コラム

少子化でも競技人口は85倍!成長するダンス市場に企業も注目

ダンス市場

少子化でも増え続けるダンス競技人口。急速な成長で盛り上がりをみせるダンス市場は企業からも多くの注目を集めています。このコラムではダンス市場の可能性や実際に企業が行っているダンスを活用したマーケティング事例を紹介します。

ダンス競技人口は右肩上がりで増加

一般社団法人ストリートダンス協会によると、国内の推計ダンス競技人口は2015年時点で約600万人に到達し、サッカーの700万人に次ぐ競技人口へと成長を遂げています。(2001年比較で実に85倍)
競技人口が増加した要因としては、2012年に中学校の保健体育の授業でダンスが男女ともに必修化された影響が大きく、小中高あわせた市場規模は約2000万人に上ると言われています。

若者の五輪離れを危惧した国際オリンピック委員会(IOC)は、2024年のパリ五輪で新競技としてダンスの『ブレイキン』を正式種目に採択しました。このことからわかるように、ダンスは日本だけでなく世界でも注目を浴びているスポーツと言えます。
国内においては、2021年にプロダンスリーグ『Dリーグ』が誕生し、ダンサーにとって目指すべき夢とゴールの一つとして多くのファンを集めています。

Dリーグ 会場

関心属性の違いもダンス市場の特徴です。
Dリーグが提供するアプリの利用属性をみてみると、性別では女性が65.3%、男性が33.6%、年代別では10代が24.9%、20代が30.7%と、女性に人気があり若年層が多いことが特徴になっています。
サッカー「Jリーグの観戦者調査レポート(2019)」を見てみると、男女比は6対4と男性の方が多く、年齢は18歳以下が5.8%、19~22歳が5.5%、23~29歳が10.8%、とファンの高齢化が傾向として見られます。

こうして比較をすることで、ダンスの持つ特徴的な関心属性がわかります。

ダンス市場データ補足:Dリーグアプリ属性情報とJリーグ スタジアム観戦者調査2019サマリーレポートをもとにSports for Socialが作成(定義を揃えるため、Jリーグ観戦属性の19歳は20代にいれています)

企業が抱える課題に対して明確にアプローチできる競技性

若い世代や女性に対するアプローチが可能になるという点は、他競技との差別化になり、スポーツスポンサーを検討する企業に対しても強い訴求に繋がります。Z世代(若い世代)に対するマーケティングやコミュニケーション手法に課題を感じている企業は多数存在します。
もう少し深掘りをし、企業がなぜダンスやDリーグのスポンサーを行うのか紐解いていきます。

ダンスは社会的な取り組みやSDGsとも非常に親和性の高い競技だと言えます。
ダンスを通じて異なる文化やバックグラウンドの人々が交流し、相互理解を深める場が生まれます。これは格差のない社会を実現や平和と公正を促進することに寄与される要素です。
ダンスは言葉が不要のため、国籍や言語に関係なく、伝えることができるコミュニケーション手段です。
また、日本人が苦手としている自己を表現する力もダンスを通じて身につけ感じることができます。企業が抱える人材育成やインナーブランディング、健康経営といった企業課題に対してもダンスというツールがアプローチできることは多くあります。

マーケティング観点においても、ダンスの短く伝える力は魅力的です。情報過多の時代、1つのコンテンツにおける平均視聴時間や消費者の可処分時間は減少傾向にあります。(その影響としてショート動画市場は成長)
その点、ダンスはDリーグの演技時間も2分~2分15秒に設定されています。わずか2分で魅力やメッセージを伝えることが求められる競技なのです。裏を返せば、企業のPRやプロモーションを短時間で表現するクリエイティビティを兼ね備えているとも言えます。また、ディレクターやダンサーは自身のSNSでの見せ方や表現に多くの工夫を施しています。Z世代に刺さるコンテンツマーケティングは企業人よりも上手かもしれません。

Dリーグ・スポンサー事例の紹介

今年からスポンサー獲得に力を入れているavexの事例を紹介します。
ユニフォームにロゴを掲載する企業はまさに上記にあるような意図が感じられます。

Dリーグ・avexROYALBRATS

『靴下屋』でお馴染みのタビオ株式会社は、自社製品のプロモーション動画にDリーガーを起用しています。ここに明確な他競技との違いを感じます。他競技の場合もプロモーションに選手を起用する事例は多々ありますが、あくまでアンバサダー(象徴)のような形の起用が中心です。そのため、世界クラスで活躍しているなど、ある程度の知名度や人気がないと費用対効果は合いません。その点、ダンスは「表現」の競技です。従来から多数のCMでダンスが起用されてきたように、ダンスを活用したプロモーションは実現できる幅も増え、消費者の目を留める施策にもなり得るのです。

■avex ROYALBRATS × Tabio MEN 「フットパフォーマー2」スペシャルムービー【第2弾】


「企業のブランディング向上」という文脈でスポンサーを決めた地方の建設企業がありました。建設業では、担い手育成支援に力を入れ、人材確保や人材育成、魅力ある職場環境づくりに力を入れています。「若い世代が夢中になれる場所づくり」という点では、Dリーグと通ずるものがあり、若い世代を応援することは企業の今後の戦略上非常に重要なことだと言えます。またavexという冠がついたチームと契約することで地元での知名度はうなぎのぼりに上昇したとのこと。地方企業×Dリーグチームの一つの成功事例と言えるでしょう。

■茨城県古河市の建設会社が avex ダンスチームのユニフォームスポンサーになった理由

茨城県古河市の建設会社が avex ダンスチームのユニフォームスポンサーになった理由日本発・ダンスのプロリーグ『Dリーグ』。サッカー人口をも上回るといわれる国内ダンス人口(600万人)は、これから先若者世代を中心に大きな...

このように、単純な露出価値換算ではなく、目的別に複数のソリューションが提示できるのがDリーグ(ダンス)の魅力だと言えます。
ダンス市場や、参入や協賛する企業は今後も増えていくことが予想されます。

Dリーグチームへの協賛・資料問い合わせはこちら
info@hamonz.co.jp

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