東京2020オリンピック競技大会からの新競技となったスケートボード。日本は4種目で金3個、銀1個、銅1個とメダルを量産しました。また、西矢椛選手が日本勢最年少メダリスト(13歳)となったことでも注目を集めました。今回はそんなスケートボードのルールをわかりやすく解説していきます。
スケートボードの種類
競技の種類にはストリート・パーク・フリー・バーチカル・ビッグエア・スラロームの6種類があります。そのうち、ストリートとパークが東京2020オリンピック競技大会の正式種目として採用されました。
ストリート
街にあるような階段や手すり、縁石やベンチ、壁や坂道などを模した直線的なセクション(構造物)を配したコースで行われます。選手はセクションを使いながらさまざまな技を繰り出します。
パーク
大きな窪地状のコースで行われます。直線的なセクションが中心のストリートに対して、パークはアール(湾曲)がついた曲線的な形状です。曲面を昇るほど傾斜は急になり、上部ではほぼ垂直状態になります。ここを一気に駆け上がり、空中へ飛び出す美しい「エア・トリック」が演技の中心となります。
フリー
ボードを回したり、立てたり、スピンをしたり、逆立ちをしたり、ダンスのようなステップを踏んだりと、変幻自在にスケートボードを操り、トリックを繰り出します。
バーチカル
スノーボードのハーフパイプ競技のようなイメージで、滑走部分の最上部は垂直となる、半円もしくはU字型の構造物(3m ~4mの高さ)でトリックの難易度等を競います。
ビッグエアー
スキージャンプのような急傾斜を滑り降り、そのまま角度を付け踏み切り台から空中に飛び出しトリックを見せる競技です。
スラローム
パイロン(三角コーン)を通ってスタートからゴールまでのタイムを競う競技です。
スケートボードのルール
ここでは、東京2020オリンピック競技大会で正式種目として採用されたストリートとパークのルールについて説明していきます。
ストリート
「ストリート」は制限時間45秒の間で自由に滑る「RUN方式」2本と、難易度の高いトリックに挑戦する「BEST TRICK方式」5本を行い、得点上位4本の点数を合計して順位を競います。「RUN方式」では、コースを自由に滑り、そこで技や滑りの美しさを表現し、「BEST TRICK方式」では、コース内にある障害物をひとつ選びそれを使って技を繰り出します。
パーク
「パーク」は制限時間45秒の「ラン」を3本行い、その中で最も高い点数によって順位が決まります。しかし、競技中一度でも転倒してボードから落ちてしまうとそこで終わりとなります(※)。スピードが重視される競技ですが、滑りながら繰り出す技の難易度やクオリティ・オリジナリティに加え表現力も採点の対象となります。
※大会によってルール規定が異なる場合あり
スケートボードの見どころ
高難易度の技が繰り出される「ストリート」
「RUN方式」では自由にコースを滑走するため、どのように手すりや緑石を利用して技を繰り出すのか、その選手の独自性が大きな見どころです。
「BEST TRICK方式」では、難易度の高い技が披露されるため、技に入るまで会場全体が固唾を飲み、そして完璧に技が決まった瞬間に会場全体のボルテージが一気に上がっていく様子が魅力の一つです。
ダイナミックなジャンプが魅力の「パーク」
トリックの美しさ・難易度・滑りのスタイル・コースをどのように使って技を決めるかなど、さまざまな項目が審査基準となり、これをすべてを45秒間で表現するのがパークです。
「パーク」では、特に空中で技を繰り出す豪快な技「エア・トリック」などが繰り出され、その迫力が魅力の一つです。