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デフフットサル世界一の選手によるトークショー開催!~ネットワンシステムズ主催イベント~

ネットワンシステムズ イベント

2023年11月、日本代表の『デフフットサル女子代表』が世界選手権で優勝し“世界一”になったことをご存じですか?
前回大会チャンピオンの強豪国であり、開催国でもあるブラジルを決勝でPK戦の末に破っての優勝。2024年3月に初めて冬季デフリンピック競技にも採用されているデフフットサル女子日本代表への期待は日に日に高まっています。

そんな中、2024年2月に日本で唯一の女子デフフットサルチームである『SDFCアレグリーナ』をスポンサードするネットワンシステムズ株式会社にて、地域の方や社員・その家族に向けたデフフットサル体験イベントが開催されました。

本イベントは、聴覚障がいを持つアスリートの方たちの支援、デフフットサルの認知向上を目的に『SDFCアレグリーナ』を支援するネットワンシステムズが、2025年デフリンピック東京の開催に向け、デフスポーツの普及啓発、聴覚障がいの理解促進に寄与すべく、開催場所の品川区も後援に入ったイベントです。

その中で行われた、『SDFCアレグリーナ』監督の中西斗母さん(以下、中西)、SDFCアレグリーナ選手で世界一を経験した川畑菜奈さん(以下、川畑)によるトークショー・イベントの様子をお届けします!

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健常者と変わらない!デフフットサルのおもしろさ

ーー川畑さん、昨年11月のデフフットサル世界選手権の優勝おめでとうございます!

川畑)ありがとうございます!とても嬉しいです!

デフフットサル日本代表 川畑菜奈さんデフフットサル日本代表 川畑菜奈さん

ーーまずは中西さんから、普通のサッカーとデフフットサル、デフサッカーの違いについて教えていただけますか?

中西)ルールはまったく同じです。ただ、私たちには聴覚障がいがありますので“笛”での試合中の合図がわかりません。笛の代わりにフラッグを使って視覚的にその様子を伝えています。本当にそれだけで、あとは健常者のサッカー・フットサルとまったく変わりません!

ーー試合に集中していたら、フラッグが上がっているのが見えない!ということはないのでしょうか?

中西)それはたくさんありますね(笑)。気づいた選手がまわりの選手に伝える、お互いに協力し合って気づかせあうシーンは多いです。

ーーそうですよね。ですが、それ以外は健常者のサッカーと同じということで、川畑さんはSDFCアレグリーナ以外にもチームに所属しているんですよね。

川畑)そうですね。耳が聞こえる方と一緒のチームでプレーしています。

ーー一緒にプレーする際に難しいことはありますか?

川畑)自分の後方から声だけで指示を受けてもわからないので、とにかく“見る”ことを意識しています。チームメイトにも、口での指示ではなく、できるだけ身振りで大きく指示を出してもらっています。

ーーチームメイトとも協力しながら取り組むことで、一緒にプレーできるようにしているのですね!

SDFCアレグリーナ監督 中西斗母さんSDFCアレグリーナ監督 中西斗母さん

ーー2024年3月には、冬季デフリンピックに初めてフットサルが入り、川畑さんも出場されますよね。どのような期待がありますか?

川畑)世界選手権で優勝したことにより、他国からの見られ方も変わってきたと思っています。王者の立場で、王者としてのプライドを持ちつつ、それでもチャレンジャー精神も持ちながら試合に挑み、デフリンピックでも優勝を目指します!

ーー2025年の東京開催のデフリンピックに向けてはいかがですか?

川畑)自身のプレーについては2024年の冬季デフリンピックが終わってから考えたいなと思っています。ただ、多くの国が集まるこの大会が、日本で開催されることに非常に大きな意義を感じています。日本は、他国と比べてもデフリンピックの認知度が低い国だと聞いています。そうした場所でデフリンピックを開催できることが嬉しいですし、この機会にいろいろな人にデフリンピックを知ってもらいたいです。

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コミュニケーションがもたらした優勝

ーーデフフットサル世界選手権のことについて伺っていきたいと思います。優勝の秘訣は何だったのでしょうか?

川畑)いろいろな要素があるのですが、予選リーグで思い通りにいかない試合があり、チームの雰囲気が悪くなってしまったことがありました。そのときに、みんなが言いたいことを言い合い、話し合いを重ねたことで最終的なよい結果に結びついたのではないかと思います。

ーーピンチを乗り越えたからこその結束力だったのですね。

中西)チームで活動すると、それぞれの選手ごとに考え方も違います。グループリーグでの悔しさが、改めて向き合ってお互いに精神的に向上させ合う結果になったと聞き、そうした意味でもコミュニケーションは重要なものだと再認識しました。

ーーきつかったり大変だったことはありますか?

川畑)日本からブラジルへの移動が大変で、合計30時間かかったのはきつかったですね(笑)。私の場合は、現地の食事も大丈夫だったので、それ以外は問題ありませんでした。

ーー試合がない日はどのように過ごしていたのですか?

川畑)男子チームの試合のライブ配信をチームメイトの部屋に集まって一緒に見て応援していました。ホテル内のジムでのトレーニングも行いました。

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聴覚障がいについて知ることの大切さ

ーーSDFCアレグリーナの監督である中西さんは、ネットワンシステムズの社員としても普段働いていらっしゃいます。まわりとのコミュニケーションは普段どのように取られているのでしょうか?

中西)コロナ禍以前は、直接対面してコミュニケーションを取っていましたが、リモートワークが多くなってからそれが難しくなりました。私自身、電話ができませんし、PCの画面越しでは、口形を読んで理解することが難しいです。

上司と相談し、ビデオ会議の音声を字幕に変換できるものを導入したことでリモートでもコミュニケーションが取れるようになりました。

ーー対面だと中西さんも川畑さんも口形を読んで、手話をしなくてもコミュニケーションを取れるのですが、リモートワークだと難しさもあるのですね。お互いに歩み寄ってコミュニケーションを取る方法を模索した結果なのかなと感じました。仕事以外の、生活している中で不便さを感じていることはありますか?

中西)今もインフルエンザなどの対策として、以前よりも多くの方がマスクをしています。口形を読めないと、私の場合はなかなか会話の内容はつかめません。例えば、スーパーなどで買い物しているとき、店員の方はマスクをしていることも多いです。感染症のこともあるので、「外してほしい」とはこちらから言いづらく、大体の会話を想像しながら、「袋いりますか?」と聞かれているのかな?など、イメージだけで対応していることもあります。

ーーそうなのですね!

中西)携帯の音声から文字起こししてくれるアプリを使って、そこに話しかけてもらうこともあります。私たち聴覚障がい者はマイノリティですので、手話を覚えてくださいということではなく、私たちが聴者に合わせていくということは大事なことだと感じています。そうしてコミュニケーションを重ねる中で、私たちは耳が聞こえないということをわかっていただいて、お互いに感謝の気持ちを伝えあうと、少しずつ暮らしやすくなるのではないかと思います。

ーー私たちもできることがあれば寄り添っていって、お互いに歩み寄りながらお互いに気持ちよく過ごせる空間を作っていきたいなと思います。

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ーー用事があるときには、お互いに寄り添いながらコミュニケーションを取れると思うのですが、何気ない会話をするときに、どのように話しかければいいのでしょうか?

中西)肩をたたいて呼んでくれたり、身振りやアイコンタクトなどで会話のきっかけづくりをしてくれたらいいなと思います。「話したい!」という気持ちを持ってくれているのは嬉しいことなので、その気持ちをアピールしていただくことが一番大事だと思います。

川畑)聞こえない人の中でも、手話がわからない人もいるので、初めて話す際にはどういったコミュニケーション方法をとる方なのかを探りながら話していただけると助かります。

ーー伝わるのかな、迷惑じゃないのかなと思ってしまうこともあると思うのですが、話したいという気持ちを伝えることが大事なのですね。

中西)やはり、手話ができないということは、言い方を変えれば言葉がわからないのと同じです。話しにくいと考えるのは皆さん同じだと思います。ただ、手話がわからなくても、コミュニケーションを取る方法はたくさんあります。今日のイベントをきっかけに、いろいろな方法があることをわかっていただいて、コミュニケーションを取るきっかけになればいいなと思います。

川畑)中西さんの言う通り、このイベントをきっかけに、私たち聞こえない人と関わることへのハードルが下がればいいなと思います!
皆さんが話しかけづらいと思っているのと同様に、私たちも話しづらいと思うこともあります。みなさんが話していると、どのタイミングで話しかけていいのかわからないということもよくあります。お互いに、「いろいろな方法を使って伝えることができる」ということを知っていれば、いままでよりももっとコミュニケーションを取りやすくなるのではないかなと思います!

ーーありがとうございました!

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イベントの様子

アイスブレイク・フットサル

アイスブレイクでは、声を使わずにコミュニケーションを取りながら、伝言ゲームなどを楽しみます!手話が使えなくても、創意工夫をしながらコミュニケーションを取り、同じ星座で集まったり順番を並び替えたり、さまざまなことができました。

フットサル体験では、大分トリニータから片山コーチ、内野コーチが参加!子どもたちを中心に、たくさん体を動かしました。大人(経験者)は隣のコートでフットサル。こちらでも声を出さずに試合をしてみました!

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手話講座

トークショーの司会の首藤さんも手話を勉強しています。そこで教わったのが、手で正しい動きをすることよりも、表情やボディーランゲージを豊かにする方が伝わるということだそうです。手話できないから話しにくいということではなく、できるだけ遠慮せずにどんどんとコミュニケーションをとっていきましょう!

手話「やばい」 手話「デフリンピック」

ユニバーサルスポーツ

コート横では、ボッチャなどのユニバーサルスポーツコーナーも!誰でも一緒に楽しめる空間ができ、聴覚障がいのある中西さん、川畑さんとも一緒に楽しみました!

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