「日本人も栄養のバランスがよくない」状態を、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を使った商品や、サステナブルビジネスを進める会社のメッセージとして伝えている株式会社ユーグレナ(以下、ユーグレナ社)。
『SPURT(スパート)』(以下、『SPURT』)というアスリート向け商品を通して、どのようなことを伝えていきたいのか?
開発担当の岩城さん(以下、岩城)と、ブランドマネージャーをされている執行役員 ヘルスケアカンパニー営業・D2C担当の福本さん(以下、福本)に伺いました。(トップ画像は、ユーグレナ社がサポートする石垣島アスリートクラブ)
岩城 章代 氏
ユーグレナを若い世代に
ーー『SPURT』という商品を開発しようと思ったきっかけは何があるのでしょうか?
岩城)ユーグレナ社の商品は、通販を中心として50代後半から60代の方にご愛用いただいており、今後、若い世代にも手にとってもらえればと考えています。
今の若い世代は、さまざまな要因があると思うのですが、疲れやすい人が多いと言われています。様々なストレスによりカラダの機能が低下することで、疲れやすくなったりイライラしやすくなることもあります。ユーグレナを少し摂ってもらうことで栄養のバランスにつながり、健康的によくなっていってほしいなと。「人生100年」などと言われる現代社会で、今後も平均寿命は延びていくと言われていますが、健康寿命というより医療技術での延命になってしまったのでは悲しいことだなと思っています。
では、若い世代が栄養問題を積極的に考える分野は何か?と考え、『スポーツ』分野をターゲットにしました。これまで、スポーツにおいて栄養に関する訴求は「糖質を摂りましょう」「たんぱく質を摂りましょう」など、単体の栄養素での話が多かったのですが、そもそも栄養バランスが整っていないと、栄養を体全体にいきわたらせることができません。栄養が偏っていると、怪我をしてしまったり、体調を崩してしまったりということが起こりやすくなります。栄養バランスが整った状態でアスリート生活を過ごしていけば、引退後も健康的なスポーツライフが送れるのではないか、そのために多くの栄養素がバランスよく入った商品を提供したい、という形で開発しました。
SPURT(左:パウダータイプ、右:ゼリータイプ)
トップアスリートが感じる『SPURT』
ーー実際『SPURT』を摂るトップアスリートからの反応はいかがですか?
岩城)「良い状態で集中出来ている」「頭が冷静でいられる」「朝をスッキリ迎えられる」と言われることが多いです。アスリートは遠征が多いことやカラダを酷使していることから、コンディションを崩しやすいと言われているのですが「気づいたら最近コンディションが持続出来ている」という声もいただいています。
ーー選手もパフォーマンスのトップの部分を上げたいという声が多そうですが、それ以外の部分で効果を感じ始めているんですね。
岩城)おっしゃるように、今日その日の結果をどうにかして上げようという考え方が多いのが多くのアスリートの状況だと思います。例えば、今日試合があって、その翌日や翌週も試合があったりすることも多々あります。試合がある期間中、高いパフォーマンスを持続させることが大事なのですが、今日ホームランを打つこと、今日ゴールを決めること、など目先の結果を求めがちで、比較的筋肉がつきやすくなる、血糖値を上げて瞬間的にテンションを上げることができる商品がよく売れています。私たちとしては、『今日の試合も大事だけど来週も大事だよね、練習も毎日いい状態で臨んで質を高めないと効果が上がらないよね』ということをアスリートに知っていただき、理解を深めていかなければいけないなと思っています。
ーーアスリート側に、そうした日々のコンディションが大事だということを理解させることはいかがですか?やはりどうしても目先のパフォーマンスを気にしてしまう気がするのですが。
岩城)そのために、『SPURT』では「サステナブルアスリート」という考え方を提唱し、応援パートナー制度を導入しています。参画いただいたトップアスリートの方々に、『SPURT』を含めてバランスよく栄養を摂ることの体感を実感してもらっています。
アスリートは、トップレベルに行けば行くほど、今日だけではなくシーズンを通してどう高いパフォーマンスを出さなければならないか、次の遠征先でどうしなきゃいけないか、ということをよく理解してくださるので、そうしたアスリートの方々からの発信で、若い世代のアスリートにも中長期的な目線での栄養バランスの大事さを理解してもらおうとしています。
ユーグレナ社の公認スポーツ栄養士によるアスリート向けオンライン栄養セミナー
(サッカークラブ「沖縄SV」)
栄養の問題だと『気づく』ことが大事
ーー実際に栄養バランスを考えることで、変わったなという若い世代の声はありますか?
岩城)以前、高校3年生のバスケットボールの選手の相談に乗りました。技術や運動能力に長けている選手なのですが、大事な試合や試合終盤でパフォーマンスを落としてしまうのだそうです。原因はなんだろうと、試合を見たりお話を聞いていく中で、すごく緊張しやすい選手であることがわかりました。緊張で、あまりよく寝られていない、胃腸がうまくはたらかずお腹を下しやすい、などの状態があったのですが、そういう選手は「メンタルが弱い」などの評価を受けてしまいがちで、非常にもったいないです。それを選手の特徴として理解した上で、緊張で胃腸のはたらきが落ちやすい試合1週間前は『SPURT(スパート)』で栄養を補ったり、体重管理をするなどの対策をすることで次の試合で結果を出すことができました。
これは単に「気づき」の問題だと思っています。自身の課題に、栄養バランスや栄養の知識が課題解決につながるかもしれないと気づくことが大事だなと思っていて、そのような情報発信にもトップアスリートの方々にご協力いただきたいと思っています。たとえば、最初は自分が目標とする憧れのトップアスリートが『SPURT』飲んでいることを知って、かっこいいから飲んでみて、飲み続けていくうちに「調子が良いな」「パフォーマンスが安定しているな」などの体感を実感してもらえればいいなと思っています。
若い世代へのスポーツ栄養の講座も、公認スポーツ栄養士の資格をもったユーグレナ社のメンバーと共に支援策として行っているので、トップアスリートからの影響+スポーツ栄養講座で、若い世代の栄養に対する理解が深まっていけばと思います。
結果的に、長くスポーツを楽しめるカラダに
ーー引退後の健康状態というところを、アスリートの方々はどう認識していますか?
岩城)引退後のキャリアという意味では意識しているアスリートは多いですが、引退後の健康状態というところに意識が向くアスリートは少ないですね、やはり。目先の、このシーズンをどうコンディションよく過ごすか、という部分に意識がフォーカスされています。
ーーアスリートは自身の健康をどう認識しているのでしょうか?
岩城)自分は不健康ではないと認識している方が多いですが、「疲れていないですか?」「怪我したことないですか?」「風邪ひきやすくないですか?」「夜眠れていますか?」と聞くと、「たしかに。」とおっしゃる方は多いですね。疲れが続くこと自体、あまり健康ではない状態なのですが、なかなか自身で認識するのは難しく、「自分は不健康だから栄養バランスよく摂らないと」とはならないですね。
福本)『SPURT』のミッションとしては、トップアスリートの方々がより長くパフォーマンスを発揮できるように、というものを掲げているのですが、そこをアスリートの方々に強要する必要はないと思っています。例えば、目先の練習や試合に向けて体調を管理するために栄養バランスを意識することを10年続けて、10年後に振り返ったら、今の健康のために栄養のことを考えてきてよかったな、と。アスリートの方のモチベーションとしては『今日パフォーマンスを出す』『大事な時に体調を崩さない』『怪我をしない』というところが大事だと思います。目先のモチベーションだとしても、それが習慣になればずっと続くことになりますので、それはアスリート生活が終わった後の健康にも繋がっていくと思います。パフォーマンスを発揮するためのリカバリーとして『SPURT』を含めて栄養バランスを考える、結果として長期的に調子がいい、ということになっていけばいいなと思っています。
ーー『SPURT』を現在使われているユーザーはどのような方が多いのでしょうか?
岩城)疲労感の残りに悩んでいる方が現時点ではユーザーとして多いです。例えば社会人をやりながらスポーツも全力でされている方。極端に言うとフルマラソン走った翌日に仕事をしなければならない、という状況で、疲れをいかに残さないでスポーツのパフォーマンスを上げるか、という点を意識して購入いただいている方が多いです。
ジュニア世代のアスリートに関しては、親御さんがユーザーにすごく多いです。自分の子どもが頑張っていることに貢献したい栄養がたくさん摂れるよう料理をたくさん作ってあげなければならない、でもスポーツの栄養って難しい、などの悩みの解決策として『SPURT』を使ってくださっている方が多いですね。『SPURT』は、毎日摂らなくても、連戦の合間であったり、試合の前後であったり、スポットでも効果が出る、ということも悩みのハードルが下がる要素の一つだと思っています。
ーーありがとうございました!スポーツを通して、若い世代にも栄養バランスのことを考えるきっかけが『SPURT』を通じて作れるといいですね!
編集より
『スポーツにおける栄養』というのは、「知っているようで知らない」「気にしているようでできていない」ものだと改めて考えさせられます。
最高のパフォーマンスを出したい、というのはアスリートなら誰でも思うもの。1試合だけではなく、継続する。そのためのケアが自身の評価を高めるとともに、生涯のスポーツライフにもつながる。そんなことに改めて気づかされるお話でした!