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【Criacao Shinjuku】新宿の街の課題解決をサッカーで~井筒陸也~

井筒陸也

『新宿の課題をサッカーの力で解決する』
「新宿」という街のイメージと「サッカー」がどう結びつくのか?その課題解決に真剣に向き合い、取り組んできているクラブが『Criacao Shinjuku(クリアソン新宿)』です。株式会社Criacaoの社員(広報担当)であり、そしてチームの主将である井筒陸也さん(以下、井筒)に、クラブのこと、そしてクラブに感じる価値を伺いました。

Criacao(クリアソン)はどんなクラブ?

ーークリアソンさんはどんなクラブなのですか?
井筒)クリアソンは、ホームタウンを新宿区にしているサッカークラブです。競技面では、2023年にJリーグのクラブになることを目指しています、(2021年シーズンは関東サッカーリーグ1部)。Jリーグクラブには東京23区内を拠点にしているクラブはまだありません。
『人・物・金・情報』が集まる東京の都心から、サッカーの力を使って社会を豊かにしていきたいと考えています。

ーー『サッカーの力を使って社会を豊かにしていく』とはどういった意味ですか?

井筒)新宿区には、地域で取り組むべき多くの課題がありますが、その中でも「サッカーの力で解決できることもあるのではないか」と思っています。ただサッカーをするだけでなく、サッカーを通じて新宿区の課題解決をしたい、クラブとしてはそう考えています。

ーー他のクラブと比べて、『新宿』という街をホームタウンにしているのは特徴的ですね。

井筒)そうですね。新宿区とは2020年の11月に包括連携協定を結んでいて、区からも期待をしていただいています。都心だと、なかなかグラウンドが取れないなどのネガティブな面もあるのですが、自分たちは『新宿』でやることに本当に価値があると思っています。
もう一つの特徴が、私もそうなんですけど、みんな仕事をしながらサッカーをしているというところです。『仕事』をお金を稼ぐためだけのものと捉えず、それぞれが自分の強みを生かしながら、サッカーだけではなくビジネスでも価値を作っていく、あるいはサッカーとビジネスを掛け合わせて価値を作っていく、ということにチャレンジしています。

森村昴太さんスーツを着て働く森村昴太さん(MF #24)

新宿区に求められるチーム

ーー新宿区とはどのようなお話をされているのですか?

井筒)学校や地域との連携を中心に、多文化共生、健康寿命延伸・健康作り、観光産業振興や地域商店街の活性化など、スポーツだけではない課題を解決し、新宿のポテンシャルをもっともっと広げていくために「クリアソンを使ってください」ということはよくお話しています。
例えば、新宿区の商店街の飲食店は2020年以降コロナの影響で大きなダメージを受けていました。そこをクリアソンが広告塔になってクラウドファンディングを行ったり、コラボメニューを開発してクラブのSNSで発信をしたりしています。
新宿区や新宿の街の方から「こんなことできない?」と言っていただくこともありますし、私たちからご提案したり、相互にコミュニケーションを取って活動しています。

ーー新宿区の課題というと、具体的にどのようなものがあるのですか?

井筒)新宿区には33万人が住んでいます。そのうちの10%ほどが外国籍の方で、例えば日本語を話せない人が病院に行ったとき、適切な診察を受けられるのか、もし災害が起きたとき、ヴィーガンの人のために避難所に食事が届くのかなど、課題に思うことが多くあります。そうしたときに、しっかりと地域に『コミュニティ』があり、その中でコミュニケーションが取れていると、困ったことがあったときの対処が上手くいくようになるはずです。

ーーたしかに、そうした意味ではクリアソンさんが取り組む『コミュニティづくり』というのは新宿にとって大切な活動ですね。

井筒)まさにそうです。新宿の場合は、多様なカルチャーが共存し、居住年数が短かったり、単身世帯が多かったり、そうした地元・地域のコミュニケーションというのが比較的取れていない状態になりやすい地域です。
そんな中で僕たちが新宿の方々に応援されるクラブになると、クリアソンを通じてファン同士が繋がって、例えば「どこに住んでるんですか?」とか「あの国の出身なんですか!」という会話が生まれ、そのコミュニティがセーフティネットにもなっていくかもしれません。あるいは、多文化が混じり合うことで、新しい何かを作り出すことができるかもしれません。そうしたきっかけ、ハブのような存在をクリアソン新宿は目指しています。『人と人とを繋いでコミュニティを作る』ということですね。

ーー『新宿』と聞くとあまり地元への愛着のある人が多いイメージはないですよね。

井筒)僕も新宿に来る前は、そういうイメージでした。しかし、歴史のある街なので、地元の方もたくさん住んでいて、愛着がある方も多くいらっしゃいます。一方で、僕も含め地方から出てきている人も多いので、コミュニティが希薄なのも事実ですね。

新宿グローバルカップの開催

ーー外国人のコミュニティという点で、『新宿グローバルカップ』を開催されていますね。

井筒)昨年は中止になってしまいましたが、今年は無事開催することができました。クリアソン新宿の選手・スタッフが運営協力として、プログラムづくりから、当日の進行までに携わりました。

新宿グローバルカップ
ーーありがとうございます。でもやっと動き出すことができ始めたっていう感じですよね。そのほかの課題解決への動きはどうなんでしょうか?

井筒)僕たちはスポーツを使って、幼児から高齢者の方までを豊かにできると信じて取り組んでいます。大学生向けであればキャリア教育、幼児向けにはスポーツ教室など、スポーツを幅広い年齢・国籍の方々に使ってもらうことで、関わる人々を豊かにしたいと思っています。

Jリーガーとしての活動と、地域リーガーとしての活動

ーー井筒さんご自身は、Jリーガーとして活躍されてからクリアソン新宿に来られていると思うのですが、Jリーガー当時の社会貢献活動と、現在の活動の違いって何かありますか?

井筒)Jリーガーのときもホームタウン活動には参加していました。ですが、選手は良くも悪くも全体像が見えないというか、クラブ側が見せてない。その活動が、地域のどんな課題の解決につながっているのか、どのくらい切迫感があって必要なことなのかなど、深く理解しないままに参加しています。Jリーガーであれば、それでも十分に価値があります。
それもいいことだと思いつつ、クリアソンには『自分で考えて自分でアクションする』環境があります。課題を見つけ、解決方法を考え、さらにちゃんとビジネスとして永続性があるものにする。そうしたことを考えながら、パートナー企業の方や行政の方と一緒に作戦を考えて、行動していくことは、もちろん難しさもありますが、やりがいを感じます。

ーー井筒さんは、もともとプロサッカー選手のときから、サッカー以外の仕事なども考えていらっしゃったんですか?

井筒)そうですね、僕はご縁があってJリーガーまでやらせてもらったのですが、もともとビジネスパーソンになることに興味があり、いつかはサッカーを離れてビジネスの世界に飛び込みたいということは考えていました。サッカー選手を続けるためには、当たり前ですけど、ものすごく練習をして、ずっとサッカーのことを考えてなくてはいけないので、やはりJリーガーの間は、他のことができませんでした。

ーーなるほど!クリアソンに来て、自分の中での変化が大きい部分はどのようなところですか?

井筒)Jリーガーのときは、切り出された一部分しか見えなかったなとは思います。今は、選手としてプレーをしながら、社内や社外の人たちとの関係性を作りながら、みんながハッピーになるために、様々な取り組みをつくっていく力はついたと思います。多分世の中には、僕がまだ把握しきれてない広がりがあって、自分も力をつけていくと新宿中の人たちがうまく噛み合って動くような、そんな絵も描ける気がしていて、そうした点はすごく成長したと感じています。

ーーありがとうございます!クリアソンのことから井筒さんのお話まで、とてもよくわかりました!

編集より

井筒さんとお話をすると、クリアソンが『新宿』というある意味特殊な街において、重要な役割を今後担っていくであろうことがわかります。彼らは、『サッカーの力』を信じ、また、ビジネス的な観点も常に持つことで、サッカーやスポーツの持つ価値を非常によく理解しているのだろうな、と感じます。

今後、『新宿』から見えてくる課題について、Sports for Socialとしても掘り下げていきたいと思います。

社会への接点だけでなく、その『強さ』でも街の力になるクリアソン。12/18(土)はJFL昇格のための重要な試合があります。チームの強さと、社会的影響の広がりを両軸で体現するクリアソン、これからも応援しています!

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