「ボッチャをやってみたい!」
東京2020パラリンピックあたりから、そのような声が多く聞かれるようになってきています。2022年4月から一般社団法人日本ボッチャ協会のゴールドトップパートナーを務めるかんぽ生命は、本社や支店のメンバーを集めた社内ボッチャ大会を開催しました。
かんぽ生命がボッチャを支える理由、そしてボッチャを体験することで得られるものについて、広報部長の福嶋亮介さん(以下、福嶋)と、サステナビリティ推進室の佐々木晴香さん(以下、佐々木)にお話を伺いました。
ラジオ体操とともに育てる「いつでも・どこでも・誰でも」
ーーかんぽ生命さんは2022年4月から一般社団法人日本ボッチャ協会のゴールドトップパートナーになられました。そのきっかけはどのようなものですか?
福嶋)2018年から、かんぽ生命は一般社団法人日本車いすテニス協会のトップパートナーを務めています。会社として、社会から求められるサステナビリティや多様性のことなどを考えたときに、1つの競技だけでなくもっと幅広くパラスポーツを支援したいと検討を進める中で、パラリンピックで注目されていたボッチャに出会いました。
ーー数あるパラスポーツの中から、ボッチャに決められたのはなぜでしょうか?
福嶋)かんぽ生命がある意味ラジオ体操を作った会社だということはご存知ですか?
ラジオ体操は、1928年にかんぽ生命の前身である逓信省簡易保険局が制定したもので、『いつでも・どこでも・誰でも』手軽にできる運動として、かんぽ生命で普及を進めているのですが、このコンセプトがボッチャと非常に近しいものだと思っています。このシンパシーを感じたことがボッチャを支援することの大きな決め手になりましたね。
ーーたしかに、ボッチャの手軽さやさまざまな人との交流は、ラジオ体操と似ているところがありますよね!
福嶋)私たちとしては、「ラジオ体操と一緒に成長していきたい」と思っています。言葉として『ラジオ体操』の認知度は言うまでもなく、『ボッチャ』も多くの人に知られてきています。
ですが、認知度はあるものの実際にやっているかという観点でいくと、特にラジオ体操に関してはまだ課題がある状態だと考えています。お互いに助け合いながら、実際にボッチャやラジオ体操を『実施』する機会を増やしていきたいですね。
「すぐにできて、奥が深い」ボッチャの魅力
ーー福嶋さん、佐々木さんが思う、ボッチャの魅力はなんですか?
福嶋)ボッチャは非常に繊細で仲間とのコミュニケーションが大切なスポーツだと思っています。ボッチャは、“氷上のチェス”とも呼ばれるカーリングによく似ていると言われ、戦略が非常に大事になってきます。しかし、的を動かせるボッチャはそれ以上に複雑ですよね。
そんな見た目以上に奥の深いスポーツであることもそうですし、特別な技術がなくてもプレーできるスポーツであることも魅力に感じています。
佐々木)先日、かんぽ生命社内でボッチャ体験会をしたときに、『すぐできる』スポーツであることの魅力に気がつきました。ボッチャをまったく知らなかった人たちが、15分も経たないうちに自分たちで試合を始め、それぞれ楽しんでいる光景が広がっていました。場所も簡単にできることもあり、多くの人に広がりやすいスポーツだと思いました。
ーーそうしたハードルの低さは魅力的ですよね。実際やってみて、難しさを感じることはありますか?
福嶋)安定して狙い通りに投げることの難しさを感じます。先日、ボッチャ大会に出場した際には、ミラクルショットもあったのですが、とんでもないところにいってしまったり。
トップレベルの方々は、そうした方向性や距離感の精度がすごいんだなと、技術の差を感じますね。
ーーいわゆる「足が速い」などの運動神経に左右されない競技ですよね。
福嶋)どちらかというと、仲間とのコミュニケーションや繊細さが大事ですよね。
こんなにも参加者が!社内ボッチャ大会を通してわかるボッチャの価値
ーー先日行われたかんぽ生命社内のボッチャ大会。福嶋さんと佐々木さんは運営側として関わっていましたが、ご感想はいかがでしたか?
福嶋)多くの参加者が集まってくれて、嬉しいというより驚きでしたね。大会を企画した当初は、正直そこまで期待していませんでした。しかし、蓋を開けてみると34チーム、応援も含めて120名以上の方に参加していただきました。
ーー本社勤務の方だけでなく、東京の郵便局にお勤めの方も参加されてましたね。
福嶋)それも驚きのひとつです。郵便局には、かんぽ生命のコンサルティング営業を実施する社員がおり、2022年4月に約13,000人の新たに加わった仲間と「新しいかんぽ営業体制」のスタートを切ったところですが、そういった状況のなかで、コミュニケーションや一体感の醸成は非常に必要だと考えていたので、いくつかのチームが手を挙げ、時間をかけて準備し、参加してくれたことがとても嬉しかったですね。
ーー社員の方がこれだけ集まった要因は、どのようなところにあるのでしょうか?
福嶋)ボッチャがパラリンピックを通して認知度が向上していたことと、その競技の手軽さがあると思います。私たちも広報部として、社内にボッチャの認知を高めるために、動画を展開したり、ボッチャキットの貸出を行ったりしてきました。そうした露出をしていく中で、徐々に「ボッチャやりたい」という人が増えていきました。
今では、全国各地の支店から、ボッチャをやりたいという声が多く上がってきており、かんぽ生命社内における裾野は広がってきたと感じています。
佐々木)実際に社内大会の参加者に参加した理由を聞くと、「ボッチャをやってみたかった」という人もいると同時に、「社員で集まる場に参加したい」という意見や、「知り合いと同じチームになることが楽しみだった」という方たちもいらっしゃいました。
なかなか仕事以外でコミュニケーションを取る場がなかったので、注目していただいたと思います。
ラジオ体操と同じように普及できる!
ーー今後、かんぽ生命としてはどのようにボッチャを広げていくのでしょうか?
福嶋)ボッチャをどう普及していくかに関しては、私たちがやるべきことはラジオ体操と一緒だと思っています。ラジオ体操も、かんぽ生命の全国にいる社員が、その地域に貢献する一つのツールとしての役割を果たしています。地域とのコミュニケーションツールとして、ボッチャもより広く活用することができたらと思っています。
ーー地方の郵便局では、高齢者とのコミュニケーションという意味でも大きな役割を果たしそうですね。
福嶋)これから先、ゲートボールだけではなくてボッチャも公園でされるようになるとおもしろいですね。ラジオ体操も含め、こうした地域のコミュニティを作り、高齢者がイキイキと活動するための選択肢が増えることは本当にいいことだと思います。
子どもたちと高齢者を繋ぐという意味でも、ラジオ体操やボッチャなど、「いつでも・どこでも・誰でも」できるものが地域に根付いてほしいと思っています。
ーーボッチャの可能性が広がりますね!本日はありがとうございました。