日本のお正月の風物詩、箱根駅伝。100年以上の歴史のあるこの大会は、多くのドラマを生んできました。正月の風物詩です。
「見たことがない」という人がいないほど日本では定着したものですが、より“楽しく箱根駅伝を見る”ための「ルールブック」を作成しました!
『“にわか”のためのルールブック』は、見えるをデザインするブランド『WAVE』とのコラボレーションで実現した連載です。
「スポーツの“見える”をもっと楽しく!」をテーマに、さまざまなスポーツの“にわかファン”向けコンテンツを発信していきます。
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基本情報:箱根駅伝とは?
「東京箱根間往復大学駅伝競走」(以下、箱根駅伝)は当初、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、東京高師(現筑波大学)の4校が応じ、1920年2月14日午後1時に第1回大会が「四大校駅伝競走」の名称でスタートしました。
回数を重ねるごとに参加学校数は増え、現在ではオープン参加の関東学生連合を含めた21校が参加し、毎年多くの人々が注目するビッグイベントとなっています。
さまざまな歴史をそのそばで見てきた箱根駅伝は戦時下で一時中断を挟みましたが、次回大会で101回目を迎えます。
ここがおもしろい!観戦前に知っておきたい豆知識
知っておきたい箱根駅伝用語
山上り・山下り
『山上り』
5区といえば「山の神」や劇的な展開が生まれるドラマティックな区間!
箱根往路のクライマックスとも言える5区では、選手たちが 標高差800m以上 を一気に駆け上がります。これってほぼ”登山”と同じような高さなんです。山道を駆け抜ける姿は圧巻で、観る人を釘付けにします!
参考例:高尾山(東京・八王子)→ 標高差409m、六甲山(兵庫・神戸)→ 標高差900m
こんな高さを選手たちは走って上ります!それだけで応援したくなりますね。
『山下り』
区は スピード感 がハンパない!箱根の山を一気に駆け下りる「スピード勝負」の区間で、復路のスタートを決める超重要ポイントでもあります。順位がガラッと変わることも多いので、展開から目が離せません!
なんと、選手によっては 100mを14秒台 で下ることも!速すぎますよね。さらに、5kmを約12分30秒(男子5000m世界記録とほぼ同じ速さ!)で駆け抜けるランナーもいます。まさに“箱根のF1”と言えるスピード感です!
繰り上げスタート
繰り上げスタートは、首位のチームと大きく差がついちゃったチームが対象になるルールです。前の区間の選手が中継所に到着する前に、次の区間の選手が先にスタートする仕組み。これは、交通規制などを考慮して決められたルールです。
もしタイム差が基準を超えてしまうと、母校のタスキではなく白いタスキに変わっってしまいます。「母校の襷(タスキ)を繋ぎたい」という想いで走る彼らが生む感動のドラマがここにあります。
往路
鶴見中継所(1区⇒2区)、戸塚中継所(2区⇒3区)では首位から10分以上
平塚中継所(3区⇒4区)、小田原中継所(4区⇒5区)では首位から15分以上
復路
復路においてはすべての中継所で20分以上の差がつくと繰り上げとなります。
※小田原中継所(9区⇒10区)の繰り上げスタートの際は、白タスキではなく、母校のタスキが準備されており、フィニッシュは各校、母校のタスキですることができます。
シード権
『シード権』は 「来年の箱根駅伝に確実に出られる権利」 のこと。
簡単に言うと、来年も箱根駅伝に出場するための「特別パスポート」のようなものです!チーム全員で力を合わせて、なんとしても10位以内に入りたいと思う大学も多数。ここで滑り込めるかどうかは来年以降に大きく関わってくるので、この10位争いは毎年とても激しいものになります!優勝争いだけでなく『シード権争い』にも是非注目してください。
どうやったらシード権がもらえるの?
1月2日・3日の本大会で 総合順位10位以内に入ればOK!
シード権を取ると何がいいの?
予選会に参加しなくてよくなります!通常、箱根駅伝本大会へ出場するには10月に行われる厳しい予選会を突破しないといけません。でも、シード権があればスルーパス!これで1月に向けた練習や準備に集中できます。
高校生ランナーにアピール!
高校生ランナーにとって「箱根駅伝に出られる大学」は超重要!シード校なら「うちなら箱根に出られるよ!」と強くアピールできるので、有望な選手が集まりやすくなります。
スポンサーや学校の注目度アップ!
シード校になると、大学全体が盛り上がってメディアにもたくさん取り上げられます。学校としても宣伝効果バツグン!スポンサーも喜びますよね。
箱根駅伝“にわか”のためのスケジュール
1月2日 往路
6:50 当日メンバー変更!
箱根駅伝では、往路と復路のレース開始時刻の1時間10分前までに、
正選手と補欠選手の間でメンバー変更を行うことができます。
当日のコンディションやチームの戦術も絡み合い、注目するべきポイントの
ひとつです!
8:00 スタート!
駅伝は、昨今、”流れ”が非常に重要視されています。特に、1区2区は各校エース級の選手が投入されるので目が離せません。
また、各区間20km程度のため、「1時間」ほどでタスキ渡しが行われています。
9:00頃 2区スタート
10:00頃 3区スタート
11:00頃 4区スタート
12:00頃 5区スタート
1月3日 復路
6:50 当日メンバー変更!
往路の結果によってもメンバーが変更される可能性があります!
8:00 スタート!
前日の往路の結果で、スタート順が決まります。
首位チームより、フィニッシュが10分以上差が開いたチームは10分後に
一斉スタートとなるので、見た目の順位と実際の順位がわかりにくくなる
ため、注意して見る必要があります!
超高速の「山下り」がスタートする復路は、往路の1区と同じく、流れを決める大事な役割を持っています。終盤の9区10区は、優勝争いもさることながら、命運がわかれるシード権争い(10位以内)にも注目されます。
また、復路も同じく各区間20km程度のため、「1時間」ほどでタスキ渡しが行われています。
9:00頃 7区スタート
10:00頃 8区スタート
11:00頃 9区スタート
12:00頃 10区スタート
2025年明け!101回大会の注目校・選手紹介
“にわか”箱根駅伝ファンの楽しみ方!
推しの選手をつくろう
箱根駅伝で各区間のスタート前や、レース中にもテレビ中継で出場する各大学のメンバーが紹介されます。「今日はどんな選手を応援しようか」考えながら見てみてください!
アナウンサーのコメントを参考に
注目チームやエース選手の紹介には実況アナウンサーが熱くコメントしてくれることもあります。その選手のもつストーリーを聞くと、つい応援したくなってしまいますよね。
地元・出身校・名前など、自分に関連する選手をチェック!
選手紹介では、出身高校も紹介してくれます。ご自身の地元、名前が同じなど、応援する理由は人それぞれ!
注目校
駒澤大学(王者の貫禄!箱根3冠の絶対王者)
2022シーズンで、史上5校目の「学生駅伝3冠」を達成した駒澤大学!エース級の選手が揃う“層の厚さ”が最大の武器。山下りも平地も隙がなく、チーム全員が安定した強さを誇ります。今年こそ「駒大旋風」を巻き起こし、王者奪還を目指します。
國學院大學(山の強者!シード校の常連が狙う初優勝)
國學院大学といえば、“山のスペシャリスト”を輩出してきた名門校。特に5区(山上り)と6区(山下り)での強さは毎年トップクラス!昨年も安定感のある走りでシード権を確保。今シーズンはさらに総合力を高め、出雲駅伝と全日本大学駅伝を優勝。悲願の箱根駅伝初優勝と史上6校目の“大学駅伝3冠”を狙っています。
青山学院大学(「絶対エース」不在でも挑む復活の青学大作戦)
「箱根駅伝は青学のためにある」と言われた黄金期の復活を目指す青山学院大学。今年は“絶対的エース”と呼ばれる選手がいないものの、原晋監督の巧みな采配で全員が主役になるチームワークを発揮します。往路・復路ともにバランスの取れた布陣で、ライバルたちに再び挑む“復活の青学劇場”から目が離せません!
注目選手
平林清澄(國學院大学)
國學院大学のエースとして注目を集める平林清澄選手。最終学年となる今年は、2月の大阪マラソンで初マラソン日本最高記録(2時間6分18秒)で優勝。今年の出雲駅伝でも区間賞を獲得し、出雲駅伝優勝にも大きく貢献しました。その力強い走りと安定感から、早くも「陸上界の次世代エース」として名を轟かせています。持ち味は登りでも平地でもスピードを落とさない“スタミナ力”と、終盤での爆発的な加速力。
今大会では、チームの悲願である箱根駅伝初優勝&学生駅伝3冠のキーマンとして期待がかかる存在。持ち前の冷静なレース運びと強靭なメンタルで、再び箱根の山を駆け抜け、國學院の襷に新たな歴史を刻む走りを見せてくれるでしょう!
吉田響(創価大学)
東海大学から編入し、創価大学の中心選手としてチームを牽引する吉田響選手。今年の出雲駅伝は2区で9人抜きの区間賞、全日本大学駅伝でも2区2位の好走。第100回箱根駅伝は5区で区間9位。彼の強みは、山の上れる持久力とスピードを兼ね備えたオールラウンダーぶり。特に後半の粘り強さには定評があり、どんな局面でも勝負を諦めない姿勢が光ります。
第97回大会の準優勝を超える上で欠かせない存在。2区か、はたまた5区か。どちらにせよチームのエースとして、勝負どころで大きな役割を果たすことが期待されています。吉田選手が刻む走りが、創価大学の新たな可能性を切り開きます!