日本のバスケットボール界からNBAへの挑戦。渡邊雄太選手や八村塁選手など、プレイヤーとして確固たる地位を築いた選手もいる中、「チアダンサー」として本場・アメリカに挑戦するのは、2023-24シーズンまで千葉ジェッツのチアリーディングチーム『STAR JETS』に所属していた鈴木実優さんです。
「Just Be.」(ありのままで)という言葉を大切にする実優さん。新たな挑戦の始まりを前にしたその想いをインタビューしました。(渡米前インタビュー)
パフォーマンスに魅了され、チアの世界へ
ーーチアの世界に入ったきっかけを教えてください。
実優)大学のオープンキャンパスで、「ソングリーディング」というチアダンス部と出会ったことがきっかけです。いわゆるチアには、チアリーディングとチアダンスの2種類があります。チアリーディングはタワーを作って人を投げたりするもの、対してチアダンスはダンスをメインで行います。
私は6歳から高校生までクラシックバレエしかやってこなかったので、他のダンスのジャンルを間近で見る機会はあまりありませんでした。
だからこそ、大学の部活動紹介で先輩方が魅せてくれたパフォーマンスに心底感動してしまい、一気に魅了されて、チアダンスの道を歩むことを決めました。
ーープロのチアリーダーを目指されたのはいつ頃なのでしょうか。
実優)大学で4年間チアダンス漬けの日々を過ごす中で、競技のチアではなくプロのチアリーダーを目指したいと思うようになりました。NFLやNBAのチアリーダーを見るのが好きというのも理由の1つです。
プロを目指すにあたって、野球やアメフトなどいろいろなチームの試合をたくさん観に行きました。その中で、とくに衝撃を受けたのがBリーグの千葉ジェッツで活動する『STAR JETS』でした。演出がとにかく素晴らしくて、チアの方々もとても素敵で。チアを始めたときと同じような衝撃を受け、「このチームに絶対に入りたい!」と思いました。
チアスピリットを通して、関わる人をエンパワーし続けたい
ーー競技のチアから、お客さんへの応援のチアと変化していく中で、新たに得た気づきや変化はありますか?
実優)何にフォーカスをして誰に魅せるのか、という部分は大きく違いましたね。競技のチアはダンスに点数が付くので、チームで1つの作品を作ることにとても注力しますが、プロスポーツチームにおけるチアは、チームでのダンスだけではなく、個の力、MCや立ち振る舞いなどさまざまな要素も含めて評価されます。
また、コロナ禍を経て応援の力をより一層感じるようになりました。正直に言ってしまえば、私たちはバスケットボールの試合の勝敗に直接的に関わることはできません。ですが、“チアリーダー”である私たちは、選手が頑張れる雰囲気作りをすることにみんなプライドを持っています。「絶対にホーム戦では負けない」という気持ちをみんなで作る感覚はとても好きでしたし、応援の力を感じる瞬間も多くありました。
ーー選手たちにとって、応援の持つ力はやはり大きなものであり、その雰囲気を作り出しているのがチアリーダーなのですね。実優さんが観客を巻き込むために意識していることはありますか?
実優)お客さんとの目と目のコミュニケーションです。私は視力が良いので、2階席のお客さんの顔も鮮明に見えていて「いま目が合っているな」ということも結構わかるんですよ。
お客さんの目を見て「自分のことを見ているかも」と思っていただけると、お客さんも喜んでくれて応援がより一層盛り上がる。こうした目線への意識は、私の強みだと思っています。
ーー目が合うのはお客さんからするととても嬉しいですね!
ーー多くの方をチアリーダーとして元気づけてきた実優さんが思う、“チア”の魅力を教えてください。
実優)チアの一番の魅力は、「チアスピリット」だと思っています。子どもからお年寄りまで年齢に関係なく、チアに関わる人はみんな「思いやり・笑顔・礼儀礼節」というスピリットを素質として持っています。この素質を持っていないとチアリーダーではないと言い切れるほど、素敵な価値観がチアにはあるんです。
ダンスを揃える、協調性を持つ、表現を擦り合わせる。チアにはこういった一体感が絶対に必要です。スピリットという確立された価値観があるからこそ、思いやりや繋がりを常に大切にしながらチアに向き合うことができる点は、他のどんなスポーツにも負けない魅力だと思っています。
次は、応援される側に
ーー海外で挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。
実優)きっかけは『STAR JETS』4年目のオーディションの際にプロデューサーから言われた、「現状に満足していないか。」という言葉です。
正直そのときは『STAR JETS』の活動でいっぱいいっぱいで未来のことなんて考えられていなかったのですが、その言葉で「まだ私にはステップがあるんだ、未来があるんだ」と気づくきっかけとなりました。
すべてがトントン拍子に進んだわけではなかった『STAR JETS』での6年間の経験を経て、「自分ならもっとやれるんじゃないか」というハングリー精神が湧いてきて、海外挑戦を視野に入れるようになりました。
もともとNBAもNFLも大好きでよく観ていたので、そのチアのレベルの高さは感じていましたが、ただ憧れで終わるのではなく、「私もそこを目指そう。」と思えたのは自分の可能性に期待していたからです。レベルの差や求められるものの差はありますが、今やっとスタートラインまで来れたので、がむしゃらに頑張りたいという気持ちでいます。
ーーNBAやNFLのチアに対して、どんな印象を持たれていますか?日本との違いはどのようなところにあるのでしょうか。
実優)NBAやNFLのチアは、日本よりもっと会場に溶け込んでいるイメージがあります。そして、一瞬一瞬の出番にいろいろな計算がされていて、その計算の中でチアリーダーはコートに立っているんです。このような魅せ方の違いはもちろんですが、環境も日本とは大きく異なります。
例えば会場。日本よりももっと広い会場でパフォーマンスをするので目線やカメラなどにもより意識を向ける必要があると感じています。
NBAもNFLもどちらも魅力的でしたが、私は6年間バスケットボールのチアをしていたので、この経験を活かしてNBAに挑戦することを決めました。
ーー海外挑戦をするにあたって不安なことはありますか?
実優)すべてが不安です(笑)。でも、ネガティブな不安というよりは、最低限不安を心に持っておかないと足をすくわれてしまうかなという気持ちが大きいですね。
海外での挑戦において出てくる壁は、全力で取り組んで乗り越えていこうという気持ちでいます。
ーー海外挑戦をするにあたってどのような応援が実優さんの活力となっているのでしょうか。
実優)どんな応援でも本当に嬉しいです。今までは応援する側に立っていたので、個人としての活動やキャリアを応援してもらえる機会がすごく新鮮で、ありがたい気持ちでいっぱいなんです。
言葉でメッセージを送ってくださる方も、私のことを新たに知って応援してくださる方も、すべてが私の力になっています。
ーー今後のキャリアやチアの未来について、どんなことを成し遂げたいと考えていますか?
実優)3つあります。
1つ目は、アメリカでの活動を通して得た経験を日本のBリーグに還元すること。今後日本にアリーナが増えていくにあたって大きい箱でのパフォーマンスの仕方やチアリーダーの役割を、自分の経験をもとに発信していきたいです。
2つ目は、チアの普及です。チアリーダーの印象を価値のあるものに変えていくことや、チアリーダーの役割を正しく世間に広めていきたいです。そして、チアリーダーという職種の在り方を変えていけたらと思っています。
3つ目は、次世代のチアリーダーを増やしていきたいということ。海外で得たことを子供たちにも教えたり、自分の体や言葉で子どもたちに教えていくことで世界進出を目指すチアリーダーを一人でも増やしていけたら嬉しいですよね。そんなロールモデルになりたいです。
ーーありがとうございました。
NBAダンサーを目指す鈴木実優さんを応援!
見えるをデザインするブランド『WAVE』を展開する株式会社パレンテは、「世界をミテイル人」を応援するプログラムとしてプロチアリーダー鈴木実優さんをサポートしていきます。
実優さんのありのまま(Just Be.)を届け、応援できるサイトがWAVEサイト内でオープンしています!
「Just Beを胸に日本から世界へ」
サイト内で販売されている『Just Be.』のグッズの売上は、鈴木実優さんのサポート費用として活用されます。Bリーグで6年間の活動を経て、新たなチャレンジの場として世界最高峰のバスケットボールリーグであるNBAのダンサーを目指している実優さんを皆さんで応援してください!
鈴木実優さん紹介サイト:https://wavecontact.jp/campaign/miyu/
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