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「スポーツチームと行政が取り組む交通安全」~横浜F・マリノス×横浜市港北区~

横浜F・マリノス

地域の交通安全のために、スポーツチームのマスコットや選手が登場する場面は、よくニュースなどでも見かけますよね。行政の立場から見たときに、スポーツクラブやマスコットはどのような役割を果たしているのでしょうか。

今回は行政がスポーツチームを活用した事例の1つとして、Jリーグ 横浜F・マリノスの交通安全教室やランドセルカバーの配布などの活動を取り上げます。
スポーツチームとともに交通安全に取り組む想いを、横浜市港北区役所地域振興課に所属する地域活動係長の宮澤さん(以下、宮澤)と横浜F・マリノスのホームタウン担当の牧野内隆さん(以下牧野内)に伺いました。

ホームタウン活動に関する協定

ーーまず、宮澤さんから横浜市港北区と横浜F・マリノスとの関わりについて教えていただけますか?

宮澤) マリノスさんとは、2016年(平成28年)からホームタウン活動に関する協定を結んでいます。マリノスさんのホームスタジアムである日産スタジアムタウンが港北区にあるということで、ともに地域を盛り上げる活動を行っています。

ーー協定を結ぶきっかけはどのようなところにありましたか?

宮澤)協定を結ぶ以前より、一緒に地域を盛り上げる活動を行っていただいていましたが、マリノスさんの新横浜移転を機に、より連携を深めるために協定を結びました。

マリノスケと学ぶ「交通安全」

ーーマリノスさんとは、ランドセルカバーの贈呈など交通安全の面での関わりが多いと思われます。交通安全に関することは港北区の抱える課題にもなっているのですか?

宮澤)こちらの課題には長年取り組んでいますが、まだまだ交通事故件数が多い状況にあります。マリノスさんにもご協力をいただきながら少しでも交通事故を減らせるように取り組んでいます。

※神奈川県の交通事故件数:21,660件(令和3年1月~令和3年12月)引用:神奈川県警察HP

ーーこうした交通安全への啓蒙活動において、マリノスさんと一緒に取り組む意義をどのようなところに感じていますか?

宮澤)特に子どもたちを対象とした取り組みに関して、マリノスさんの発信力を強く感じます。
横浜F・マリノスのマスコットキャラクターである『マリノスケ』には、港北区安全安心大使を務めていただいています。マリノスケが交通安全教室に参加してくれることで、子どもたちが集中して話を聞いてくれたり、一生懸命に取り組んでくれたりするんですよね。

ーー子どもたちのマリノスケ人気は絶大なのですね!チアリーディングチームである『トリコロールマーメイズ』さんも参加されていたようですが、そちらも子どもたちへの効果はありましたか?

宮澤)交通安全教室でマーメイズさんは安全な歩き方や自転車の知識などを子どもたちに説明してくださったり、ダンスを披露してくださいます。子どもたちにとっては親しみやすく・楽しく交通安全を学ぶことができるのではないかと思います。

ーー『交通安全』という少し難しく聞こえてしまう課題に、マスコットやチアリーディングなどが関わることで親しみやすくなるのですね!

交通安全教室の様子

港北区の一員として「みんなが笑顔になる街に」

ーーでは、マリノスさん側にもお伺いしたいと思います。Jクラブが交通安全という課題に取り組む理由とはなんですか?

牧野内)交通安全はどこに住んでいてもずっとある課題であり、人々の一番身近な課題なのではないかと考えています。
私たちマリノスも横浜市港北区の一員なので、「街を良くしたい」「みんなが笑顔になるような街にしたい」そんな想いを持って取り組んでいます。
また、神奈川県は交通事故死亡者数が2021年には全国ワーストだったということで、こうした課題解決には今後もクラブとして積極的に取り組んでいきたいと考えています。

ーー実際にどのような場面で取り組む意味を感じていますか?

牧野内 )宮澤さんがおっしゃったように、マリノスケが交通安全教室に参加することで「子どもたちの取り組む姿勢が全然違う!」と警察の方もおっしゃいます。
そのような場面でサッカークラブとしての発信力や積み上げてきたものが地域に還元できているのかなと思います。

ーーマスコットの力はすごいですね!マスコット文化が上手く活用されているなと思いました。

牧野内)いろいろな場面でもそうですが、同じことを言う場合でも『誰に言ってもらうか』で伝わり方は大きく変わってくると思います。そのような意味でも、子どもたちにとって交通安全に関することをマリノスケから言ってもらうことで、より身近に感じられるのではないかと思います。クラブとしても、ファンづくりの一面から「小学生の頃にマリノスケが学校に来て交通安全教室をやってくれた」という認識を持ってもらえることは非常に嬉しいことです。

マリノスケ

なくてはならない存在

ーーJリーグクラブの中でもBIGクラブである横浜F・マリノスさんと一緒に何か取り組みをするという点で、港北区さん側ではなにか難しさを感じたことはありませんか?

宮澤)その点はまったく感じませんね!牧野内さんはじめ、マリノスの皆さまがとても協力的・積極的にやってくださって感謝しています。
港北区としても『横浜F・マリノスが区の魅力である』と考えており、マリノスさんの存在を通じて、区民の皆さんもより港北区に愛着を持っていただけるので、とてもありがたく思っています。

ーー港北区にとって横浜F・マリノスとはどんな存在ですか?

宮澤)地域を盛り上げていく上で、「なくてはならないパートナー」のような存在です。

牧野内)ありがとうございます。そのように言っていただけてとても嬉しいです。
私たちとしては、港北区さんという自治体単位だけでなく、多くの方にそのように言っていただけることが1つのゴールかなと思っています。 その地域にとって「なくてはならない存在」になることはすごく大事なことですし、ただサッカーをやっているだけでは叶えられないと思うので、これからもさまざまな活動に取り組んでいきたいと思います。

ーーありがとうございました!

横浜F・マリノス

マリノスケからのメッセージ

「楽しい学校生活にするために、交通ルールを守ろう!」

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