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『算数』を好きになる!アルバルク東京の算数ドリルはどう作られているのか?

アルバルク東京

男子プロバスケットボールBリーグ・アルバルク東京では、東京都内の小学6年生向けの算数ドリルを制作・配布しています。今年度は、都内9自治体の公立小学校全245校の小学校6年生(約22,000人)を対象に無償で配布され、授業をサポートする副教材として、算数の授業・家庭学習・総合的な学習の時間などで活用されています。
子どもたちの学習にとって、『アルバルク東京算数ドリル』という存在はどのような影響をもたらしているのか。算数ドリル作成委員としてドリルの編集に携わる小学校の先生(匿名、以下:先生)と、アルバルク東京の蓑輪えりかさん(以下:蓑輪)にお話を伺いました。

アルバルク東京算数ドリル

変化の激しい時代を生きる小学生

ーー新型コロナウイルスの流行によって、学校現場も変化していると思います。タブレットの導入など、現在の学校現場の状況を教えて下さい。

先生)2020年の4月、小学校が休校になるという事態になりました。こんなことは教員を16年近くやってきて初めて。私も子どもたちも「本当に学校が休みになるんだ」と、すごく驚きました。そのような中で、日本の将来を背負っていく存在である小学生の学びを止めないということが、休校以降の現場で最も求められることです。
多様な事態に対応できるようにするため、学校でのタブレットの普及が急速に進みました。私も社会の授業でインターネットを使ったり、体育の授業で走るフォームを撮影して比較させたりするなどの工夫をして授業しています。いまの子どもたちは家にタブレットがある環境の子が多いので、ほとんどの子が使いこなせていますね。

ーー学校の現場でもタブレットの普及が進んでいるのですね!普及したことによって、どういった変化を感じられていますか?

先生)子どもたちが自ら触れることのできる情報が増え、『楽しいもの』や『価値あるもの』を選択できるようになったことが一番大きな変化だと思います。
YouTubeで面白い動画があれば、すぐに子どもたちの間で話が広がっていきます。学習面でも、インターネットに繋がったことで、子どもたちがいろいろな学習コンテンツに触れることが出来るようになり、多様なコンテンツの中から自分の学びたいことを選択できるようになったと感じています。

アルバルク東京算数ドリル

先生が考える『アルバルク東京算数ドリル』の“価値”

ーー子どもたちが“コンテンツを選べる”時代の中で、『アルバルク東京算数ドリル』には、どのような価値があると考えていますか?

先生)子どもたちに『算数』に興味を持ってもらうことができ、なおかつ『アルバルク東京』を知ってもらえるのが『アルバルク東京算数ドリル』の価値です。
“計算”ドリルではなく、“算数”ドリルとして、子どもたちがより算数に興味を持ってくれるようにと考えています。そのため、ドリルの問題には、バスケットボールに関連する問題やアルバルクの選手が登場する問題を随所に入れています。このドリルをきっかけに算数の楽しさに触れ、自分たちで次のステップに進むためのツールになってほしいと考えています。

――この『アルバルク東京算数ドリル』は、学校ではどのように活用されていますか?

先生)現在は、子どもたちに配布して子どもたちの自主勉強用ドリルとして活用しています。バスケットボール選手が載っているレイアウトに子どもたちが興味を持ってくれて、楽しんで取り組んでくれていると他の先生からも聞きました。
今後は、算数の授業の中で、算数ドリルを活用していければと思っています。
面白いものには自分から選んで取り組んでいくような子どもたち側から「アルバルクのドリルを活用してほしい」と提案があれば嬉しいですね。

ーー活用方法については今後の展望が楽しみですね!
アルバルク東京の立場からは、このドリルの活用についてどのように感じていますか?

蓑輪)まずは、アルバルクの認知度を上げていく必要があると感じています。“地元にプロチームがある”、“こういう選手がいる”と知ってもらって初めて、子どもたちは「使ってみたい」と思ってくれます。先生方には素晴らしい内容のドリルを作っていただいているので、ファンを増やし、チームの認知度を上げていくことが私たちの役割です。
コロナ禍で数多くの学校を訪問することは出来ませんが、動画を作ったり、本業のバスケを教えたりするなどの取り組みをしていき、ドリルの普及にも繋がるという相乗効果を生み出せればと考えています。

アルバルク東京算数ドリル

今後は「さらに求められる算数ドリルを」

ーードリルは半期に1度改訂されていると伺いました。今後の改訂でもっと取り入れていきたいコンテンツなどはありますか?

先生)今後は、さらに“現場で求められる算数ドリル”を目指していきたいと考えています。そのためにも、このドリルのテーマである『算数』と『アルバルク東京』に興味を持ってもらうことをさらに強調していきたいです。
子どもたちが生のデータに触れ、実生活との関わりの中で算数について考えていくことが、『算数』に興味を持つためには重要なことです。今後は、選手の身長や垂直跳びの記録など、生きたデータをドリルに組み込んでいきたいです。

ーー具体的にはどのようなことを考えていますか?

先生)「最高身長2ⅿ以上」「シューズの大きさ35㎝」という、私が知っても驚くような選手のパーソナルデータを、算数の問題とうまく絡めていければ、このドリルの価値がさらに高まると思います。『2m』や『35cm』と『数』では知っているものを、実際にコートに行って選手の大きさ、シューズの大きさを体感するとその迫力に驚かされます。そのような体験から、『算数』や『数』に興味を持ってもらうような流れを作っていきたいですね。

内容について言えば、「作図」や「点・線対称」の問題では、選手の名前をローマ字で表して、点・線対称のローマ字だけの選手を選択するという問題を作成することで、選手の名前を覚えることもでき、今度は自分たちの名前で試すなど、クラス内での活動に派生することが期待できます。

教員の知恵を振り絞り、分かりやすくかつ楽しい問題にアレンジすることで、『現場で求められる』ドリルになるのかなと思います。私も含めて作成メンバーは、アルバルク東京のファンなので、アルバルクに対する“想い”をドリルにさらに込めていけたらとも思っています。

――先生の非常に熱い想いが伝わってきました!
最後に、蓑輪さんから、アルバルクとしての想いを教えてください。

蓑輪)先生方がアルバルクのことを第一に考えて作成してくれていることに頭が上がりません。そうした先生方への感謝の気持ちを忘れずに、今後も地域に対してクラブがどのような存在であるべきなのかを取り入れていけるように、制作を進めていきたいと思っています。

――ありがとうございました!

アルバルク東京

編集より

先日、このアルバルク東京算数ドリルの作成会議をオンラインで覗かせていただきました。算数の問題としての議論ももちろんですが、『どうすればアルバルクのためになるか?』ということを皆さん高い熱量で考えていらっしゃることがとても印象的でした。

そんな会議を経て、『算数も大好き、アルバルク東京も大好き』な気持ちが詰まったドリルになっています!東京都の子どもたちは是非楽しく使ってほしいと思います。

画像提供:アルバルク東京

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