれ基準があります。
また、ビタミンDが豊富な食品と磐田産の野菜をそれぞれ1品以上使用することを設けています。

ーー筋力アップを食の政策として打ち出している背景として磐田市の課題感とはどのようなことでしょうか?

磐田市)磐田市の課題として、「30代・40代・50代の運動不足」があります。いわゆる育児世代のスポーツ実施率が低いことが挙げられます。

ーー大学の観点から見て、このジュビロ飯の取り組みをどのような意図で始められたのでしょうか?

江間)静岡産業大学は、地域に貢献できる人材を育成していくことを大学の理念として謳っています。昨年度設立されたスポーツ科学部が磐田市とジュビロ磐田に関わらせていただくことで、専門知識の獲得や人材育成を目的として学生を巻き込んだ活動ができればと考えています。

参加している学生の中から、この活動が地域貢献について考えるきっかけになったという意見が出ました。地域貢献活動に力を入れている企業に焦点を向けた就職活動を行い、地元の優良企業に内定をいただくなどの行動変容も起こりました。私も予想していなかったことが起き、学生教育という点でも良い成果が得られていると思います。

お披露目会静岡産業大学でのお披露目会にはジュビロくんも登場

地産地消のきっかけづくり

ーージュビロ飯を磐田市の住民への認知度はいかがでしょうか?

磐田市)認知度の観点でいうと、市民だけでなく店舗にもまだまだ周知できていないと感じています。チラシ配布やキッチンカーのイベント等で周知をしていますが、ジュビロ飯の認知度向上に向けて、今後は認定店舗からアイデアをもらいながら取り組みを進めていければと思っています。
ゆくゆくは、試合観戦をしてジュビロ飯を食べに行く、という循環をつくれたらと思います。

ーージュビロ飯の特徴として磐田市の食材を1品以上使用するということですが、具体的に何を多く使用していますか?

磐田市)現時点の認定メニューでは、チンゲン菜、パプリカ、しらすなどが使われています。磐田市は温暖な気候なので、さまざまな作物が収穫できます。今後は、日本一生産量が多い海老芋など、いろいろな品目を幅広くジュビロ飯に使っていただくことで、市全体の地産地消のきっかけになればと思います。

ジュビロ飯カツ丼でジュビロ飯に認定されているものも!(磐田グランドホテルにて提供)

スポーツの街を全面に押し出したプロジェクト

ーー食事だけではなく運動に関する情報提供をセットにした意図とはなんでしょうか?

江間)磐田市が行ったアンケートによれば、市民はジュビロ磐田のホームタウン活動を魅力的に感じています。その一方で、スポーツ・運動に関する情報提供が物足りないという結果になっています。磐田市民が物足りないと感じている点をジュビロ飯とセットにすることで解決できて、磐田市民の健康増進やSDGsの目標達成につながる可能性があるのではないかと考えています。

ーー実際に提供されている運動に関する情報とは具体的にどのようなものでしょうか?

江間)ジュビロくんが運動する様子を磐田市のホームページに掲載したり、実際にジュビロ飯を食べたあと運動をしている様子を提供していただいたりしています。
静岡産業大学としては、ジュビロ飯に関する情報が書かれたチラシを食堂に飾る、ジュビロ飯を頼んでくれた学生にチラシを見せて、運動のポイントを提供するなどの情報提供を行っています。

ーー磐田市として運動に関する情報をどのようにして提供していますか?

磐田市)現在、ジュビロ飯では、食事とランチョンマットの提供を同時に行い、隙間時間にできる運動メニューの周知を中心的に行っています。磐田市ではサッカーや卓球、ラグビーなどさまざまなスポーツが盛んに行われ、以前からスポーツの街を活かした取り組みを考えていました。そこで、“食”と“スポーツ”という絡みがないところでインパクトを与えようという狙いを持って情報提供を行っています。

ジュビロ飯を起点に新たな産業を生み出す

ーー今後のジュビロ飯の展望を教えていただけますでしょうか?

磐田市)行政の課題としては、スポーツに関する情報提供を強化しスポーツ実施率の向上を図る点、運動やバランスのとれた食事を通じて市民の健康生活向上を図る点、地産地消を推進していく点の3点が挙げられます。その中でも、地産地消の観点はより社会的意義が高くなっていくと思うので、そうした点を発信しながら、健康情報・運動情報を併せて発信していきたいと考えています。
また磐田市は製造業の街ですが、社会情勢が変化する中でそれに次ぐ新たな柱を立てたいという想いが行政としてあります。全国的にも有名な地元チームがある恵まれた環境なので、連携して新たな産業を生み出すことが最終目標になると思っています。

江間)教員だけが関わるのではなく、学生がアプローチをかけていくことで磐田市ならびに静岡県に貢献できるひとつの起爆剤になればと思います。栄養を気にしている学生もいれば、まったく気にしていない学生もいますし、痩せたい学生もいれば、パワーをつけたい学生もいます。多くの意見が出る中で、アスリートや一般の人に対してどのような栄養素が必要で、それを美味しく摂取するにはどうすればよいのか、飲食店や専門家の方々とディスカッションしていければと思います。

加藤)周知の観点でいうと私たちジュビロ磐田だけの力だけではまだ足りていないと感じています。“小学校の給食にジュビロ飯を導入する”というのが理想です。もしくは、ジュビロ飯の時だけでも良いので食べたら運動をする、という流れを小学校から徹底することで、大人になってもジュビロ飯の文化が残ると思います。10年先を見越してそうした動きをしたいと考えています。

ーー最後にジュビロ飯について伝えたいことはありますか?

江間)ジュビロ飯の定義に「ビタミンDを豊富に含む食品を取り入れること」が入っていますが、そこを強調しているプロジェクトは他にないと思っています。ビタミンDは丈夫な骨や筋肉を作るために重要です。食事からの摂取以外にも、日光に当たることでつくられますが、コロナ禍で外出が減り、ビタミンD不足が問題となりました。コロナ禍にはじまったプロジェクトというところで、ビタミンDを入れている視点は大きな特徴だと思います。

磐田市)これまで県内の運動に関する調査(「地域ブランド調査2021」の「スポーツのまち」として思い浮かぶ市町村ランキング 参照)は鈴鹿市が1位でしたが、昨年度はジュビロ磐田の認知度をはじめオリンピックでの卓球の活躍ということもあり、磐田市が1位になりました。
磐田市としても”スポーツの街”をより推進していきたいと考えているので、ジュビロ飯を今後広めていく中、そういったプロジェクトと連携することで、スポーツについて積極的に取り組んでいることを市内・市外にも発信できればと思っています。

ーーありがとうございました!今後の発展が楽しみです。

磐田市小学生一斉観戦
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