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モータースポーツで広がる『共感の輪』~ダンロップによるピンクリボン運動~

ダンロップ

ダンロップ(DUNLOP)ブランドのタイヤやスポーツ用品で知られる住友ゴム工業株式会社では、今年の10月に国内モータースポーツシーンにおいて『ピンクリボン月間』への取り組みを行いました。ピンクリボン月間とは、1ヶ月間さまざまな活動を通して乳がんについての正しい知識を広めたり、乳がんの早期発見や治療、健診の受診を呼びかける運動のことです。

ダンロップでは、10月1日の「ピンクリボンデー」に開催された『2022 AUTOBACS SUPER GT』の第7戦を皮切りに、同社がタイヤを提供、サポートする全7チーム8台から賛同をいただき、タイヤサイド部のDUNLOPロゴや車両のDUNLOPステッカーを期間限定でピンク色に変えて参戦しました。
今回は、住友ゴム工業株式会社モータースポーツ部部長の竹内二郎さん(以下、竹内)にモータースポーツを通して、ピンクリボン運動を行う意義、始めたきっかけや経緯から、モータースポーツに対する想いについてお話を伺いました。

タイヤサイド部のDUNLOPロゴ。普段はイエロー(左)がピンク(右)に。

ダンロップフェニックストーナメント
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男性スタッフの提案からはじまった「ピンクリボン運動」

ーーまず、今回モータースポーツの現場でピンクリボン運動を行ったきっかけを教えてください。

竹内)弊社の若い男性技術スタッフが、「ピンクリボン運動に取り組みませんか?」と提案してきたことがきっかけです。胸につけるピンクのリボンのように、通常はイエローのダンロップロゴをピンクにしたらいいんじゃないかという提案でした。乳がんや子宮頸がんの検診率が少ないということは私自身も知っていましたし、意外に女性自身が検診をされないとも聞いたことがありました。なので、約8割を男性が占める、いわゆる“男社会”のモータースポーツの現場から、身近なパートナーとして声をかけることができればいいのではないかということで、社内の女性社員からの賛同の声もあり、この活動を行うことを決めました。

ーーモータースポーツ界の中でも新しい活動だったのではないかと思うのですが、まわりからはどのような反応がありましたか?

竹内)正直、反響が大きくてびっくりしました。私たちはタイヤなどの車両パーツの提供メーカーですので、まずはレーシングチームに承諾をいただかないとロゴを貼りかえることはできません。9月のレース開催時にあるチームに今回のピンクリボン運動の話を持ちかけたところ、横で聞いていた女性マネージャーの方から「それいいですね!」と言っていただけました。当初は車体のロゴを変更するだけの予定だったのですが、話を進めるうちにロゴだけでなく、マスクやリストバンドまで配布してくださったり、チームによってはリアに大きなステッカーを貼ってくれたりしました。

ダンロップ ピンクリボン運動レーシングカーのリアに貼られたピンクの『DUNLOP』ステッカー。左は住友ゴム工業の山本悟社長

ーー竹内さんたちの想定していた以上に活動が大きく広がっていったってことですね!

竹内)今回の活動は本当に皆さんに賛同していただいて、ここまで大きくなったと感じています。
レースアナウンサーのピエール北川さんも今回の活動に共感してくださり、レースの実況中継の時も今回の活動のことを紹介してくれました。
現地のサーキットビジョンにピンク色のDUNLOPロゴが映った際にも、我々の活動に触れてお話をしてくださったようです。私も10月1日に合わせてピンクのポロシャツを着ていったら、妙にウケてしまって他の社員も「ピンクのパンツ履いてます!」「ピンクのTシャツ着てきました!」という者が何人かいましたね。(笑)

ダンロップ 竹内さんレースアナウンサーのピエール北川さん(写真左)と打ち合わせをする、住友ゴム工業の竹内部長(写真右)

8割が男性のモータースポーツ界から伝えたいこと

ーーピンクリボン活動は主に女性を対象にした活動ですが、実際にモータースポーツを取り巻く環境や関わる方々にはどのような方がいるのでしょうか?

竹内)私の世代では、モータースポーツの世界最高峰レースである「F1」はテレビの地上波でよく放送されていましたが、今では有料チャンネルでしかほぼ視聴ができないものになってしまいました。なので、一般の方々にはその内容が知られていない業界とも言えます。ただ、今年3年ぶりに三重県にある鈴鹿サーキットで開催されたF1日本グランプリには20万人もの大勢の方が来場され、コアなファンが多くいらっしゃる業界でもあります。

ファンの中にも、“クルマ女子”と呼ばれる女性のコアファンもいらっしゃるのですが、男女比では圧倒的に男性が多いです。レースの現場には出場レーシングチームのドライバーやメカニッククルーに加え、我々のような車両パーツの提供メーカーのスタッフを含めてもやはり男性が多いですね。1レースで関係者が約2,000〜3,000人いるのですが、その中でも女性は、関係者、マネージャー、キャンペーンガールさんたち含めて200人から300人程度です。

キャンペーンガールダンロップ・キャンペーンガールたちも、ピンクでコーディネート

ーー今回はピンクリボン運動がモータースポーツの現場において広がっていったわけですが、ほかにもみんなで賛同しよう!となった社会貢献活動はありますか?

竹内)東日本大震災の時は、スーパーGTでレーシングカーのボンネット部分やウィンドウ部分に「がんばろう日本」などというメッセージを全チーム掲げました。さらに2021年2月に起きた最大震度6強の余震では、福島県二本松市にあるサーキット場が崩れてしまったこともあり、サーキット場の復旧に向け関係者で募金活動を行いました。

白河だるま
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共感の輪を広げるために「お互いがお互いを優しく気にするようになれば」

ーー男性の割合が多い世界で、このような活動をする意義はどのように感じていますか?

竹内)女性、男性関係なく、みんなお互いがお互いを優しく気にするようになればいいのではないかと思います。

以前、九州の大会でレースに出場されていた方で、奥さんを乳がんで亡くされた方がいらっしゃったのですが、その方もこの先1人でも乳がんによって亡くなる人を減らすために、ということで個人的にピンクリボン活動を行っておられたようです。近年世の中でも徐々にピンクリボン活動のことが認知されてきましたが、そんなタイミングで今回私たちから大々的に活動を行ったことの反響は、彼に対しても大きかったようで、彼からも「共感してくれてありがとう」と言っていただきました。私たちのチーム関係者の中にも親戚に連絡し、実際に検診に行ったところ乳がんの一歩手前のところのがんが見つかり、早急に手術をすることができたと報告も受けました。

私たちは競技だけではなく、小売店でタイヤなども販売させていただいているので、一般の方々にもこうした社会貢献の活動が届きやすい会社です。それはビジネスの面でも重要なことですが、このような社会貢献活動を届けることでさまざまなことの認知の輪を広げることができるのではと考えています。今回の活動も、もしかしたらモータースポーツの現場関係者の2,000人だけかもしれないし、2万人ほどの観客の皆さんだけかもしれないですけど、「10月はピンクリボン月間だ」ということを知っていただけただけでも、何かが変わるきっかけになれれば嬉しいです。

ダンロップ関係者で記念撮影

社会貢献活動を通してより多くの人にモータースポーツを知ってもらいたい

ーーモータースポーツという、ダンロップさんだけでない他の企業やステークホルダーが多い中、これだけの共感や一体感が生まれるのは、スポーツの中でもモータースポーツのすごいところなのではないかと感じています。何か今後モータースポーツを通して行っていきたいことがあったら教えていただきたいです。

竹内)サーキット場はアクセスしにくいところにあることが多いので、なかなか足を運び辛いところもありますが、本当に1人でも2人でもモータースポーツに興味を持っていただけたら嬉しいです。モータースポーツに参戦する若者の土台もしっかり作りたいですし、最近では女性だけのレース(KYOJO CUP)のサポートも行っています。さらに障がいをお持ちの方のレースのサポートもしていきたいです。
実は、今回のピンクリボン運動の準備期間は3週間しか設けられませんでした。ですが、今回本当に予想以上の大きな反響をいただいたことは嬉しい喜びでした。単発ではなく、2年、3年、その先も続けていきたい活動ですので、今後はロゴだけでなく、チームのメンバーが着用するグッズなどにも輪を広げ、よりいろいろな視点から『ピンクリボン運動』に興味を持っていただくとともに、モータースポーツの盛り上げにも繋げていきたいです。

ーー今後もスポーツそして社会貢献という観点からモータースポーツに注目していきたいなというふうに感じております!竹内さん、本日はありがとうございました!

モータースポーツを知ろう!

ご自身もドライバー出身の住友ゴム工業竹内さん。「多くの人にモータースポーツの魅力を知ってほしい!」という竹内さんのおすすめはその“音”。興味を持った方は是非サーキットに行って体感してみてください!

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