スポーツ

「元気な街、秋田の実現」を目指し、中央大学小林ゼミが取り組む「福たすプロジェクト」とは?

「ブラウブリッツ秋田」と「中央大学FLP小林ゼミ」が地域活性化に取り組む「福たすプロジェクト」。スポーツ・試合観戦を通して秋田の人々の生活に「ちょっとした福」をプラスしたいという想いからスタートした「福たすプロジェクト」は2022年で9年目を迎えます。

今回は、小林勉教授をはじめ、小林ゼミから大川航生さん、内藤健太さん、須賀真平さん、川浪朱理さん、高出真帆さん、秦優希さん、市川桃加さん、平尾優奈さん、野口達也さんにお話を伺いました。

学生とJクラブが連携して秋田県が抱える社会課題の解決に取り組む「福たすプロジェクト」。小林ゼミのメンバーの想いとは?

始まりは偶然の産物

ーー福たすプロジェクトをはじめられた背景を教えていただけますか?

小林)ブラウブリッツ秋田で代表取締役社長を務めている岩瀬浩介さんと食事をしながら会話をする中で意気投合したことがきっかけです。その際に「地方のクラブだからこそ何でもできる」「小さいクラブだからこそ若い人のアイデアで」という言葉をいただいてプロジェクトがスタートしました。

「高齢化リスクが高い」「独居高齢者率が高い」という秋田県の社会課題を踏まえ、「高齢者をJリーグの空間に呼び込み、繋がりをつくる」という想いで活動していることは、現在に至るまで一貫しています。当時のJリーグでは、高齢者をターゲットにしアプローチする取り組みはなかったこともあり、秋田県の各メディアを含めJリーグにも注目していただき、そこから多くの取り組みがはじまりました。

ーー小林教授から見てゼミ生はどういった学生が集まっている印象でしょうか?

小林)基本的に、「泥臭いことを厭わない生徒」が集まっていると思います。見えないところで「地道に努力している」という点が共通しています。

ーーお話をお伺いして、小林教授の人柄やゼミの雰囲気がよく伝わってきます!

スポーツの新しい可能性

ーー学生の皆さんが「福たすプロジェクト(小林ゼミ)」に参加したきっかけを教えていただけますか?

大川)私は、大学入学にあわせて、愛知県から上京してきました。コロナ禍で入学し、「なにかこれをやった」と言い切れることが欲しいと思い、その中で「福たすプロジェクト」の話を聞き、スポーツの新しい可能性を感じ参加しました。

秦)コロナ禍の影響で入学してから何もできないまま1年生の春学期が終わってしまいました。「このまま何も得ないまま卒業してしまうのでは」という危機感が芽生え、大学生活で打ち込める活動を探している中で「福たすプロジェクト」を知り、参加しました。

平尾)中学、高校と部活動をしていませんでした。何に対しても本気で取り組むことがなかったので、「大学では一つでも何か自信を持って伝えられるような取り組みをしたい」と思ったことがきっかけです。また、元々スポーツを観ることが好きだったので、福たすプロジェクトに参加しようと思いました。

ーー福たすプロジェクトの活動を通して各々が意識していることはありますか?

市川)「秋田県の社会課題に対して意識を向けておくこと」また「外部の方と関わる機会が多いため必要最低限の準備をすること」を意識しています。

須賀)自己満足にならないことを意識しています。予測ではなく、実際に秋田県の皆さんの立場に立ち、どのようなことが幸せにつながるかを考えています。

川浪)憶測で行動しないことやゼミ生の中で認識にズレが生じないようにコミュニケーションをとることを意識しています。

ーーありがとうございます。きっかけはそれぞれですが、こうしてなにかに打ち込める環境に挑戦することはとてもよい機会だと思います!

プロジェクトを通じて、秋田と繋がり、魅力を知る

ーー皆さん秋田県にゼミの活動を通して行ったことあるとのことですが、実際に活動を通して秋田県の印象はいかがですか?

内藤)秋田県はご飯が美味しく、県民のお人柄がとてもあたたかいです。試合の際に声をかけていただいたり、竿燈祭りで出会った方にも、興味を持って話を聞いていただきました。

高出)先輩方の積み重ねもありますが、学生の活動を手助けしてくださる方々がたくさんいらっしゃいます。

大川)実際にお会いする際にも、SNSでコメントをもらう際にも、暖かく受け入れてくれる姿がとても印象的です。多方面でゼミの活動を秋田の皆さんに支えてもらっています。

ーー福たすプロジェクトを通じて、メンバーのみなさんが秋田との接点をもち、秋田を好きになっていっているのは素晴らしいことですね!

“福の輪”を広げる足がかりに

ーー今後の福たすプロジェクトにおける展望や目標を教えていただけますか?

高出)今年は久しぶりに対面開催ができるということで、対面でしかできない企画もあるのでそういった会える機会を大切にしたいと思います。来年は福たすプロジェクトが10周年を迎えるので、スポーツに興味がない方にも参加していただき、一人一人との関係が深まっていくような活動ができたらと思います。

川浪)より福たすプロジェクトが皆さんに応援される活動にしたいと考えています。これまで続けてきたことを踏襲するのではなく、新しいことに挑戦して活動を発展させたいと思います。

平尾)私はプロジェクトのキーワードの中に「福の輪」があると思っています。今年は新しい取り組みをしていく中で、「福の輪」がさらに広がっていくのではないかと感じています。来年10周年を迎えるということもありますし、ブラウブリッツ秋田やサッカーに限らず秋田県全体として「福の輪」が広がる足がかりにしたいと考えています。

市川)新しい企画に多く挑戦していくのでそれを成功させて今後も継続的に開催されるイベントにしたいと思います。また、これまで多くの先輩方がつないできた「福たすプロジェクト」をより多くの方に知っていただけたらと思います。

ーー最後に9月25日(日)の「福たすデー」について教えてください。「VR(バーチャルリアリティ)企画」と「ウォーキングサッカー大会」とはどのような企画でしょうか?

大川)「VR(バーチャルリアリティ)企画」は、選手のプレーを実際にVRを使い、どなたでもプロスポーツ選手のプレーを体験できる企画です。新しいスポーツの体験だったり、場所や怪我等の障がいにも縛られない新しいスポーツの形を提供できる企画です。

須賀)「より多くの方々にサッカーで身体を動かすことを楽しんでほしい」という想いがあり、ウォーキングサッカーの実施を提案しました。イギリスでは予防医療や健康増進のためにウォーキングサッカーを取り入れており、秋田県が抱える医療費増大、コミュニティ衰退という社会課題に貢献できるのではないかと思い、企画しました。

ーー両企画共に、楽しみながら社会課題に触れ、考えることのできる企画ですね!

内藤)ぜひ、記事を読んで興味を持ってくださった方々、ぜひ秋田県まで足を運んで私たちに声をかけていただいたり、福たすプロジェクトのSNSをフォローしていただけると嬉しいです!

ーー9月の「福たすデー」、そして今後の小林ゼミの活動を楽しみにしています。本日はありがとうございました!

福たすプロジェクト

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福たすプロジェクト 概要(ブラウブリッツ秋田 HPより)

「健康課題が多い秋田だからこそ」~ブラウブリッツ秋田・健幸プロジェクト〜高齢化率が全国で最も高い秋田県にあるサッカークラブとして、「健康」に焦点を当て、社会貢献活動に取り組むブラウブリッツ秋田。秋田健康幸せ(健幸)プロジェクトについて、社会連携事業部・伊東佑多さん(以下、伊東)に話を伺うと、秋田ならではの課題に向き合う姿勢が見えてきました。...
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